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コロナ隔離・療養期間が終わったら ~健康のお困りごとや各種手当の申請について~ 【保存版】コロナウイルス関連対応まとめ②

こんにちは。クリニックTEN渋谷・「クラウド保健室」です。今週も、前回の記事に引き続きコロナウイルス関連の対応についてお話しさせていただきます。

今回は療養・隔離期間が終わった後の困りごとや、休業にかかわる各種手当の申請について、濃厚接触者になった場合や自身がコロナ陽性になったなど、さまざまなケースについての対応をまとめております。

コロナを疑ったり陽性・濃厚接触者の方は前回の記事をご参照ください。

前回の記事とともに、社員さまなどから問い合わせがあった際の行動指針の一助としても、日常業務の中で便利にお使いいただけましたら幸いです。

※今回の記事では、主に自身に症状がある場合や濃厚接触者となった場合、陽性となり治療・療養をした場合の申請を取り上げます。コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、収入が減少した場合などの助成金・給付金については記載しておりませんのでご了承ください。

コロナ関連で受けられる給付金や手当には何がある?

◎給付金・手当の種類

自身に症状があったり、濃厚接触者に該当して仕事を休んだ場合や、陽性となり治療・療養をした場合に受け取れる可能性がある給付金・手当には主に次の4つがあります。

1.休業手当

休業手当とは、雇用主の責任で従業員を休ませた場合に支給する手当です。労働基準法では

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

労働基準法 第26条より

と定められています。

コロナ関連で休業手当が発生するケースは主に、感染が疑われる社員や濃厚接触者となった社員を会社の判断で自主的に休ませる場合が該当します。
※陽性が判明し療養する場合、風邪症状や強いだるさがあるため就業が困難・医師から休業の指示がある場合はこちらの対象とはなりません。

原則として休業手当の支給に関しては、「就労先企業に請求する」対応となります。所属企業の労務担当者などに相談をしましょう。

企業より支給が受けられない場合には、下記2.の”新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金”が申請可能ですので、そちらを参考にしていただけますと幸いです。

2.新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 (以下、休業支援金)

休業支援金はコロナの影響で休業させられた労働者のうち、雇用主から休業手当を受けることができなかった方に、国から支給をする制度です。

現在の対象は上記の労働者のうち、令和4年1月1日から9月30日までに休業となった方です。時短営業などの影響で勤務時間が短縮した場合や、シフトが減った場合なども対象となる場合があります。

こちらは自身で書類を準備し、申請が必要です。また、休業した期間に応じて申請期限がありますので注意が必要です。

申請期限:
令和4年1月~6月の休業      令和4年9月30日(金)まで
令和4年7月~9月の休業     令和4年12月31日(土)まで

必要書類の中には基本的に事業主と協力して作成する”支給要件確認書”がありますので、申請準備にあたっては、所属企業の労務担当者などに相談の上準備を進めましょう。

詳細の申請方法や必要書類、対象の条件については下記、厚生労働省のHPにまとめられておりますので、ご確認ください。

3.傷病手当金

傷病手当金は病気やけがの影響で会社を休み、その間に会社から給与などが支給されない場合に受け取ることができます。正社員・契約社員・派遣社員といった雇用形態は関係ありませんが、就業先の保険(いわゆる社会保険)へ加入していることが必要です。

社会保険への加入に加えて企業が属する健康組合により条件が定められており、審査の上で支給が判断されます。

例として、全国健康保険協会(協会けんぽ)の支給条件はこちらの4つです。

・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
・仕事に就くことができないこと
・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
・休業した期間について給与の支払いがないこと

全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」より

こちらも自身での申請が必要となります。企業の所属する健康保険組合などの保険者にお問い合わせください。

4.民間保険金

民間保険金とは病気やケガのリスクに備えて自分で入る、テレビCMなどでよく見かける○○生命保険のような”いわゆる”保険から支給される保険金です。病気に罹った際や入院時に保険金が受け取れるような商品に加入をしている場合には、この保険金が受け取れる場合があります。

通常は実際に入院し治療を受けた場合のみに支給をする商品であっても、昨今の感染拡大に伴う病床のひっ迫を受けて、医師の指示に基づく宿泊療養・自宅療養においても「入院と同等」として取り扱う場合があります。民間保険に加入している場合は、自身の加入する保険会社のHPやご案内をご参照ください。

ただし原則として”療養を確認できる書類”の提出が必要となりますのでご注意ください。保険会社により違いがある場合もございますが、

・My HER-SYSの証明 (前回記事、①のMy HER-SYSについてを参照)
・医療機関等で実施されたPCR検査や抗原検査の結果がわかるもの
・医師による診断書

参考:あいおいニッセイ同和損保「大切なお知らせ」

などが必要なケースがほとんどです。

医療機関にかからず、市販のキットや無料PCR検査等での陽性により自宅療養をされた場合、医師や自治体による証明が受け取れない場合があります。証明がない場合には支給を受け取ることができないこともありますのでご注意ください。

陽性判定となった場合には医療機関にて診断を受け、自治体へ「発生届」を提出してもらいましょう。発生届が提出されると保健所よりIDが発行され、療養後に上記のMy HER-SYSにて証明書を発行することができるようになります。

◎ケースごとに対象となる可能性があるのはどの給付金・手当?

●症状がある・濃厚接触者に該当し、”会社の判断”で休業する場合
→「1.休業手当」または「2.休業支援金」が該当する可能性がある。

●症状がある・コロナ陽性となり”医師の判断”で休業する場合
→「3.傷病手当金」が該当する可能性がある。
※社会保険への加入が必要

●”民間保険に加入している”状況で、コロナ陽性となった場合
→「4.民間保険金」該当する可能性がある。
※加入会社の商品内容や対応による

コロナ療養後の後遺症について

コロナウイルス感染症にかかり、治療や療養期間が終了した後も一部の症状が長引くことがあります。代表的な後遺症には

疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、不眠、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害 、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下など

参考:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

が報告されていますが、これらが起こる原因については、いまだ不明な点が多いというのが現状です。

後遺症への治療は、出ている症状に対して薬の処方等を行う「対症療法」が中心となります。重症化に至る例も報告されているため無理な活動は避けるなど注意が必要です。

後遺症が疑われる場合は、かかりつけの医療機関や地域の保健所にご相談ください。自治体によっては公立病院における相談窓口での支援が受けられる場合もありますので、そちらも併せてご活用ください。

(例) 東京都 : 都立病院における「コロナ後遺症相談窓口」

症状が続く場合には、療養や治療について医師等と相談しましょう。

終わりに

◎適切な相談先を頼りましょう!

ここまで、前回の記事を含めてコロナ関連の様々な対応指針をお話しさせていただきました。「コロナ対応」と一口に言っても、ご自身が症状を感じることもあれば、ご家族や身近な友人が感染したという場合もあります。ケースによって、適切な対応も頼るべき相談先も異なってきます。

前回の記事 ”コロナ疑い・濃厚接触者・陽性になったらどうする?では、自身や身近な方に何か症状があった場合の適切な対応や、陽性判明後の対応・療養期間についてまとめてご紹介しております。症状については医療機関や地域の保健所、各種の申請については会社の担当者や保健所・役所など、記事を参考にしていただきながら、相談先を見つけていただけましたら幸いです。

判断に迷う場合には私たち「クラウド保健室」にもお気軽にご相談ください。また、自治体によっては総合的な相談窓口も開設されていますのでぜひ併せてご利用ください。

不安定な状況がまだ続くことが懸念されていますが、この記事が少しでも皆様が安心して、適切な対応ができるための一助となることを願っています。

それでは次週も、よろしくお願いいたします!

クリニックTEN 「クラウド保健室」

(参考資料)
・厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
・厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)
・厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
・全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
・あいおいニッセイ同和損保「大切なお知らせ


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