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2024.10.05 マーケットのはしご

SNSの広告の8割は、興味ないものが流れている。
だが、2割は有益である。

自分以上に私のことを知っているスマホが、第一土曜日に近くの学校でフリマをやっていると教えてくれた。
スロバキアは他のヨーロッパ諸国と比較して、蚤の市文化があまりない。だから、その情報を得て足を運ばない訳がなかった。

どんより雲の中、歩いて15分強の小学校にたどり着いた。
赴いたものの場所が見つからず帰ることも想定していたが、校門に着くと「Burzoblšák」とマーケット名の書かれた横断幕が飾られていた。日本の学校の場合、関係者以外は敷地に入ることもできない。そのため、本当に入っていいのか不安になっていたが、夫婦らしき二人組が中に入っていくのを見て、私も後に続いた。

元教員としては、スロバキアの学校に入れるだけで、少し嬉しい。そわそわと周りを見ながら、体育館に入った。
最初に迎え入れたのは、絵本に出てきそうな、高さ10cmはあるホールケーキだった。魅了されながら中に進むと、バスケットコート一面ほどの広さに、所狭しと並ぶ出店だった。95%は古着などの衣料品で、残り5%で子どものおもちゃなどが売られていた。
高くても40€ぐらいの服を、一着ずつ見ていった。

比較的古着も好きな私は、掘り出し物がないかと丁寧に見たが、心をとらえるものはなかった。また、例の如く、99%が白人の会場の中、どうも周囲の視線が痛く、早々に離れることにした。

次に向かうは、Fresh Market。この学校からさらに20分北に上る。
「きれいめなマーケット」という前評判通り、売られている野菜も中に入っている食品店も、きれいで少し割高だった。栗が売られているのを見て、秋を感じる。せっかくなので何か買いたいと思い、チーズ屋に寄ったり、イタリア食材店に入った。



どれにしようかと考えていると、珍しくスロバキア人が並んでいるパン屋にたどり着いた。大きなサワードウが並べられ、次々と売られていく。ショーケースの右の方には、クリーム入りドーナッツがいた。
よし、お前に決まり!
チョコレートやクリームなどの種類がある中、私はピスタチオを選んだ。

友人が2階のラーメン屋で働いているのを聞いていたので、フードコートエリアにも行ってみた。ちらっと覗いたが、いない様子。
今回は気の向くままに来たので、次回は連絡してラーメンも食べてみたい。

一周回ってみると、50代ぐらいのおばちゃんと目が合い、爪楊枝に刺された食品を出された。周りに誰もおらず、どうしたものかと思いつつ近寄りもらってみた。
よくみると、イラン料理屋のようで、手渡されたのはジャガイモガレットの試食だった。美味しい。
まだあまりお腹は空いていなかったが、量り売り・ビュッフェスタイルのお店だったのもあり、そのままお皿を取って、気になるものをよそうことにした。

野菜のみなら100g=1.45€。
お肉と野菜を合わせるなら、100g=1.75€。
割といい設定だなと思いながら、今回は野菜のみ4種選んだ。
合計6€強(現在のレートだと800円ぐらい)。マクドナルドでも同じぐらいの値段する当国の物価だと、安い。

のんびりしていたら、時計が12時前を指していた。
もう1箇所、Tržnicaのマーケットにも行きたいと思っていた。ここは13時で閉まるらしいので、バスに乗って向かった。

なんとも共産主義の遺産的香りが漂う外観。
駐在し始めてからずっと気になっていたものの、中は入れないものだと思い込んでいた。だから、数週間前に人が中に入る様子を見て、機会をみて入ろうと決意していた。

実際に中に入ってみると、薄暗い照明の中、花屋が二店開いていた。
誰が買うのか分からない、大きなハート型の花飾りが、なんともスロバキアらしい。中に進んでみると、ほとんどの店が閉まっていた。
土曜日の閉店間際は、来るべきタイミングではなかったらしい。他にも二組ほど、呆れながら出ていく姿が見られた。残念だが、私も次回に期待することにした。



3箇所のマーケットをまわり、実際買ったものはドーナツだけだが、気持ちはほくほくだった。現地人のような生活になってきたと我ながら思う。

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