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ご法事の時に正座をしなければいけませんか?

正座は痛いし痺れるし、大変ですよね。私も僧侶になった最初の頃はとても正座に苦労したことを覚えています。ご法事となれば、服装を整えて親戚が集まり、お坊さんがお衣をつけて、真剣な雰囲気の中でお経をお勤めする。きちんとしなければいけない雰囲気満点ですものね。その時に、椅子ならまだいいけれども、畳の時はやっぱり正座しないといけないの?と悩まれるかもしれません。

浄土真宗(じょうどしんしゅう)のご法事は、家でお勤めする場合もお寺でお勤めする場合も葬儀社でお勤めする場合もどこであれ、阿弥陀仏(あみだぶつ)という仏さまの前でお勤めします〔浄土真宗のお仏壇の中央にかけられているのはその阿弥陀仏です〕。阿弥陀さまの前に座るのですから、できる限りきちんとした姿勢で座って欲しいと私は思います。

私はきちんと座って欲しいと思うのですが、阿弥陀さまのお心はそれとはだいぶ違うようです。

阿弥陀さまは私たちの頭の先から足の先まで、さらに心の奥の奥まで、計り知れない時間をかけて全てご覧になられました。その結果、このものたちに「しっかりしなさい」と言っても間に合わないということを見抜かれ、「私が責任をもって必ず救う。ほっておくことができない。」とお誓いくださった仏さまです。

そんな「しっかりしなさい」といっても間に合わないものたちが、世の中ではしっかりしなさい。しっかりしなさいと言われ続けながら生きてゆくわけですから大変です。阿弥陀さまのお心からすれば、お仏壇の前に座った時くらい、お寺の本堂に来た時くらいは、しっかりする必要はないよ。正座したいなら正座すればいい。楽にしたいなら楽にしたらいい、そのままのあなたで大丈夫ですよというお心とうかがいます。

ですのでまあ、、、できる限りしっかり座ってください笑


薩摩川内市 願生寺
亀田信暁

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