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サンプル記事ー 銅・錫食器の違い|店員目線でのメリット・デメリットを解説

最近蒸し暑い日が増えましたね。
これからやってくる暑い季節は、冷たい飲み物で涼みたいものです。

そんなときにおすすめなのが、銅タンブラーや錫タンブラーです。
でも実際、「銅と錫で何が違うの?」「そもそも、どういった効果があるの?」と思いますよね。

わたしは、ライターを目指すかたわら、和雑貨屋でも働いていて、職場には、数種類の銅や錫製の食器があります。
勤務中、お客様からの質問でよくあるのが、銅や錫の違いについてです。

食器売り場担当で、陶芸や食器集めが趣味のわたしが、それぞれの特徴、メリットやデメリットをわかりやすくご紹介します。
ぜひ最後まで読んでいってください。


銅タンブラー

・特徴

まず、銅タンブラーの主な特徴として、「熱伝導率がいい」、「抗菌作用がある」、「耐久性が優れている」があげられます。

銅タンブラーをはじめとする銅製の食器は熱伝導率が高いです。
そのため、冷たいものを注げばすぐにコップ自体も冷たくなり、逆にいえば、熱いものを注ぐとコップがすぐに熱くなります。

抗菌作用があるので、水を飲むときなど日頃から銅製のものに入れてから飲むようにすれば、細菌やウイルスから身を守れます。

また、耐久性があるので、落としてもガラスのように割れたり、壊れたりする心配がありません。

・メリット

熱伝導率の良さから、注ぐ飲み物が冷たければタンブラーも一気に冷えます。
そのため、コップをあらかじめ冷蔵庫で冷やしていなくても、飲み口までひんやりした、冷たい状態で飲み物を味わえます
ビールやお酒が好きな方は、嬉しいポイントですね。

また、銅製品に水を入れておくと銅イオンとして成分が溶け出すので、体に必要なミネラルも取れます。
普段から水を飲むときに、銅タンブラーを使うだけでちゃっかり栄養素が補給できるのはありがたいですね。

それから、銅食器は耐久性が高く、長く使えるというメリットもあります。
万が一落としてしまっても、ゆがんだり、割れたりしません。

普段、店員として銅タンブラーをさわっているからわかるのですが、意外に軽いのです
もちろん、銅でできているので、「ものすごく軽量」というわけではありませんが、身構えるほどの重さはありません。
錫やほかの金属製の食器とくらべても、軽くて扱いやすいのもメリットです。

・デメリット

熱伝導率の良さによって、結露が激しいのもデメリットとしてあげられます。
特に氷を入れて使用すると、かなりびしょびしょになるので、ビールなど、氷で割らない飲み物には向いているかもしれません。

熱い飲み物を注ぐのも注意が必要です。
熱伝導率が高い銅は、熱いものを入れると、持ち手や外側の部分まですぐに温度が上がってしまいます。

やけどの危険性や、冷めるまで持てなくなることも、デメリットの一つと言えるでしょう。

また、銅は酸化して色が変わりやすいというデメリットもあります。
人体に影響はないですが、黒ずんだり緑青(青緑色のさび)がつくことで、なんとなく使いたくないなと感じるかもしれません。

それも使っていく中で出てきた「味」とすれば、メリットともとらえられますが、気になる方はお手入れをしてみてください。
しっかり、掃除すればもとに戻せます。汚くなったからといって終わりではありません。


錫タンブラー

・特徴

錫タンブラーの特徴としては、「熱伝導率がいい」、「抗菌作用がありさびづらい」、「柔らかい」があげられます。

錫製の食器も、銅と同じく熱伝導率は高いです。
冷たいものを注げばタンブラー自体もよく冷えて、よりおいしく飲み物を味わえます。
逆に熱いものを入れると、食器自体が熱くなるのでやけどには注意してください。

銅と同じく、抗菌作用があるので、微生物の繁殖をおさえられ衛生的です。
さらに錫は、さびづらいので見た目の劣化が少ないのも良いところですね。

さびにくいということは、有害物質が溶け出すこともないので、安心安全な金属といえます。赤ちゃん用のスプーンもあるほどです。

また、錫はとても柔らかい金属なので、手でも簡単に変形できるのも特徴です。

・メリット

錫のメリットとして、まずあげられるのが、飲み物を美味しくしてくれることです。
錫食器に入れた飲み物は、錫イオンの効果で雑味がなくなり、まろやかでよりおいしくなります。

特に辛口の日本酒を入れると、まろやかになったのを感じやすいです。
ただの水を錫食器に注いで、一日置くだけでも、飲みやすさやおいしさが全然違うといわれています。

それから、錫はさびづらくお手入れも簡単です。
通常の洗剤で、他の食器と同じように洗えます

ただし、たわしや硬い素材のスポンジで洗ったり、食洗器に入れたりするのは避けましょう。
錫は柔らかい金属なので、小さな衝撃で傷がつきやすいです。

その点さえ気を付ければ普段通りに洗うだけなので、面倒な手入れは不要です。
これもメリットの一つといえます。

また、なんといっても錫は見た目の美しさにも癒されます。
金、銀に次ぐ高価な金属でありながらも、いやらしさのない控えめな光沢感が特徴です。
テーブルに置くだけで華やかで特別な印象になりますね。

・デメリット

錫食器のデメリットとしては、高価であることがあげられます。
錫そのものが希少であることに加えて、加工も職人が手作業で行っているため、値段が高いです。

例えば、同サイズのタンブラーで比べると、銅タンブラーが、だいたい¥3,000~¥5,000なのに対して、錫タンブラーは¥8,500~¥17,000くらい。
大切なお祝いやプレゼントにはいいかもしれません。

もう一つ錫食器のデメリットとして、変形しやすいことがあげられます。
錫はとても柔らかい金属なので、落としたらゆがむし、とがったものでこすったりすればそれだけで傷がつきます。

逆手にとらえれば、柔らかいということはゆがんでも、もとに戻しやすいです。
実際、手の力でも形を変えられます。
しかし、高価な食器なので、せっかくなら変形しないよう、注意しましょう。

スタッフ目線!おすすめポイント

ここまで銅・錫タンブラーについて、ご紹介してきました。
次に、日頃から和雑貨屋で働いているわたしの視点で、考察も交えながらそれぞれの良さをお伝えしていきたいと思います。

銅タンブラーは先ほども言ったように、思ったより軽いです。
というのも、全体的に薄手に作られているからだと思います。
飲み口の部分を親指とそれ以外の指で挟むとよりわかりやすいです。

飲み口が薄いと、飲み物が一気に口の中に広がり、香りを感じやすくなるといわれています。
唇を当てた時の印象もシャープになって、よりおいしく飲み物を味わえると思いますよ。

錫食器の多くは、ざらざらとした質感になっており、それも魅力の一つです。
もちろん加工の仕方によって、すべてがそうとは限りませんが、錫器で有名な「能作」さんの商品はざらざらしているものが多いです。

そのため、指紋や水滴の跡がついたりする心配がないのもいいところだと思います。
また、この手触りがなじみやすく、金属だけれども、どこか温かさを感じさせてくれます。

錫はやや重量感があるので、持つとほかの食器とくらべて重たいですが、このこっくりとした重みもまた良いところです。

持つときやおろすときに適度に気をつかうことで、しぐさも上品になると思いませんか。
いつもの食事がワンランク上の上品な時間になりますよ。


銅と錫の違い

銅と錫の違いやメリット、デメリットを紹介してきましたが、それぞれの違いや共通する部分をまとめたいと思います。

銅と錫に共通している部分は「熱伝導率の良さ」、「抗菌作用がある」、「イオン効果がある」こと。

違う点は、「見た目の変化(さびやすさ)」、「耐久性」、「値段」です。
つまり、性能の面ではそこまで変わらないですね。

しいていうなら、イオン効果で得られるメリットが違うということ。
銅イオンはミネラルの摂取になるだけですが、錫イオンは飲み物自体の味に変化をもたらしてくれます。

見た目の変化が気になるなら錫食器はおすすめですが、値段や耐久性が気になるなら銅食器もいいですね。

見た目の好みや、どんなシチュエーションで使いたいのかを基準に判断してみるといいと思います。
贈り物なら、ビール好きには銅、日本酒好きなら錫もおすすめですよ。

まとめ

いかがでしたか? 銅と錫、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介しました。
共通する良さもあれば、違った良さもありましたね。
ぜひ、お気に入りの銅、錫食器を見つけて、素敵な時間を過ごしてみてください。

参考
銅製タンブラーおすすめ9選 有名メーカー品紹介、手入れ方法や金属中毒についても | イエコレクション iecolle | インテリア、雑貨情報が満載のWEBメディア
錫タンブラーや酒器のメリット・デメリットを比較|おすすめブランドも紹介! | 伝統工芸品ならBECOS (thebecos.com)
錫製の高級タンブラーおすすめ8選|メリットや取り扱いの注意点まで詳しく解説! | 伝統工芸品ならBECOS (thebecos.com)


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