ドロステ構造とメタフィクション、草案

1、脚本を書いている男。
2、脚本を書いている男を書いている男。
3、「脚本を書いている男を書いている男」を脚本に書いている男。
4、「『脚本を書いている男を書いている男』を脚本に書いている男。」を脚本に書いている男。

というドロステ構造があるとする。
この時、以下の物語は成立するか?

「自分は脚本に書かれた男である、と気付いた脚本家の男」を書いている男の脳裏。
「オレもまた描かれた存在なのではないか?」と、男は天井を仰いでボンヤリと想像した。

と、書き終えた男はふと、
「オレもまた描かれた存在なのかもしれない。」と天井を見つめた。

と、書き終えた男は試しに「気付いてるぞ」と呟いてみたが、返事はない。

と、書き終えた男は「気付いてるぞ」と心の中で呟いた。

と、書き終えた男は天を仰いで、「実際どうなん?」と語りかけた。

実際はオレで終わり。と、書き終えた男。
だが実際に自分で本当に終わりなのか?オレもまた何者かに書かれた存在なのではないか?と少しだけ不安に思ったが、考えないようにした。

と、今、俺が書き終えた。
俺は思った。
「今、俺は思った、と書き終えた何者かが居るのではないか?
と、これすらも書かれているのではないか?」
と思うと、とてつもなく不安になった。

と、書き終えた男もまた。

以下、ドロステ

読んでいただきありがとうございます。血が沸騰していますので、本当にありがとうございます。