意思表示。

「一週間、ラジオ聴くの我慢できたら100万やるわ」

…って仲の良い友達に言われたらどうしますか?

本気で友達が100万円をくれると信じて挑戦する人、(嘘に決まってる…)と思いつつ挑戦する人、そもそも挑戦しない人、水曜日のダウンタウンの企画を疑う人、まあ色んな人がいるんじゃないかと思います。

仮に、友達の言葉を本気で信じてラジオを我慢したとして、一週間後に「あの話嘘だよー!100万円あげませーん!」ってネタバラシされたらちょっと腹立ちますよね。おれならキレます。その友達を問い詰めます。そんで怒りが鎮まった後はひたすら溜まってるラジオをタイムフリーすると思います。
逆に、(そんなうまい話がある訳ないやんけアイツまた冗談言ってんな)って勘付いてた人が、一週間後に「ラジオ我慢したから100万円くれよ!あの時約束したやん!」って友達に詰め寄ってたら、おれはちょっと違和感を覚えます。だって友達が嘘ついてたの知ってて乗っかった訳やし。これで実際に100万円を払わなきゃいけない世の中やったら、嘘や冗談なんて易々と言えなくなっちゃうんじゃないかと。

こういう『表意者がその真意ではない事を知って意思表示をした』事例については、とある法律の規定を適用してキチンと解決する事ができるんですけど、込み入った話になるのでここでは省略します。
おれが言いたいのは、嘘や冗談は「嘘をついてるね」「冗談を言ってるね」と理解できる関係性にあってこそ輝くんだなという事でして。これって深夜ラジオのトークも同じやと思うんですよ。

例えば、歯と足に痛みを抱えた小宮さんが「ラジオは休めばいいから」「ダラダラ喋ってれば時間過ぎるじゃん」って言ってても、おれは何とも思わないです。ラジオを蔑ろにしてるなんて微塵も感じない。だって小宮さんはそういうフリートークをする人やって知ってるから。
別の例を挙げると、山里さんが「本田翼ちゃんの爪、食べたいよね〜」って言ってても(そうだよね〜食べたいね〜)って聞き流せてしまう。だって山里さんはそういう人やし。今さら「爪を食べるなんて不衛生です!病気になりますよ!」「本田翼ちゃんが嫌がると思わないんですか?」ってクレームを入れようとも思いません。
平子さんの発言もまた然り。おれなんて、アルピーのラジオを聴き始めてまだまだ浅いんですけど、毎週の放送を聴いていると(はい、平子さんのいつものやつ始まった〜)って気が付くようになりました。
これは別に特別な事じゃなくて、意識下で身についた深夜ラジオの聴き方です。そしてリスナーの99%がこれをできている。でも時々、残りの1%の人がパーソナリティの発言を額面通り受け取って、不快な思いをしてしまう事があるのも事実。

ここではその人達が悪いとかいう話をするつもりは一切ありません。1%の人は「100万円あげる」という約束を信じてしまうタイプの人やっただけの事。なんならこの割合は、1%じゃなくて10%、10%じゃなくて50%、もしくはそれ以上にも変動し得る訳ですから、マイノリティーやからといって責められる理由はないと個人的には思ってます。

ただ、前の記事でも書いたんですけど、言葉が持つ意味って限りなく相対的なものやとおれは考えていて。ニュアンスが容易に変わるからこそ、パーソナリティとリスナーの間で共通認識を持っておかないと、引っかかる部分なんて山ほどでてくると思うんです。番組のコーナーもそうやしフリートークの時間もそう。
だから、パーソナリティの人が発したフレーズが誰かを傷つけようと発した本音なのか、それともその場を盛り上げるためのジョークなのかを見極める能力は、リスナーも準備しとくべきやと思う訳です。無くて困る訳じゃないけど、持ってればより楽しめる。修学旅行のトランプみたいな感じのやつ。

まあでも、その線引きが難しいんよなあ。いっつもボケてる人が本気の話をするギアを入れてトークをおっぱじめる事もあれば、ボケの度合いがエスカレートしていって(え、これ大丈夫?怒られん…?)ってなる事もあるもんなあ。うーん。

そんな事を考えつつ、不毛のラジオクラウドを聴いてたら、山里さんがこんな事を言ってました。

「本田翼ちゃんのね、切った爪。炒ってね、オリーブオイルで。あ、でも、オリーブオイルで風味つけてね。ま、ごま油だな、風味つけんのだったら。オリーブオイル火に弱いから。うん。ごま油で軽く炒る」


あの人はガチ。今からBPOに連絡しようと思います。

では。


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