獅子頭
てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,38
2024年3月10日号
こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。
今日は3月10日、旧暦2月1日の新月です。
先週は雨が降り肌寒い日が続きましたが
知らない間に草木の新芽が伸びていました。
あの雨がきっと必要だったのだ、と柔らかな新芽を見て思いました。
今回は『獅子頭』についてです。
私たちは楽器を制作する工房ですが、
文化財の復元も大切な仕事としてお受けしております。
工房を立ち上げた頃、地域の獅子頭を彫ってほしいという依頼がありました。
地域の方が彫り手がいなくて大変困っていて、お引き受けはしたものの、
まだ一度も獅子を彫ったことはありませんでした。
子ども用の獅子を製作して伝承者を育成したいというお話でした。
沖縄本島南部の具志頭村(現在は八重瀬町となっている)の獅子でした。
公民館をお訪ねして区長さんから神獅子を見せていただきました。
戦前の獅子は戦災で燃えてしまったのか、米軍が持ち帰ってしまったのか分からず、
戦後に復元した立派な獅子でした。
獅子にもごあいさつして寸法を測らせていただき、
まずは見本を作って話し合いを何度も行いました。
やっと彫る段階になりましたが、獅子は守り神なので
地域の外に出すことはできません。
(以前県外のイベントで獅子舞を披露したことがあったそうですが、
長老の方々は獅子がいないと災いが起こったら大変だと反対したそうです。)
工房からだいぶ離れた場所だったので、
寝袋を持って公民館に寝泊まりして製作しました。
神獅子の収められている祠の前に作業場を用意してもらい、
道具の研ぎは公民館の炊事場を貸してもらいました。
朝、昼、晩と地域の方がお食事を運んできて下さり、
いただいたら朝の6時から夜の12時ごろまでひたすら彫り続け、
3日おきにお風呂に入りに自宅に帰るという生活を2週間ぐらい続けて製作しました。
地域の長老の方も見に来て、「兄さん、獅子は本当は一年ぐらいかけて彫るんだよ」と仰っていました。
本来はその土地に生えたデイゴの木を倒し、
その土地に生えている芭蕉から繊維を取って毛にし、
地域の方が彫り、
舞い手が入ると生きているかのように舞う獅子は
地域の守り神です。
完成した時は本当に皆さんが嬉しそうで誇らしげで
私たちも本当に嬉しくなりました。
ご縁があっていくつかの地域の獅子を彫ったり修理を行ったりしています。
地域によってそれぞれお顔の表情も、色も形も違いますが
どの地域も個性があり、地域の誇りです。
*今回もてるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンを
ご購読いただきありがとうございます。
今日も良い日となりますように。
私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
2002年より、 厳選した沖縄の木を用い、
手加工で竪琴・ライアーをはじめ
心を込めた手作りの楽器をお届けしています。
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編集後記
写真は完成した子ども獅子と子どもミルク(弥勒)様。
獅子の毛は地域の方々と一緒に作りました。
ミルク様の面とお腹も製作しましたが、福々しく笑っているお顔は
厳しい表情よりも彫るのが難しかったそうです。
(のり子)
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