美女

いつも優しく綺麗な顔立ちと佇まい
品があり

誰からも慕われ
憧れの的だった
彼女

裕福な家に育ち
僕にもあの素晴らしい彼女から
何度か声をかけられ
友だちから親友へと変わった

いつだって周りには友達がいて
笑顔で笑い方も品が良く

そんな彼女は学校以外でも声をかけられるくらい

皆平等よ とがモットーの彼女は女神かも知れない

ある日彼女からカードを渡された

誕生日パーティー開く事になったから
良かったら来てね
あなたのお友達も連れて形式的なパーティーじゃないし
親が盛大にしたいって事だから
私は見世物みたいね

初めて皮肉っぽく言った彼女だった

僕は
「そんな事ないよ」
としか言えなかったし思えなかった


当日
僕は親友の山田と共に会場に向かった

身奇麗な格好の老若男女の会場は人だかりが出来ていた

大きくて豪華なシャンデリア
淡い色合いの光が輝く

ウェルカムドリンクを共に
親戚だろうか…
友人の僕らは少し離れた場所で

綺麗に着飾った彼女を待ってた

綺麗な音楽は生演奏なんだろうか
クラシック音楽が流れ皆が耳を傾ける

暫く良いすましてると
音楽が止まり

階段の上から
彼女が一段
一段と時に談笑しながら
降りてくる

手すりすら無く
ゆっくり
ゆっくり
降りてくる
彼女は一段と輝いて見えた

すると
突然彼女の足元が止まり
それを支えようと幾人かの
人が彼女に近づいた

滑り落ちる彼女
ピンクのサンダルから
一足落ちたんだろう
僕の所まで滑り落ちた彼女は

青褪めた顔色だった…

僕は何がおきたのか解らないまま

気を失ってる彼女を抱きしめて
揺さぶった

顔色が悪い

当初は緊張性貧血かと思ったが…

違うアーモンドの香りがする
僕は急いで救急車の手配を頼み
改めて全身を見ると足指との間に
小さな赤い点を見つけた

この会場に犯人が居る
周りを見渡したが皆が騒ぎに駆けつけ
全員怪しく見えてしまう

幸いな事に彼女は意識を取り戻した

サンダル側から刺されたのが不幸中の幸いだったのかもしれない

僕は安堵した
後は彼女の回復を願うばかり

しかし
誰が何の為にこんな大胆な行動を起こしたんだろう

僕には
彼女さえも解らないだろう


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