転スラ考察まとめ 異世界人編

※原作小説最新巻までのネタバレを容赦なく含みます。

〇異世界人について

 『生したらスライムだった件』、通称転スラにおける『異世界人』とは、その名の通り異世界から作中舞台となる世界(以降、『基軸世界』と呼びます)にやって来た者達のことです。

 彼ら異世界人が一体いつから現れていたのか、異世界人の歴史は未だ謎に包まれていますが、イングラシアの王都や東の帝国を見れば分かるように、異世界人が齎した技術や文化そして知識は基軸世界に様々な影響を与えています。

 そんな異世界からの旅人『異世界人』ですが、実はどのようにして異世界から来たのかによって分類が可能であり、以下はその一覧になります。

  • 転生者:前世が異世界の住人だった者

  • 召喚者:召喚の儀式によって呼ばれた者

  • 異邦者:何らかの理由で偶発的に世界に紛れ込んでしまった者※

(※異邦者に関しては正式な呼び名がなく、作中では他にも転移者や来訪者、迷い人などと呼称)

では次に、各異世界人について詳しく。

〇転生者

生者とは文字通り、異世界から基軸世界へと転生してきた者です。

 作中において名前の分かっている転生者は、本作主人公であるリムル=テンペストと、ロッゾ一族のマリアベル・ロッゾのたった二名のみと、かなり少ないです。

まあ、それもそのはず。

小説版第1巻でヴェルドラが語った説明によると、

・意志が強いと魂に記憶が刻まれる
・しかし、魂だけで世界を渡ると普通は耐えられず、魂が分解され記憶が失われてしまう
完全な記憶を残す異世界からの転生者は少なく、大抵は記憶の欠片を残すのみ

 とのことで、基本的には同じ世界の中で転生する者は一定数いても、異世界から前世の記憶を保持したまま転生する者というのはほとんど皆無であり、しかも完全な自我と記憶を保持したままの転生者というのはかなり異端な存在のようです。
 そして、そんな中さらに魔物に生まれ変わったリムルは異端オブ異端というわけですね。

ちなみに余談ですが、小説版14巻でリムルの出自を知ったギィによると、

『魂だけで界渡りをして記憶と自我を保持できたのなら、心核が鍛えられて当然だ。(要約)』

 とのことで、リムルの異常な進化の速さや究極能力の獲得には、この心核が鍛えられたor元より耐えられるほどに強かったことが起因している・・・・・・かもしれません。

〇召喚者

喚者とは、30人以上の召喚術師が7日費やして行う『召喚儀式』によって、異世界から呼びだされた者です。

 作中、名前付きで登場する異世界人のうち最も該当者が多いのが、この『召喚者』。
 なぜ召喚者が多いのかと言うと、召喚された異世界人はほぼ確実に超人的な身体能力と強力なスキルを備えているため強力な兵器となり、かつ後述の『不完全召喚』なら比較的短期間で何度も召喚儀式を試せるためになります。
 (『召喚者』が高い身体能力とユニークスキルをほぼ確実に獲得する理由についてはまた後ほど)

 ちなみに『召喚儀式』成功率1%未満で、なおかつ後述する召喚に条件の絞り込みを行う場合
(この場では、便宜上『指定召喚』と呼称)
においては、同じ術師が再び召喚儀式を行うには長いインターバルが必要になり、その期間は33年、さらに次回は66年と繰り返すほどにどんどん長くなります。
 ぶっちゃけ、ガチャですねこれ。
 成功率が1%未満である原因ですが、召喚術師や儀式そのものに何かしら問題が起きる可能性を除けば、そもそもの話、界渡りに耐えられるほど強い意志や魂を持つ召喚対象は極めて少なく、大半が召喚途中で耐えられずに死んでしまうからのようです。
 
 なお『召喚者』にも種類があり、具体的には前述した『指定召喚』と『不完全召喚』の二つ。

『指定召喚』
 
召喚する対象の条件を絞りこんで行う召喚儀式のこと。
 条件を増やせば増やすほど再び召喚の儀式が行使可能になるインターバルが伸びる。
 後述の『不完全召喚』より条件に合致する異世界人が呼ばれやすい・・・・・・らしい。

 代表的なキャラは我らがシズさんこと、伊沢静江
 シズさんはリムルが転生する現代より66年ほど前にレオン自らが行った召喚によって呼び出され、目的のクロエじゃなかったのでレオンからはゴミ呼ばわり(爆死扱い)されました。
(レオン、そういうとこだぞ・・・)

『不完全召喚』
 条件を絞り込まずに行う、不完全な召喚儀式のこと。
 成功率そのものは前述の『指定召喚』と変わらないが、条件を設けないため再び召喚が可能になるまでの期間がずっと短いらしく、とにかくなんでもいいから兵器として異世界人を呼び出したいときに使える儀式。
 デメリットとしては、当然と言えば当然になりますが、どんな異世界人が呼び出されるか分からない完全なランダム召喚になってしまうこと。具体的には、ショウゴのように魔法で魂に縛りを掛けてなお制御困難な人物だったり、シズさんの教え子たちのような取り込んだ大量の魔素に耐えられない死を待つばかりの子供だったり。

 ちなみに、西側諸国に『不完全召喚』の儀式を理論化して流布したのは、レオン様です(ほんまお前)。理由はもちろん、クロエが召喚される可能性を高めるため。

・補足、肉体とスキル

述した『召喚者』や、一部の迷い人の異世界人は高い身体能力強力なスキルを有している者が多いですが、実はそれには理由があります。

 その理由というのは、肉体を伴ったまま物質世界(元の世界)から半物質世界(基軸世界)に渡る、つまり『界渡り』の際において、肉体が一度滅び半物質化するから、なんです。
 この半物質化が具体的にどういう物かは不明ですが、この時に魂に大量の魔素が融合し、それがユニークスキルの獲得に繋がるということになります。
 また作者である伏瀬先生曰く、この『界渡り』はある種の試練のようなもので、つまり人が苦難や試練を乗り越えて仙人に至るのと同じように、強靭な意志を以て『界渡り』に耐えきった異世界人が強靭な肉体と能力を獲得するのは、ある意味必然というわけです。

以上まとめると、召喚者及び一部の迷い人が強靭な肉体とスキルを獲得するのは、

・強靭な肉体は、『界渡り』の際に起きる半物質化によるもの。
・獲得したユニークスキルは、『界渡りによって鍛えられた意志』に、もしくは『元から界渡りに耐えられるほどの強靭な意志』に、魂に融合した魔素が結びつくことによるもの。
・または、界渡りという試練を乗り越えた、ある種の世界からの祝福である可能性。

と、いうことですね。

〇異邦者、迷い人

邦者、迷い人とは、異世界人のうち偶発的に世界へとやって来た者です。

 『召喚者』が意図的に呼ばれた者であるのに対して、こちらは偶発的に世界へと紛れ込んでしまった者で、転生者ほどではありませんが名前ありの該当者はかなり少ないですね。

 代表的な該当者は、オーガの里に現れた鎧武者の集団の他、ヒナタ、レオン、そしてクロエなどです。(マサユキも迷い人に該当しそうですが、彼は色々と出自が特殊なので例外とします)

 ちなみに、イングラシアでパティシエをしていたヨシダさんも迷い人ですが、彼は異世界人でありながら強靭な肉体もスキルを保有しておらず、つまりは『界渡り』を経ずに直接異世界へとやってくるパターンもあり得るというわけですね。

 さて、そんな迷い人たちですが、一体どのようにして彼らが異世界へ来ているのかですが・・・・・・作中気付いたら異世界にいた者が大半のようで、実のところ『界渡り』を経たのかさえ不明です。
 ある意味で、転生者よりも謎が多いと言えそうです。

 一応、以前あった転スラのパックマンコラボの書下ろし小説の中で、そんな迷い人にほんの少し触れる内容があったのですが・・・・・・、残念ながら現在コラボサイト自体が別物になってしまった関係で読めなくなってしまっています。
(ココにURLは貼りませんが、一応Webアーカイブ等から確認することは可能ですでの、気になった方は確認してみてください)


最後に

上、転スラの異世界人について紹介しましたが、如何だったでしょうか?

 ここではあくまで異世界人の種類にのみ焦点を当てましたが、実際に本編の本編では、より詳細に設定が作り込まれていると思います。
 
 筆不精の私では、あることを出来るだけ分かりやすく紹介するのが限界なので、ぜひ皆様自身で転スラの奥深さを確認してみてください。

 これが初記事にはなりますが、ぜひ他にもまとめて欲しい転スラ関連の情報があれば、コメントでどしどしお寄せくださいませ。
 実際に記事になるかは分かりませんが、まあ出来る限りは、はい。

それでは、ここまでご覧頂きありがとうございました。


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