見出し画像

統合失調症のはじまりについて知る


統合失調症のはじまり

統合失調症の起源については複雑で、異なる理論や歴史的な文脈から様々な見解が提唱されている。2002年まで「精神分裂病」と呼ばれていた。

精神分裂病とは、患者の精神状態が分裂したように見えるという誤解に基づいていたが、精神的な分裂ではなく、統合されていない異常な心の状態を指すものだった。また、現代の統合失調症だけではなく、他の精神疾患もふくまれており、同じ症状をもつ異なる疾患がひとくくりにされていた。



精神科医ジークムント・フロイト

20世紀初頭に精神分析理論を提唱した精神科医のジークムント・フロイトは、「無意識の性的欲望が人間の行動を左右している」と考え、母親との関係が個体の精神的健康に影響を与えると主張していた。

中でも、悪い母親との関係が精神的な問題を引き起こす可能性があると考えており、20世紀前半の精神医学界ではその考えが大部分を占めていたらしい。

しかしフロイトの理論は、精神医学の進化とともに批判されることが増え、母親との関係がすべての精神的問題に適用できる普遍的な原因であるかどうか疑問が投げかけられた。

もちろん、現在では統合失調症が母親との関係によって発症するものだということが事実ではないというのはわかっているが、我が子や家族に統合失調症になった人がいる場合、その親の育て方に原因があったのではないかと考える人はいるだろう。


結論

現在、統合失調症の原因が単純に母親との関係に起因するものではないことを多くの人が理解している。

統合失調症は複雑な疾患であり、脳の神経伝達物質が異常をおこして発症すると考えられている。

過去の理論や誤解が存在したにもかかわらず、現代の精神医学はより総合的で科学的なアプローチを取り、患者の理解と治療に取り組んでいる。

家族や親の育て方に統合失調症の原因を求めることは現実的ではなく、統合失調症は多因子性の疾患であることを理解することが大切である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?