上司と私のあいだには
少し前に、仕事でちょっと大きなミスをした。
と言っても、私のミスの後に後輩のミスが発覚して二重事故となってしまった形になった。
あまりミスをした事がない私は少し心が折れかかった。
私は、以前にも書いたが、通常はごく普通の会社員であり、カウンセラーとしては副業みたいなものである。いずれカウンセラーの方が主になるかもしれない、、。
それはさておき、このミスの内容は詳しくは言えないが、要は確認不足からくる些細な洩れでそれをその日か次の日にでもきちんと報告すべきところを報告せずに3週間くらい経過したところ、後輩くんが追い打ちをかけてミスしてしまった事から発覚した。
そのミスの内容がどうのというよりかはその報告をすぐしなかった私の責任であり、更には同じ事の一回り大きなミスを私の後輩くんがやらかしたとあって、致命傷な事ではないにしろ部門リーダーとしての責任を問われる事になる。
課長から所長に話があり、所長から仕事終わりに話があった。
報告を怠った私のミスでありながら、所長は私をかばってきた。
自宅に戻り、どう対処すべきか(本当はしてはいけない事だが社長に報告しないでそのまま片付けようという事だ)、社長に報告となるとどういう風にするか、、など一日中考えていたらしい。
次の日、私は休みだったが所長から連絡があり会う事となった。
私『すみません。ほんとに。Dさんに迷惑をか
けてしまって、、』
所『どうにかNさんじゃなくてスタッフみんな
の責任ということに持っていきたいと思っ
てるんだけど、、課長にも相談して、それか
内うちですませられればと考えてるんだけ
どね、、。』
私『Dさんをこれ以上悩ます訳には、、。
私が悪いのできちんと始末書も何枚でも
書きます!減給になってもいいですよ』
降格となる事はないだろうが、始末書となれば1ヶ月減給される事となる。そして、部署ごとのミスゼロの目標数字がゼロクリアされるのが申し訳ない。ましてや連帯責任などあってはならない
所『とにかく、Nさん、課長と話して何とかして
みるから。』
と言った所長だが、なんでそこまで私を庇う必要があるのだろう。
私と所長はというと。
私の両親が何年も所長と長い付き合いがあり、私がコロナで職を失い今の会社に入る以前から両親からいつも所長の話は聞かされていた。
まさか、この今の会社に入りその所長の下で働く事になるとは思わなかった。
まさに不思議なご縁だ。
所長は今年40歳になる。お互い反発する事もあったりしながら、所長がストレスたまったりした時は私に話に来ては飲みに行ったりして、何故かずっと一緒にいる。
しかし、お互い何故か一日中口をきかない反発し合うことも多々あり、本当にもうこんな人と離れたい!所長も私に嫌気がさしてるだろうからそろそろ部署変わるだろう!と思っていても、なぜかずっと一緒の所にいる。
もし前世とかあるのなら、私と所長は前世に兄妹か親友とか戦友とかそんなんだったのではないかと思う。
だがしかし、今回ばかりは所長もお手上げだろう。11月で部署異動かもと思っていたが、私を庇ってきた。
私は、課長に聞いてみた。
私『課長、私はDさんやみんなに申し訳ないです
Dさんが1番気になっている事は何ですかね
? 目標数字がゼロクリアされる事ですか?
それとも自分の所長としての責任もあって
社長から怒られる事ですか?』
課『そりゃあ、Aさん。Aさんの事に決まっとる
やん!Aさんが大切だからやろ?Aさんに不
利にならんようにめちゃくちゃ考えとるで』
えっっ、、なんで?
だって、あんなに嫌な思いしたり、今回の事も何やってんだ?って思うだろうし、、
課『今回の事は、報告せんかったというのが悪い
だけでみんなやってきたミスなんや。俺も
他のG部の課長もやった事あるしな。やけん
そんなんいいんだよ。
なんでDちゃんが、Aさんを離さないんやと
思う?そんなん、わかるやろ?』
なんでか、、そんなんわかりません。
私は所長からよく思われてないとずっと思っていた。
だが、ふと思い出した。
『Nさん、Nさんも不器用だよ。もっと自分を
出してください』
『Nさん、僕は一緒に飲みたいと思ってるのに
Nさんが行かなかったら意味がないですよ』
『Nさん、いつも助かってるから』
『なんとか不利にならないようにしたいから』
所長の言葉。これだけではないが、私は凄く誤解をしていたのかもしれない。
ちなみに、Aは苗字、Nは名前の頭文字である。
所長はいつも私を見ていてくれていた。私に心許してくれていた。あなたもかなり不器用ですけど、、笑
恋愛関係としては未発達だが、これをきっかけに私の彼に対する見方がかなり変わった。
それから結局、所長と課長とで社長に頭を下げて無事に今回だけは厳重注意で終わる事ができた。
本当に感謝しかない。
落ち着いて、部署の飲み会があったが、所長の優しさが身に染みた。心折れかけていた私を部署のスタッフはいつものように笑かしてくれて元気にしてくれる。それだけでなく、所長はいつにも増してカッコいいなと思ったのも初めてだ。
あれ以来、なぜか所長と私の間の空気が柔らかく、お互い目と目で確認し合うようになったように思う。
なぜか切れない縁。これからどう発展していくかはわからないが、大切にしたい存在である。
あのミスがきっかけで、色々な事を気づかせていただいたように思う。
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