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始めて水屋にお手伝いに行った日


#茶室 #着物で水仕事 #水屋手伝い #たすきがけ


これは私がまだ二十歳過ぎたばかりの頃のお話です。
お茶のお稽古で習っていた先生がお茶会を開くことになりました。
そして生徒である私たちはお手伝いに行くことになりました。
私は初めての経験だったので、恐る恐る次のように聞いてみました。


あのぉ~水屋(みずや)のお手伝いと言いますと具体的に何をするのでしょうか?

1回に15人くらいお席に入りますから、奥でたてたお茶を皆さんにお出しします。
お茶をたてる事とお茶碗を流しで洗っていただきます。
このように言われました。


普通でしたらそのようなお仕事は何とも思いません。
しかしお茶席ですから着物姿です。
お袖の扱いにも慣れていませんので、どうしよう?と思ったのです。
とりあえず当日は割烹着と、たすきにするための長い紐を持って出かけました。


その日はとても暑かった事だけ覚えています。
しかも母が用意してくれた着物は、振袖ほどお袖が長くは無い物のそこそこ長めの白い着物でした。
割烹着を着るには熱すぎることと、お袖が長いので割烹着の中には納まりません。
たすき掛けをしようと、もたもたしていましたら先生に言われてしまいました。


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お水屋でそんな勇ましい恰好をしてはいけませんよ。
討ち入りじゃないのですから。
ちょっと**さん、ゴムひもを出してあげて。


その日先生から頂いたのは長さ70cmほどのゴム紐を輪にしたものでした。
このゴムを8の字にして輪に着物のお袖をひっかけます。
ゴムは後ろで交差しますので、後ろからお袖を引っ張る形になり水仕事が楽に出来ます。
たすきも便利ですがそれなりの長さが必要なので少々かさばります。
しかしゴム紐はかさばりませんので不要な時は帯の間などに隠しておくことが出来ます。
たすきほど見た目が仰々しくなく、しかも汚れる事を気にせずに水仕事が出来る事に驚きました。


そして先輩のお弟子さんに言われたのです。
ゴムひもが無かったら輪ゴムでも良いのですよ。
こういう風に5本ぐらいつなげて端の輪にお袖を引っかけると簡単に出来ますから。


実際にやってみると物凄く簡単にお袖をまとめる事ができました。
ただ難点としては、通常の着物袖だとゴムから袖が抜ける事があります。
袂(たもと、お袖の中)にハンカチを入れておくと抜けにくくなると教わりました。
簡単にちょっとお袖をまとめるにはとても便利です。
ただ長時間しっかり働くには、昔ながらの紐でたすき掛けのほうがお袖が落ちてくる心配がなく良いです。
場面に応じて使い分けると良いと感じます。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

読んでいただきありがとうございます。 アトリエを無事引っ越すことが出来ましたが、什器等まだまだ必要です。 その為の諸費用にあてさせていただきます。