未経験でSEO業務に転職し半年で月間15万PVにした40代女のメモ【10】

SEOの仕事をしている人なら普通に身に付けている文章感覚が、部外者にはなかなか通じないことがあります。

「検索上位を目指す」

この言葉が当たり前に聞こえて右から左に流れてしまい、腑に落ちてないSEO初心者は多いんやないでしょうか。

「上手な記事」ではありません。目指すのは「検索上位」です。

検索上位に上がれて、なおかつ上手な記事なら理想的です。

しかし、上手だけれども検索上位に上がれない記事は、SEO戦略的に価値がありません。


いくら自分が
「よっしゃ! 完璧な記事が書けた! 競合より絶対面白くていい記事や!」
と思い、事実そうであっても、読者とGoogle様の目的に合致していなければそれはいい記事ではなく、検索上位に上がれません。

かく言う私も最初は勘違いしていました。
仕事を始めてから2ヶ月ぐらいは「検索上位」の意味がつかめておらず、ただ文章が上手くて面白くてためになる記事を書いて、キーワードもいくつか入れておけば上に上がれるんだと思っていました。

「検索上位」の考え方を理解できたときに、視点が切り替わってハッ!としたのを覚えています。



関西人なら子供のころにお母さんから「よそはよそ❗️ うちはうち❗️」と怒られたことがあるでしょう。

SEOの考え方はオカンの真逆です。
「上の人たちはこうしてるからうちもそうしよう」を徹底するところから始まります。

同じキーワードを狙っている上位サイトがどんな話題を何文字で書いているか、画像は何枚貼ってあるか、見出しは何本あってそれぞれ何文字使っているか……そんなことを全部マークします。

上位をマークするのはGoogleから評価される記事の傾向をつかむためです。

上位に表示されているという事実がGoogleから評価されている証です。


もちろん、ただの猿マネやパクリがダメであることは言うまでもないですよ。

場合によっては訴えられますし、そもそもそんな記事には存在価値がありません。

評価される方向性を確認し、狙いを定めるために上位サイトをマークし、そしてそのライバルを上回る記事を書くのです。

上位にいる先駆者を追い抜きたいなら大前提として同じ方向を向いて走っていなければならず、そうでなければ競争が成立しません。

しかし、この考え方が理解できない人は本当に「なんのこっちゃ」になる様子。

紙媒体の編集者から転職してきた同僚のおばちゃんは、私が何度言っても「検索上位」を目指すという意味が理解できず、「上手な記事」を書こうとします。

「よそはよそ、うちはうち」の精神にのっとり、自分の思いつきで情報を集め、内容盛りだくさんで読みごたえのある記事を書いて独自の境地を切り拓こうとします。

読み物としては面白いのかもしれませんが、実際のところECサイトのオウンドメディア記事としては見当ハズレで、PV数の伸びははかばかしくありません。

狙うべきキーワードはタイトルなどにちゃんと含めていますが、たぶんGoogleにはキーワードと記事内容に整合性がないことがバレているのでしょう。

こういう人にとって、「キーワードは後付けするもの」なんですよね。

それに、Webで検索する人は基本的に読みごたえのある記事やユニークな記事を求めていませんし。


この同僚は、SEOをレースに例えるとヨーイドンであさっての方向へ走り出したようなもので、まさに「我が道を行く」です。

狙うキーワードで1位を取り、検索で自社サイトにたどり着いたユーザーを引き込んでコンバージョンするという本来のゴールを見失っています。

つまるところ、紙媒体と同じ感覚で読者を楽しませる記事を書こうとすると、コンテンツマーケティングはコケてしまうんですね。



人がWebで検索するのは、何か知りたいことがあるから。それをSEOでは「検索意図」と言います。

本やフリーペーパーを読むときの心理と、Webで検索するときの人の心理は違います。

検索するのは「問い」を抱えて明解な「答え」を求めているとき。しかも今すぐに。

だからWebの記事は常に分かりやすく端的な「答え」であることが求められます。
個性は本来必要ありません。


そう言えば、本やフリーペーパーなら読む人を「読者」と呼びますが、Web検索する人のことは読者と呼ばず「ユーザー」と呼びますよね。

こういう表現の違いにも媒体や利用者の特性が表れているのは面白いです。



Googleは「ユーザーはなぜそのキーワードで検索したのか」を必死で探っています。

検索意図に沿った結果を表示して「やっぱりGoogleは便利」とユーザーに思われることが会社の生命線だからです。

そのGoogleに「検索意図に的確に応える記事」と認められるには、上位にいるサイトを研究した上で、さらにその上を行く記事を書くこと。

面白い記事よりも、便利で親切な記事を目指しましょう。


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