見出し画像

第2回「日本のすべてが好きです。日本は素晴らしい国です。」 Kevin J. Todesch

ケビン・トデッシー (Kevin Todeschi)
アメリカ、バージニア州バージニアビーチのA.R.E.(エドガー・ケイシー財団)と併設のアトランティック大学のエグゼクティブ・ディレクターであり、CEO/経営責任者。(2011年)
1958年生まれでまだ50代前半という若さでありながら、エドガー・ケイシーの研究家としては、すでに30年の実績があり、著作も20冊を超える。スピーカーとして世界中で講演も行い、日本にも数回来日している。
<ケイシーリーディングに関する主な著作>
ソウルメイト(Edgar Cayce on Soul Mates)
魂の成長(Edgar Cayce on Soul Growth)
家族のカルマ(Family Karma: The Hidden Ties that Bind)
波動について(Edgar Cayce on Vibrations:Spirit in Motion, explores Vibration)-全て未邦訳

AREの公式サイト http://www.edgarcayce.org/

テンプル――
ケビンの子ども時代はどんな子どもだったのでしょうか? (家族の宗教とか、メタフィジカルなことが好きだったとか、生きることに悩んでいたとか)、ケイシーに惹き付けられるにいたる背景があったのかどうか教えてください。

ケビン――
私は好奇心旺盛で読書好きな、図書館によく通う子供でした。『ホビットの冒険』や『指輪物語』などのおとぎ話が大好きで、神秘的なものや形而上学への興味からエドガー・ケイシーの本へと導かれました。
最初に読んだケイシーの本は、ジェス・スターンの著作 『エドガー・ケイシー物語 』(中央アート出版)で、『ザ・エドガー・ケイシー』(たま出版)の後に書かれた若き日のケイシーの伝記です。それから『永遠のエドガー・ケイシー』『転生の秘密』(たま出版)を読み、20才になる頃には当時手に入るケイシーについての本はすべて読んでいました。

ケイシーへの関心が自分の一番大切な事になっていたので、1982年にバージニア・ビーチに越して来た頃には、A.R.E.で働いているどの人よりもケイシーに詳しくなっていました。最初の本を読んだ時からここ A.R.E.で働きたいと思っていましたし、15才の時から A.R.E.以外で働く事は考えていませんでした。

私の家族は保守的なカトリック教徒なので、私もカトリックとして育ち、教会侍者(礼拝儀式で司祭を助ける少年)を8年務めました。3年生までカトリックの学校に通いました。
父はとても保守的なカトリック教徒なので、家族はまったくこういったスピリチュアルな事には無関心でしたから、私一人きりでした。

ケイシーに興味を持ち始めた15才の時には、家族は私を変わっていると思っていました。

テンプル――
ケイシーを知ったきっかけは?

ケビン――
私はコロラド州のデンヴァー出身なのですが、地元紙『デンヴァー・ポスト』に、1950年代に催眠術を受けて、ブライディ・マーフィというアイルランドの過去世を思い出した女性についての記事を読んだことがきっかけです。彼女の過去世について書かれた本『第二の記憶ー前世を語る女ブライディ・マーフィ』(光文社 1959年刊/絶版)は1954年にベストセラーになったのですが、1974年に読んだ新聞記事には、その後の20年間にその女性の人生がどのように変わったのか、その本がその女性に与えた影響などについて書かれていました。その女性はコロラドに住んでいたので、デンヴァー・ポストに載っていたのです。

その記事から『第二の記憶』の本を読みました。その本の最初の1/3でエドガー・ケイシーが紹介されていたのです。そこから、ジェス・スターンの本にたどり着きました。

テンプル――
ケイシーの何にそんなに強く惹きつけられたのですか?

ケビン――

複合的な惹き付けがあると言えます。ケイシーのイエス・キリストに関する情報は、私がとても強く惹き付けられるものです。私はカトリック教徒として育ち、教会侍者を務め、毎週日曜には絶対に教会に行きましたが、イエス・キリストが自分の中でリアルな存在になったのは、ケイシーの情報を読んでからです。そしてイエスが身近な人のように感じました。ケイシーのキリスト論は、とても重要だと思います。

もう一つ、私にとって重要なのは、私は子供の頃からアレルギーに悩まされていました。昔は毎週、6種類のアレルギーのための注射を受けていました。今ではアレルギーのためのケイシー療法を実践していますので、注射を受けずにすんでいます。私のアレルギーはほぼ治ったと言えます。薬も殆ど飲みません。アレルギーについてのケイシーの資料は、私にとってとても重要なものです。

テンプル――
何を実践したのですか?

ケビン――
毎朝コップ半分の水にグライコサイモリンを4~5滴入れたものを、3~4ヶ月にわたって飲みました。身体がアルカリ化されたのでアレルギー反応が起きなくなったのです。

テンプル――
グライコサイモリン(日本版:アルカサイモリン)を飲むだけですか? 食事は?

ケビン――
当時は行っていませんでした。もちろん、今では食生活も変えましたけれど、当時はグライコサイモリンだけをやって、それでも本当に良くなりました。そしてこの方法を何人かの人に教えています。例えば、郵便局員の男性で、ひどいアレルギーでいつも鼻をかんでいる人がいて、その人にやり方を書いて教えてあげたら本人も信じられないくらい良くなったんです。彼は本当に変なやり方だと思っているようで、でも効果があるから続けています。会うたびに「(グライコサイモリンは)ただのうがい薬なのに!」と言われます。でも効くんですね(笑)。
大学の先生でアレルギーに悩む女性にも教えたら、効果があると言われました。ですからこれは効果があります。

テンプル――
どんな症状に効くのですか?

ケビン――
くしゃみ、鼻水、涙などです。

もう一つ、私にとって重要なものはケイシーの人間関係に関する情報です。苦手な人にどうやって接するか、他人が教えてくれるレッスンにどうやって取り組むか、など。そして人間関係に問題が生じた時やあらゆる感情のもつれが生じた時、口論をした時などは、長くこじれたままにしないで素早く解決するように心がけています。ですから人間関係に関する情報はとても大切です。

ケイシーに関わって37年になりますが、今でも新しい発見があります。去年から「時間の幻想」というトピックに関してとても興味を持ち始めました。そしてこの時間の幻想について、エドガー・ケイシーが様々に言及している事に、最近まで気づきませんでした。このトピックで講座を持つ予定ですし、記事も近いうちに書くでしょう。常に何か興味深いものを見つけることができます。

テンプル――
自分の人生のなかで、ケイシーリーディングからどんな恩恵を受けていますか?

ケビン――
それは輪廻転生に関する情報を知ったことです。私たちが自分たちの人生を造り出しているという事実、そして私たちの身に起きる事ほとんどに責任があり、私たちには自分の運命を形作る能力があるということ…

私たちの人生のゴールがただ天国に行くだけなんて、納得がいかないと思っていました。私はカトリック教徒として育ちましたが、カトリックのゴールはとにかく全員、天国に行くことです。でも、神は人それぞれに異なる試練をお与えになるのに、皆に同じゴールを目指させるなんて、納得できませんでした。私はカトリックの中流家庭に育ちましたが、貧しい家に生まれた人は? クリスチャンとして生まれなかったら? 他の国の人たちは? なぜ試練は異なるのに同じゴールを目指すのか。これは理にかなっていないと思っていました。

そしてもう一つ、もし神が全知全能で私が何をするのかをすでに知っているのなら、自分がさまざまな感情を経験したりする意味がわからない、とも思っていました。
ですからケイシーによる人生の目的、転生、私たちが地上に霊をもたらす存在であるという事実、それらの情報が私に生きる目的を与えてくれました。

テンプル――
ケイシーリーディングを、どのようにご自分の生活の中に適用していますか? 

ケビン――
昨夜は瞑想をしてから床に就きましたし、今朝起きてグライコサイモリンを飲みましたし、なぜかと言うと最近子犬を飼い始めたのでクシャミが出るのです。
<子犬はこれくらいの大きさで(※と手を少し広げる)、息子のタイラーは「マジック」と名付けました。>

それから食事も変わりましたし、霊的な活動である、精神的・感情的態度も影響を受けていますし、私の仕事はケイシーについての原稿を書く事です。起きてから寝るまで、生活の全側面においてケイシーの影響を受けています。

テンプル――
息子さんにはどのようにケイシーリーディングを伝えていますか?

ケビン――
妻と私は息子にケイシーについて、普通の会話のようにいつも話しています。転生について、人に親切にする事、カルマのレッスンなどについても話します。ただ、私たちが住んでいるのはとても保守的なエリアで、彼が行く学校もとても保守的なので息子には、「タイラー、すごくすごくお利口な人しか、転生の事は知らないんだよ。だから、ほとんどのお友だちは知らないんだよ。」と言っています。そうすれば自分がおかしいと思わないでしょうから。

息子がどれくらい転生を意識しているかのエピソードをお話ししましょう。タイラーはいま8才ですけど、彼が5才の時、妻のメアリーと私で医者に連れて行きました。彼は注射が大嫌いなんですけど、注射をされました。本当に嫌いなんです。終わってからもずっと泣いていて、なぐさめながら車に乗せても泣き止まず、アイスクリームを買ってあげると言ったら少し泣き止んだけれどまた泣き出しました。

「タイラー、どうしたんだい? 注射はもう終わったよ。何で泣いているの?」と聞きましたら、彼は「僕は大きくなりたくない、年をとって、死んで、生まれ変わってまた5才になったら、またあの注射を打たれるんだから!」(笑)

だから私は、「次の人生で5才になる頃には、もう注射じゃないものになってるはずだよ、心配しなくて大丈夫だよ」と言ったんです。

テンプル――
可愛らしいエピソードですね。次にA.R.E.でのお仕事についてお聞きしたいんですが、A.R.E.の経営責任者になってみて、以前と何が一番変わりましたか?

ケビン――

経営責任者になったことは、ほとんどがポジティブな経験になっています。一番素晴らしいのはスタッフや理事の皆さん、メンバーの方々からのサポートです。
人々は、情報のハイテク化やビルの改築などの新しい変化に期待しています。ですから大変ポジティブな経験です。

皆さんがサポートしてくれますし、良い変革にしようとやる気になっています。私はスタッフ全員に面接をして、これで二回目なのですが、全てのスタッフを面接して、何が必要なのか、何が気に入っているのか、何を変えたいのか、ここで何をするべきかを聞いています。そしてこれらの提案はとてもポジティブなものです。

反面、これらの変革を実行するには、一営業日につき、約3万ドル(約240万円/1ドル80円として)かかります。A.R.E.やケイシー財団を 運営していくだけに、です。
ですからこの費用をまかなうのに沢山の事業をこなしてお金を作らなければなりません。毎日、3万ドル減っていくのですから。白髪が増えたのはこのせいです、毎日3万ドル何とかするのは本当に大変です。

もう一つのチャレンジは、A.R.E.の会員は世界中にいますけれども、アメリカには3万人いますし、世界中にセンターがありますが、年間千ドル(約8万円/1ドル80円として)以上寄付する人は400人しかいません。たった400人です。これは大変なチャレンジです。
人々は「ケイシーを知って人生が変わった」「ケイシー無しではやっていけない」「ケイシーは私の人生で一番重要です」と言う割には、本当に少数の人しか、お礼の小切手を書いてくれないのです。これがチャレンジです。

テンプル――
日本はA.R.E.本部に次いで、世界で最も活発にケイシーの啓蒙活動が行われていると言われていました。日本語で翻訳されているリーディングや書籍はまだ数少なく、原文で読める人も少ないことを考えると、これは非常に不思議な気がします。

ケビン――

エドガー・ケイシーに関する本で、英語に次いで多いのは、日本語で書かれたものです。これは、たま出版と光田秀氏の功績によるものですが1960年代から日本語への翻訳が始まった事も理由の一つでしょう。

A.R.E.の図書館にはフランス語、ドイツ語や他の言語で書かれたケイシーの本がありますが、日本語のものが外国語の中では一番多いのです。なぜ(リーディングの)全てが日本語になっていないのかという疑問にお答えすると、「秀さん(NPO法人日本エドガー・ケイシーセンター会長)が終わらせていないから」です。彼は全部終わらせてから、天に帰る予定です(笑)

ですが、ケイシーのリーディングは時に難解です。英語圏の人たちも、ほとんどの人がリーディングそのものを読みません。人々はリーディングが語るコンセプト(概念)について書かれた本、コンセプトについての記事を読み、コンセプトに関する勉強会に参加し、引用されたものを読みます。ですから、リーディングは研究材料であって、それをそのまま読むのは、英語を母国語としている人間にとっても実は大変なことなのです。

テンプル――
日本人がケイシーを受け入れている理由は何故だと思いますか?

ケビン――
何故これほど日本人にエドガー・ケイシーが受け入れられているのかについては、いくつかの理由が考えられます。
私はよくアメリカ人に言うのですが、私は、これまで、日本に3度行き、講演をしました。日本とアメリカの聴衆の違いは、日本ではたいてい男性と女性がほぼ半々ですが、アメリカでは、ほとんどが女性なのです。7割くらいが女性です。
そして日本では30代、40代、50代が多いと思いますが、アメリカではほとんどの人が50代、60代、70代です。ですから日本のほうが、より若く、男女の割合が均等である事がわかります。

それとわたしの想像ですが、第二次大戦の後、戦争によって日本人は霊的なことや宗教への興味を失ったけれども、心の奥底では、私たち一人ひとりは魂であり探求者なのです。それで日本の人々は「生きるって何だろう? なぜ自分はここに存在するのだろう? 人生の目的とは?」と自問し続けていたのでしょう。そしてエドガー・ケイシーの情報はこれらの問い全てに答えられるものですから、自然に受け入れられたのでしょう。日本にケイシーセンターがあり、A.R.E.に次いで2番目に会員の多いセンターであるというのは、素晴らしい事だと思います。只々、素晴らしい。

テンプル――
ケビンさんは3度、来日されていますが、日本人の食生活や昔からの風習で「これはケイシー流だな」とか「これはいい」と思われることがあれば教えて下さい。

ケビン――
この話題については、ずっとお話しできます。
まず日本の普通の食事、それは、アメリカに比べて量がずっと少ないですし、低炭水化物で、良質なたんぱく質が使われています。アメリカも以前よりは良くなっていますが、日本食のほうが、ケイシーの食事法にずっと近いものです。

それから、日本には腹八分で止める、という慣習がありますよね? これは、健康的なアプローチだと思います。

そして日本人はとても勤勉で、向上心があり、献身的で、アメリカに比べて集団意識を強く持っている、すなわち自分のする事が他者に影響を及ぼすと理解していると思います。そして人々は、地域社会や会社など、全体を通して考えています。

菜央子さんも秀さんも大好きですし、日本で会ったすべての人が大好きです。1992年に初めて日本に行った時、日本という国に深く感動をおぼえ、日本人と深く繋がっている感じがしました。そして日本にいる間、とても幸せだったのです。だからもしA.R.E.で働いていなかったら、ガールフレンドがいなかったら、日本に残って英語を教えていただろうと思います。それまで訪問した国の中で一番でした。ですから日本は大好きなんです。行く度に気に入りました。本当に素晴らしい国です。

テンプル――
ケイシーに関することで、日本人に一番知ってもらいたいエピソードは何ですか?

ケビン――
私がお勧めしたいのは、幾つかのコンセプトです。日本人の皆さんに取り組む事をお勧めしたいコンセプトは、
・人生は目的に溢れた経験である。
・私たちは自分の人生を創造し、周りの人を助ける力を持つ。
・地上に生まれる理由があり、それは自分を助けるためだけでなく、他人をも助けるためである。
・決められた運命というのは存在しない、恐ろしいカルマ的な運命というのも存在しない。私たちは自分の人生を、自分で決めただけポジティブにする事ができる。


つまり「自分で自分の人生を創造している」ということです。

テンプル――
テンプルのお客様は、特にケイシー療法に興味を持たれている方が多いのですが、日本のお客様に何かメッセージをお願いします。

ケビン――
健康に関するケイシー・リーディングの量は膨大です。実際、リーディングの大部分は健康に関するもので、1万4千件あるうち8千件以上が健康についてです。その方の健康上の問題が何であれ、関節炎、アレルギー、風邪など、どんな問題であっても、ケイシーの健康と癒しについての情報と、テンプル・ビューティフルでも扱っているような製品があれば、人々の人生をより良くするのに大いに役立つでしょう。

そして昨日の講義でも言いましたが、A.R.E.のモットーは「人々が人生を通して、肉体的、精神的、霊的により良く変化するのを助けること」なのです。このために私たちはここにいるのです。

他にご質問はありますか?

テンプル――
ケイシーの予言について教えてください。

ケビン――
震災に遭われた方々へ、ケイシーの予言に関連してメッセージを申し上げます。このことについては、すでに記事を書きましたので、後で訳してもらえれば良いのですが…
リーディングの1つに、「日本の大部分が海中に沈む」というものがあります。そして多くの人は、これを予言だと考えています。私は、これはすでに起こったものだと考えています。リーディングは、日本の帝国主義の崩壊について語ったのだと思います。ですからこれは、未来の予言ではなく、第二次大戦が終結し、マッカーサー率いる米軍に占領された時にすでに起こった事なのです。

日本人はどんな困難にも立ち向かえる力を非常に強く持っており、その状況をより更に良いものに変える事ができます。私が感じているのは、二つの答えがあるのですが、日本人は今後、エネルギーに対する新しいアプローチ、建築に対する新しいアプローチ、震災を乗り切るための新しいアプローチを発見する事で世界を助け、世界に教えるのだと思います。この信じがたいような、ひどい大きな災害を受けましたが、長期的には日本人が世界の人々に、あのような災害への対処法を示すことになると思います。なのでこれは良い結果をもたらすと思います。

私は日本が沈没するとは思っていません。しかし、私の記事を読んで頂けばわかるのですが、ケイシーが示唆したのは、地球上で起きる全ての事は、基本的に私たち人類の抱える紛争が原因だという事です。
ですから私は、中東での紛争が、日本の津波を実際に引き起こしたのだと確信しています。
大きな災害が起きる時は常に、地上で起きている事に起因していると確信しています。

神は我々を懲らしめているのではありません。私たち自身が、神ではなく、どういう訳か、さまざまな問題を造り出しているのです。神ではありません。私たちなのです。

インタビュー:2011年5月バージニア・ビーチのARE、ケビン・トデッシー氏のオフィスにて

ありがとうございました。
インタビューの聞き取り、翻訳:岩隈幸恵

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?