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カイコの思い出と国産シルクハイブリット弦完成!

てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,10

2021年12月4日号

こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。

今日は12月4日、旧暦11月1日、今年最後の新月です。
日食も重なり、新しい年への希望を描く感があります。
2021年度完成予定の楽器は
少々遅れが生じており、
お待たせして申し訳ありません。
年内にお届けできるよう日々制作を進めております。
ご予約をいただいております皆様
どうぞ今しばらくお待ちください。

今回は「カイコの思い出と国産シルクとのハイブリット弦完成!」についてです。

子どもたちが小学生のころ、
大分県で暮らしている義弟が夏休みの自由研究に、と
カイコの種(卵)を25個送ってくれました。
子どもたちと一緒に桑の葉を摘み、見事な繭に育ちました。

・・・ところがそこから真っ白なカイコガが羽化し、
卵を産んでいるのを発見しました。
ほどなく小さな黒い幼虫が孵り、
育て方の要領もだいたい把握していたので同じように育てました。

始めは小さなお菓子の箱に桑の葉を入れてあげていましたが、
だんだん大きくなるにつれて箱が狭くなり、
2つ、3つと増やすうちにとうとう段ボール10箱に!

桑の葉も近所で少し取るだけでは足りず、
公園を周ったり、車に乗って探しに行ったり、
雨の日用に近場は刈らずにおいておいたり
と労力が必要となりました。

工場のプレス機の上で飼っていましたが
「シャクシャク・・・」と桑の葉を食べる音は
まるで雨が降っているように聞こえます。
特に繭になる寸前の食欲!
あげてもあげてもあっという間に空になってしまいます。

当時は内装家具工事の仕事もしていて、
現場担当の人が様子を見に回ってくると
何事もなかったような顔をしていましたが
日に3~4回桑の葉を探しに行かなければなりませんでした。

見かねた義母が
「これじゃ仕事ができないから、あなたたちが捨てきれないんだったら
お母さんが持って行ってあげる」と。
苦しい役を買って出てくれた優しいお母さんです。

命を粗末にすることはできないけれど
さすがにこれ以上増えたら大変なことになってしまうと思い、
知り合いの染織家に相談しました。
すると「繭になり次第冷凍したら大丈夫、私が繭を引き取るから育ててください」
と返事をいただいたので義母を説得しました。

木工技術を生かして繭が入る枠を作り、
カイコの幼虫たちは無事繭へ。
ビニール袋いっぱいの繭を染織家の方へお渡ししました。

後日とても美しい布を繭のお礼に、といただきました。
「繭から糸をとるとき、高良さんたちのカイコへの愛情を感じましたよ」
と言っていただき、繭そのままの色や風合いを生かしたその布、
美しさに苦労も吹っ飛びました。
以来楽器の撮影をするときには下に敷かせていただいています。

絹にはそんな命が宿っています。
古三線の弦も絹製であり、琴も絹製です。
竪琴の弦にも使うことができたらどんなに素晴らしいだろうかと
ずっと研究していましたが、
この度製作する弦に国産シルクの糸を合わせる方法を
自分たちなりに確立致しました。
特に低音部は音量が増し、まろやかで鐘の音のような響き、
弾いたタッチも柔らかくなりました。

今回あやはべる32弦からは、この弦を取り入れています。
新月の今日、伊集、シマトネリコ、柿の木、桑(販売済み)の
4台が完成します。
後日YouTubeでも音をご紹介したいと思いますので
どうぞお楽しみに!

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 来年も皆様にとって良い年となりますように。
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私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
2002年より、 厳選した沖縄の木を用い、
手加工で竪琴・ライアーをはじめ
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ライアーを制作するきっかけとなった忘れられないコンサート

編集後記 
毎年この時期になると、初めて竪琴と出会った日を思い出します。
コンサートで初めて演奏を聴き、奏者の方に「私が竪琴を作ったら弾いて下さいますか?」と問いに、「竪琴を作るのなら深い泉から水を汲んでください」との答えをいただきました。その日から来年は20年となります。多くの方に支えられて、作り続けられたことに感謝申し上げます。最近分かったことですが、この時コンサートを行ったレストランの名前「ラ・フォンテ」とはイタリア語で「泉」という意味なのだそうです。
(のり子)

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