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美女➃

信一は相変わらず頭痛に悩まされていた
クリニックで処方された薬を飲んでも
脳に違和感を感じていた

「本当に効くのかなぁ〜」
半信半疑で一時でもいい痛みが取れればいいと前向きに考えた

電車に乗りバスに乗り

巷では毎日のように暗いニュースばかり
若い女性が犠牲になるものだけ繰り返し流されてたのをネットニュースでみていた

可哀想とは思っても所詮は他人事と思っていた。

ズキッとニュースを見てる時は必ずおこった。

   
    場面は変わり

宮本有彩の個室の中
滝田警部補と西条巡査が質問の答えを待ってる所だった

「有彩さん超特にお尋ねしますが有彩さんに嫉妬してたり妬んだりしてる人は居ませんか?」

まだ若い西条巡査が尋ねた
続いて
「犯人の顔見ましたか?」
と早口に言う

有彩は首を横にふり
「解りません」
鎮静剤を投与されたといえ動揺が隠せない
素直な反応であった

「有彩さん部下の教育がなってなく失礼致しました。有彩さんに敵意を持った者など居ないと思いますが念の為です。ご協力頂けますでしょうか?」

今度は柔らかな表情を見せ有彩を労るよう滝田警部補が声をかけた

有彩の個室にはテレビもネットも繋がらないよう予め滝田警部補が看護婦長と病院側に伝えておいた。

今、巷で噂話や情報が有彩に良くないと思ったからだ

滝田警部補は
「個人的ではありますので他の人には教えないでくださいね有彩さんの話し相手になるといいのですがお花も良いですが若い女性にはこれが似合うと妻からのプレゼントです」
と小さなくまのぬいぐるみを有彩に渡した

有彩は嬉しそうにぎゅうと抱きしめる
よっぽど心許なかったのであろう
大きな個室に一人で居るわけだから

滝田警部補も微笑みながら
「では今日はこの辺で また伺います
様態良ければ親友の槇田信一君が御見舞に来てくれますよ」

と告げると西条巡査もお辞儀をして部屋から出た

暫く歩き病院を出た二人は車に乗り込み
滝田警部補が西条巡査に向かって
「今日渡したぬいぐるみは俺が作った ちょっと確認と調べたい事があるからお前は本署に戻れ 俺は地下の記録書を見てくる」

「了解です 警部補」
西条巡査が敬礼した



次回に続く

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