あやはべる
てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,6
2021年8月8日号
こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。
今日は8月8日、旧暦7月1日、新月です。
暑い夏を過ぎて、季節は少しずつ秋へ。
あと2週間すると十五夜です。
一年で一番月が美しい季節です。
今回は「沖縄の十五夜」についてご紹介します。
皆様の地域では、どのように十五夜を過ごされるのでしょうか。
沖縄では、各地域で獅子舞が行われます。
いくつかの地域でその獅子頭の製作をさせていただきました。
沖縄の獅子頭はデイゴという軽い木で作られています。
子どものころ模型を作って遊んだ「バルサ材」に次いで
なんと世界で2番目の軽さ!
ただ軽いだけでなく、デイゴの木はその巨大な自重を支えるために丈夫です。
軽くて丈夫なことから、戦後は琉球漆器の素地としても使用されました。
木に祈りを捧げた後に、製作に入ります。
そのデイゴを大きな鍋でゆでた後に、時間をかけて彫り進めます。
漆を塗って着色し、馬の毛皮のたてがみを付けて仕上げます。
馬の毛皮は、食肉センターから譲り受けた皮を自分たちで皮なめしをします。
また皮にも「どうぞ立派な獅子になってください」とお米とお酒を捧げて祈り、
それから皮なめしを行います。
体には芭蕉の繊維をまといます。
古来はその地域で育ったデイゴや芭蕉を使用した、と言います。
以前、首里の汀良町の神獅子を彫らせていただきました。
獅子は地域の守り神としてとても大切にされています。
神獅子は決して地域の外に出ることはなく、
十五夜の時にだけ地域を周り、舞を踊って厄疫を払います。
勇壮で、とても激しい舞です。
デイゴは首里城内に生えていた木が偶然手に入り
使わせていただきました。
汀良町に何度も足を運び、完成させました。
完成した時には、地域の公民館の区長さんを始め役員の方々が集まり、
佳き日にお坊さんを呼んで、果物やお餅などをお供えして
獅子に魂を込める儀式が行われるということで一緒に参加しました。
先代の獅子から魂を抜き、新しい獅子に込める、という儀式です。
汀良町では500年前から地域を守る獅子舞の行事が行われています。
この獅子の魂は時代によって獅子頭を変えながら
500年間ずっとこの地域を守り続けてきている、
ということに立ち合い、とても厳粛な思いとなりました。
獅子に前後に若者が入り、
十五夜の明かりのもと、風に毛をなびかせて激しく舞う様は
本当にこの獅子の魂が500年生きていることを感じさせました。
現在はコロナ下で行事を行うのも大変なこととなっていますが
ずっと受け継がれていってほしいと思います。
*今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
今日も良い日となりますように。
次回もどうぞお楽しみに(^▽^)/
私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
2002年より、 厳選した沖縄の木を用い、
手加工で竪琴・ライアーをはじめ
心を込めた手作りの楽器をお届けしています。
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編集後記
朝夕涼しくなると、汗を気にせず竪琴を弾くことができて、弾く時間が増えたような気がします。同じ曲でもしばらくぶりに何度も向かい合っていると、新しい発見があって嬉しさが増えます。
去年の十五夜には沖縄の昔話、「天から降る餅」をYouTubeで配信しました。
アダムとイブに似た話が沖縄にも語り継がれています。天から降ってくる餅を食べて生活してした世界で最初の男の子と女の子が「餅が降ってこなくなったらどうしよう」と考えた後に・・・自立していく物語です。
よろしければ、十五夜にちなんでご覧ください。(のり子)
「天から降る餅」
https://www.youtube.com/watch?v=M3tT0B_ylsQ&t=15s