第18回大喜利天下一武道会 振り返り

▼エントリー

この1年はとんと大喜利界隈から離れていて、天下一も正直ギリギリまで出ないつもりでした。

「自分が枠を埋めるより、今中心にいる人が出るべきだろう。それが全体最適だ」と考えて、
エントリー表を見ながら「ふむふむ今はこんな人がいるのか」などと思うに留めていました。僕って大人だなと自画自賛してました。

なのですが、4月ごろに色んなことが猛烈に立て込んで息抜きらしい息抜きが殆ど無いタイミングが偶然あり、
「何が全体最適だ、この野郎💢」と勝手に憤って、ビールだかハイボールだかをグーーッッと呷って勢いでエントリーしました。全然大人じゃなかった。

その後は特に大喜利をする機会はなく、調整らしい調整もできず(「大喜利で何を調整することがあるんだ」と思う方もいるでしょうが、何となくそういう概念があります)。
2月にボケルバに寄ったきり、久しぶりの大喜利が天下一予選でのぶっつけ本番ということになりました。

▼予選

東京予選⑤にエントリーしました。

僕は元来、壇上に立つまではずっと緊張してるタイプで「うええ、来るんじゃなかった……」「こんなはずでは……」など1人で弱音を漏らしながら、
座・高円寺の舞台ってどんな感じだったっけ、照明とか反響ってどうだっけ、など本番のことを考えて何とか気を紛らわせてました。

組み合わせ発表を見た率直な感想は「最悪ではないけど、かなり嫌」でした。

当たったらあまり勝てる気がしないと事前に考えてた人が数名いて(勝手ながら名前を出すとKキチさん、冬の鬼さん、六角電波さん、カルパさんなど)
そこは回避したものの「石と日曜日くんかぁ……妹尾さんかぁ……」という感じでした。

特に石と日曜日くんは個人的に好きな大喜利をする人で「普通に横で回答聞いちゃって、集中できないかも」と心配してました。
他にも妹尾さんは実績のある大先輩だし、ノブコフさんも言わずもがなだし。精力的に活動してるライトオンキューくんもいるし。

勝てたとしても2回戦では両脇ブロックの勝者と当たることになるし、どっちのブロックも面白い人が多い。
(発表時点では「本戦進出を狙うなら一番怖いのがわたおさん、次いで石と日曜日くん」と分析してました)
参ったな、上手くやれるかな、と困ってました。僕は大会では「ウケるか」より「上手くやれるか」を考えることが多いです。

そんなこんなで本番。予想通りというか、舞台に上がってからはそこまで緊張はせず臨めました。

昔、コクやかさんというネット大喜利プレイヤーが「30代になったら何十人かの前で話すことなんて何でもなくなるで〜」と当時学生だった僕に話してくれたのですが、たしかに一理あるなと壇上で実感しました。
「この前の超緊張した、あのプレゼンに比べたら……」みたいなマインドが働いてました。大人になるってこういうことなのかも。

とはいえ舞い上がってたし、細かい部分は確実に下手になってる気がする、と思いながら大喜利してました。
回答を読むスピードや改行の位置など、以前だったら意図的に調整できていたところが投げっぱなしになってたので、かなり「勘」に頼っちゃったな……というのが反省点です。

1,2回戦どちらも「たぶん勝ったと思うけど、粗もあったから全然安心できないぞ」という感想でした。
一方で、本当に調子が悪いときは「自分が勝ったか負けたかの判断も出来ない(ぐらい周りが見えていない)」ので、そこまで悪くないのかな、とも思ってました。

結果的には無事に本戦進出できました。何気に東京予選を通過したのは初めてだったので、運も大きかったですが結果が伴って満足でした。

(余談)
本戦進出者は楽屋でアンケートに回答するのですが、キャッチフレーズに希望はありますか?という項目があったので「お任せします」と書きました。

それを主催のRedさんに提出したら「店長さんは3回連続の本戦進出ですよね……」と話しながら赤ペンで「三度目の正直」って書いてて、
その時は何も言わなかったけど「僕のキャッチフレーズ「三度目の正直」になるの!!??」と内心かなり焦ってました。

▼本戦当日まで

ギリギリまで「やっぱり辞退したい」と家でボヤいてました。

「僕が勝ってもさ、喜んでくれる人なんていないかもしれないしさ……」
「辞退したら繰り上がりで1人出られるわけだしさ、その方が皆嬉しいかもしれないしさ……」
「あああ〜〜どうしよう泣泣」

と前日までウジウジ言って

「運営さんに迷惑がかかるから、覚悟を決めて出なさい」
「どうせ出たら「出て良かった〜^^」って言うんだから、腹を括りなさい」

と妻に叱責されてました。全然大人じゃなかった。
たしかに僕の性格上、辞退したらそれはそれで落ち込むだろうな……と思い、そのまま当日に臨むことにしました。

▼本戦当日から準決勝まで

相も変わらず、開演まではめちゃくちゃ緊張してました。

「うええ、来るんじゃなかった……」「こんなはずでは……」と予選と同じ弱音を吐いてて、水山くんに「さっきから何言うてはるんすか」と言われました。ご心配おかけしました。

準決勝は2周行われて、前半Bブロック→後半Fブロックでした。
後半1発目のブロックになったことを直前まで知らなくて、会場外でヘラヘラしてたら「店長さん出番ですよ」と言われてエッ!!??とパニクってました。

前半Bブロックは恐らく全体でも屈指のキツいブロックだったのですが「振り落とされないようにせねば」と思ってました。

・僕はスロースターター気質なので前半はエンジンが掛からないかもしれない
・だけどBブロックは猛者揃いなので、そんなこと言ってると普通にボロ負けする
・2周の合計で決勝進出者が決まるが、僕は大爆発する(加藤ミリガンさんみたいに100票取れる)タイプではない
・なので、前半を落とすと取り返しが付かない

と考えていて、そのうえで「まぁ、あとは出てみないと分からないな……」と雑に構えてました。
結果的には1答目の「車のおせち」でしっかり笑いを取れたので、ここで安心できたのが心理的に大きかったです。

2周終えた手応えは「上位10名には入ってると思うけど、決勝に進出できているか(上位6名に入っているか)は分からない」という肌感でした。

今回のシステムが結果を予想しづらいというのもあるのですが、どこを評価されて審査されるかによって結果が大きく変わる(=自分がコントロール出来ない点だから分からん)と思ってました。

とはいえやりきった感はあったので「割と良い順位だったら、日本◯位ですって言えるぞ〜^^」みたいに楽観的に構えてました。

結果が発表されて準決勝の総合1位で呼ばれたときは「うっわマジか!」と驚きました、1位の手応えは正直無かったので意外でした。

嬉しい反面これまでの経験上、予選で1位だと決勝で勝ちきれないことが多かったので「これは優勝は厳しそうだな」と何となく思ってました。
僕はウダウダそれっぽいことを言いますが結構オカルトな考えもするので、過去の傾向やジンクス的なところを割と気にしてます。

逆に「優勝は出来ないかも」と思ったことで「あとは楽しむだけだな」とExラウンド的な感覚になって壇上に登ったのを覚えてます。

▼本戦決勝

総合3位!ありがとうございました、嬉しいね。

5年前の前々回大会ではFINALの手応えが無さすぎて「5位か6位だろう」と思ってたら意外に票をいただいて準優勝だったんですが、
今回は「優勝は絶対無いけど、3位か4位だと良いな〜」と思って3位だったので、自分のなかでは納得感のある結果でした。

優勝した副編集長さんはネット大喜利を通った人なら誰もが憧れる超一級品のプレイヤーで、僕には絶対出来ないストロングスタイルの大喜利をされる方です。

壇上でパフォーマンスする人間としては失格かもしれませんが、同じ舞台で回答が聞こえてきて「カッコいい」と憧れちゃってました。その時点で「今日は負けたな」と思いました。

準優勝のぺるともくんも言わずもがなの実力者だけど、あそこまで爆ウケしてた副編集長さんに喰らい付いてたのは胆力を感じるし、そこがテクニックとかを超えたぺるともくんの真骨頂のように感じました。

2位(ぺるともくん)と3位(僕)の票数の差はその胆力の違いから出たものだと思うし、ずっと最前線で活躍しているぺるともくんだからこそ得られた力かなと思います。

2問目だか3問目だかでサンサーラを歌ったあたりで「サンサーラで勝てるわけないだろ」と勝手に心が折れてしまいましたが、それが無くてもこの2人には完敗でした。
サンサーラを歌っても3位になれたことの方を光栄に思った方がいいのかもしれない。

そんなこんなで大会は終わり、打ち上げまでたっぷり楽しんで帰りました。
家に着いて妻に「出て良かった〜^^」って言いました。

▼おわりに

冒頭に書いた「大喜利界隈に顔を出してない理由」について、大喜利が嫌いになったとかではないです!

色んな所でちょこちょこ話してますが、今はサラリーマンとイチコマ(ジョンソンともゆきと立ち上げた会社)を兼業しています。

イチコマは2022年に設立して既存のお仕事からスタートしたのですが、2023年からは自分たちから法人に提案するようになったり、
クリエイターさんを支援するプロジェクトをスタートさせたりして、そういうのをしてたら大喜利会にあまり行かなくなってた、という感じです。

イチコマの仕事めちゃくちゃ楽しいんですよね。まだまだ小さな会社なのですが、1日ごとに事業が成長していくのが楽しくて楽しくて……。
忙しく仕事させてもらってることは感謝しかないですし、これからもそうあり続けないといけないな、とも思ってます。

とはいえ「全く遊べないほど忙しいのか」と言われると全然そんなことはなく、予定が合えば普通に大喜利会にも顔を出したいです。
「イベントに気付いた時はもう埋まってることが多い」「良い歳して誘われ待ち気質」などの問題はありますが、そこはまあ上手いことやっていきます。

これからも気兼ねなく仲良くしてくれるとありがたいです。よろしくね。

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