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ひと夏の人間離れ/毎週ショートショートnote

初夏の夕暮れ、近くの神社に行ったら見慣れない人がいた。そして、いきなり持っていた杖を振り回し、ボクに呪いをかけた。呪いをかけられたボクは、その日からバナナしか食べることが出来なくなって、毎日、毎日、バナナを食べるボクの身体は腕が長くなって来て、大きな木に登れるようになった。歩き方も、猿のようだった。

どんどん猿になっていくボクは声も変わった。
「ウキー」としか言えなくなってしまった。

ボクの猿化は、進み、とうとう服も脱ぎ裸で過ごす。全身の毛が伸びて四つん這いになって歩き、本当の猿のようだった、人間の意識も無くなりボクは人間離れして猿になった。

動物園に入れられることになり動物園に行くと呪いをかけた人が飼育員だった。まさか、ここにいる猿はみんな人間離れしたのか!?

戻らない猿もいたが、何頭かの猿やボクの猿化は、ひと夏で終わった。
飼育員は、裸のボクや、他の人の為にツナギを用意してくれた。
背中に『私は猿やってました』と書かれていて恥ずかしかったが、それを着て家に帰った。

そして飼育員は「また探してこんといかんばい」と言って杖を持ち、何処かへ消えた。



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