特例法の「???」を考える①〜特例法には要件がある〜
はじめに。
私は、セルフID(望めば誰でも性別変更できる)を止めるには、
また何より現状すでに、女児女性が多大な侵害・被害を受けている状況を覆すには、
本質・事実の的をとらえて射ていく必要があると思っています。
いたずらに消耗し、論点をずらされ、脇から簡単にすり抜けられる状態を作られるからです。
そして、焦りと不安と恐怖を利用され、
「私たち女性は、特例法を特別で必要な法律と認識してきました。安心と信頼で、男を女湯でも女子トイレでも受け入れてきたんです」と言ったのだ……
ということにされたりも、
してしまいかねないからです。
だから、特例法についてなんとなくのイメージだけではなく
ぜひ実際のところをみんなで見ていけたらどうか、と思い、
この記事を書くことにしました。
※本記事を書くにあたっては、南野知惠子『【解説】性同一性障害者 性別取扱特例法』を大いに参考にいたしました。(図書館で借りれますよ)
■特例法には要件がある
特例法には、「法的性別取扱いの変更を利用できるための要件」が5つあります。
そのうち
☆要件4は
生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
☆要件5は
その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること
です。
■要件4が設けられた理由
要件4が設けられた理由は、
・戸変したあとに子が生まれたら様々な混乱や問題が起きるから
・生殖腺から生物学的性別のホルモンが分泌されてると心身に好ましくない影響があるから(?)
です。
(好ましくない影響って、なんなんでしょうね)
■要件5が設けられた理由
要件5が設けられた理由は、
・例えば公衆浴場で問題を生じるなど、社会生活上混乱を生じる可能性があるから
です。
(女ってのは、男性器さえ見えなければ平気なんだ、ってそんな解像度あり?)
■要件4とは
要件4は
・生殖腺が存在しない状態(除去手術や、事故など)
⚠または⚠
・生殖腺は存在するけど、抗ガン剤の投与やX線照射等によって、その機能全般が永続的に失われている状態
のどちらかです。
なのでたとえば不妊手術だけでは該当しないだろうと解釈されています。
(ホルモン分泌はするから)
■要件5とは
要件5は他の要件の解説よりかなりテキトーです。
・身体の一部として性器外観が近似するものがある場合などを指す。必ずしも近似するもの そのものがないと不足なわけではない。近しい外見を有してたら足りると考える
何を言ってるのか??ですね。
しかしつまり、女性がホルモンで陰核肥大してればOKな事例は、
このファジーさゆえかと思われます。
■手術要件は存在する?
ここまで見てわかるとおり、
「手術要件」というものは特例法には存在しません。
たしかに健康そのものな生殖腺と性器を持っている男性が
要件4と5をクリアするためには
なんらかの措置が必要になるので
手術する男性が大半のはず……ではありますが、
手術必須・手術限定とは定めていないので、
状態判断によってクリアは可能な法文になっています。
厚労省からの通達にも「抗がん剤の投与やX線照射等」という言葉が出てきますし
女性は閉経&陰核肥大でOKの例があるのを見てもわかりますね。
くりかえしますが、特例法には「手術要件」なんて存在しないのです。
(注:このクリニック、こう書いておいて
>特例法は、戸籍上の性別変更の条件として、性別適合手術を前提にしていることになります。
に繋がるのは全く意味がわからない)
■国が重視するのは「生殖腺」
さて、成立前から今日にいたるまで
国が重視している(というかそこしか見てないに等しい)のは、
要件4「生殖腺」です。
今回、最高裁で取りざたされているのも、 要件4のみ の可能性があります。
(要件5は↓……と報じられています)
SNSなどで「手術要件が撤廃されるかも!男性器あるまま女性が認められて、女湯に陰茎をぶらさげた”女性”が入ってくる!」などと煽られ
心配を呼んでいたのは
要件5のほうかと思います。
当然、どの要件も緩和や撤廃されればその分 利用人数が増え、影響は増えるので問題なのですが、
しかし
・「手術要件」など存在しない
・要件4と「男性器あるまま」は関係ない
わけです。
またいずれ要件5に関しても
・女湯には「身体的特徴」というルールを適用すればいい
と言われることが予想されます。
「現状維持」は「手術要件維持」ではないし「男性器あるまま女性の公認」を防げる状態、ではありません。
そしてたとえ「手術要件を作ってくれ」と求めていくにしても、
男性を女性扱いさせられる弊害は残り続けます。
■区別と差別・公共の福祉と憲法違反?
特例法で、要件4が規定された理由は子無し要件(現に、子が居ないこと)の理由とも重なります。
戸籍や家族観や父母観と、子の福祉への、混乱・破壊。
これを理由に特例法利用者を選別・区別することは、
「合理的な理由」だから、差別や憲法13条違反ではない……
と国は判断をし、要件を規定したとのこと。
(日本国憲法、第13条は下記)
じゃあ、男が女湯や女子トイレや女子更衣室に入り、助産師になり、女性スポーツに進出しect……を許す特例法が
女性女児の生命・自由・幸福追求を尊重しない状態を作り出す時点で、
特例法は公共の福祉に反しており、憲法違反じゃん?
なんで作ったの???と思いますよね。
しかし、
国は女性女児を尊重することを「合理的な理由」と判断しなかったどころか、
判断するための議論すら、した形跡はありません。
続きます。
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