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クラス3【経営理念】数字の意識について


序論

 当社の大事にしている価値観のうちの1つに「数字の意識」があります。
 これは、端的に言えば「1円でも多くの利益を残しましょう」という考え方です。例えば、野球でいうならば、「常に次のベースを狙う姿勢」ということになるでしょう。
 野球において、試合に勝つための戦略は多岐にわたります。中でも、盗塁は非常に重要な要素です。盗塁を試みるかどうかは、試合の流れや得点機会に大きな影響を与えます。
 ここでは、全く盗塁をしないチームAと、ランナーが一塁に出た場合に必ず盗塁を試みるチームBを比較し、その影響を数値で明らかにしてみましょう。


本論

 前提条件として、
・チームAは全く盗塁をしない
・チームBはランナーが一塁に出た際に必ず盗塁を試みる(盗塁成功率は80%)
・両チームとも、全選手の打率は2割5分でシングルヒットのみ
・ランナーが2塁に進んだ場合、シングルヒットで得点すると仮定する
・ワンアウトからランナーが出塁した場合の得点確率を比較する

~得点確率の比較~

 まず、チームAとチームBのワンアウトからランナーが出塁した場合の得点確率を比較します。

チームAの得点確率:シングルヒットが出る確率は25%
 その後、もう一度シングルヒットが出る確率も25%であり、これが連続して得点に繋がる確率は非常に低いです。計算すると、チームAの得点確率は6.25%になります。

チームBの得点確率:チームBは盗塁(成功率80%)を試み、二塁に進む
 二塁にランナーがいる状態でのシングルヒットの得点確率は、より高くなります。これを元に計算すると、チームBの得点確率は約35%です。

~平均得点の比較~

 次に1試合を通して、この状況が6回出現した場合の平均得点を計算します。

チームAの平均得点:0.44点(6.25%が6回)
チームBの平均得点:2.45点(35%が6回)

~勝率の比較~

 これを元に、チームAとチームBが戦った場合の勝率を計算します。

チームAの勝率:3.23%
チームBの勝率:86.2%

 これにより、盗塁を積極的に行うチームBの方が圧倒的に有利であることがわかります。もちろん、これは盗塁の成功率に比例はするものの、するとしないでは大きな差が生まれることは明白でしょう。


~実例~

 これまでの分析に基づき、実際のデータを見てみましょう。セントラルリーグとパシフィックリーグの盗塁数順位と平均最終順位の関係を示すデータは以下の通りです。

・セントラルリーグ(2015年~2023年)

・パシフィックリーグ(2015年~2023年) 

 これらのデータは、盗塁数が多いチームの方が総じて高い順位を獲得する傾向があることを示しています。特に、盗塁数が1位のチームはセリーグでは1.9位、パリーグでは2.1位の平均順位を記録しています。

 興味深いのは、1位チームと2位チームの盗塁数の差が約10程度しかなく、140試合行うことを考えれば十数試合に1つ程度の差しかないことです。2015年から2023年にかけての実際の平均差は以下の通りです。

盗塁数の平均差(2015年~2023年)
セントラルリーグ:約12.78回
パシフィックリーグ:約9.78回

 このわずかな差(*問1)が最終順位に大きな差を生んでいることが分かります。


結論

 ホームランや打率、投手の各能力は才能に占める割合が大きいですが、盗塁は平均以上の脚力があれば本人の意識次第で後天的に伸ばすことが可能です。
 したがって、一個塁を進めることが、いかに後々大きな差になるかが分かります。しかも、才能ではなく日々の意識改革や努力で実現可能なのです。
 野球の例に倣って、ビジネスにおいても売上をわずかでも超えることの重要性が浮かび上がります。一日や週単位で見れば大したことはないように思えるかもしれませんが、それが積み重なると年間では大きな差となります。毎日の意識と努力が、最終的な成果を大きく左右するのです。
 このように、小さな改善や努力の積み重ねが、長期的な成功に繋がることを意識して、日々の業務に取り組むことが重要です。


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