美女③

「ねぇ おかあさん痛み止め持ってない?」
 信一が母に声をかける

背中越しに母が
「薬箱に入ってるわよ今朝のお薬ちゃんと飲んだ?」

「うん 飲んだよぉ でも頭痛いから頂戴」
薬箱から痛み止めを取り出し水で流し込む

最近 信一は頭痛に悩まされてた

常にズキズキする痛みで今度かかりつけの医院に行く事になっていた。

土曜日 母が信一を連れて近くの小野よしあき内科に連れて行った

先生に信一が頭痛と吐き気をもよおす事を告げると直ぐにMRIを撮るよう指示した

約1時間 ガタガタ ゴトゴト ガガガとイヤホンをしていても聞こえてくる。

検査が終わり
母親と信一が呼ばれた

先に先生はCTでは異常無しと言い

「信一君は先に待合室で待っててね」

母親だけが残された

信一は少し不安だったが大人しく読書してた

カチャ扉が開き
母親がお辞儀しながら出てきた

母は少し気落ちしながら でも信一を思い明るく

「何でもなくて良かったわね」

痛み止め処方されたからまた来ようね

少しの違和感はあったが頭痛が治まるなら良かったと思えた

   

   場面は変わって

宮本有彩が入院している大きな病院の個室に
この事件を担当している

滝田警部補と部下の西条巡査が扉をノックする

看護師が扉を開けて 
「話は手短にお願い致します 鎮静剤も投与してますので…」

お辞儀しながら
その場を去った

「宮本有彩さんこの度は大変でしたねぇ
話せるまでで構いませんのでご協力お願い致します」

と滝田警部補と西条巡査が手帳を見せながら
経緯を問いかける

「では早速ですがいくつか質問させて頂いても宜しいでしょうか?」

西条巡査が声をかける

有彩は頷いた

「答えにくかったら申し訳ございません。仕事の一件でご気分害する質問もあるかと思います」

今度は滝田警部補が言葉にした

有彩は首をふり

「大丈夫です」

と答えた


次回に続く

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