美味しいお米はどれですか?
米屋として、もっとも「嫌いな」(笑) 質問です。
答えは、
「美味しさは、いつもあなたの舌が決める」
最近は、コシヒカリ・ササニシキ・あきたこまち・ひとめぼれというかつての四大銘柄に続いて、毎年、多くの新品種が登場しています。
残念なことに、昔々の横綱ササニシキは、生産量TOP20からも落ちてしまって、さらには後継の品種がないのですが・・・
当店だけでも30品目くらいおいてあります。どれも、それぞれに、それなりに(富士フィルムのCMか) 笑 美味しいです。
一般的には、モチモチ度(もっちりか、さっぱりか)、噛み応え(しっかりか、柔らかいか)という二分法で大きくくくりますが、さらに細かく、外観・粘り・甘み・硬さ・香り・旨みという要素まで踏み込んでの、分類もあります。
でも、どれだけ細かく分類しても、どれだけ詳細に説明しても、実際に食べてみての感想が一番正しいのです。
昨年、府中市内の「まちゼミ」に参加して、店内で食べ比べ体験を企画しました。お米三種類、
「魚沼コシヒカリ(本当の本来の)」「夢ごこち」「宮城ササニシキ」
のブラインドテストをして、感想を書いていただき、順位付けをしてもらうというものです。
魚沼コシヒカリは、ダントツにバランスが良い。粘りがあり、甘くて、ツヤがあって。オール5的な。夢ごこちは、エッジが効いたお米。とにかく、粘って甘い。ササニシキは、見た目、口に入れた感想は地味だが、ほろほろっとした食感とお米の旨みが持ち味。三者三様です。
結果は?ものの見事に、評価が分かれました。
「どれも美味しい」が、「どれも違う」。そして、その順位は、
1)年齢的な違い 2)個人的な違い
に分かれました。
20・30代でコシヒカリが一位はゼロ。50代以上でササニシキ一位はゼロ。二位・三位は、年代別でも個人差が大きかった。
皆さんの感想をまとめると、「お米って、こんなに微妙で、でも、こんなに違うとは!」
そうなんです。
「みんな違ってみんないい!」
当家では、私が「夢ごこち」、かみさんが「飯山コシヒカリ」、子供たちが「雪若丸」と、好みが違います。どれも、美味しいですが、好みの問題なんです。
お客様の中でも、ご夫婦が「つや姫」、お子さんが「まっしぐら」が好きという方もいます。
勿論、美味しさ的に論外もあります。安いものにはそれだけの理由があります。突っ込むと、別のテーマになってしまうので、別の機会にということで。
マスコミの煽るような情報や、先入観(以前の記憶や旅先での経験)はあてにせず、お店でゆっくりしっかり話を聞いて、少量ずつ複数品種を買って、ご自宅で食べ比べをしていただきたいなと思います。
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