鮮度。

テーマメールがめちゃくちゃ好きなんですよ。

深夜ラジオに送られてくるメールを細かく分類するとしたら『リアクションメール』『テーマメール』『コーナーメール』『ふつおた』に大別されると思うんですけど、その中でもダントツで『テーマメール』が好きです。

なんでかと言いますと、『テーマメール』ってふがいないエピソードを昇華できる絶好のチャンスじゃないですか。こっちが腹を割って話せば、パーソナリティの人が共感してくれたり、笑い飛ばしてくれたり、同じ目線に立って話してくれたり、時にはゲキを飛ばしてくれる。
その時だけは自分一人に語りかけてくれるような気持ちがして、ふがいない思いをした事も無駄じゃなかったって思える。まあそんな感じの理由です。

おれがラジオにメールを送り始めたきっかけも、20数年生きて積もったクソダサいエピソードを成仏させたかったからです。
例えば、サークルで不遇な扱いされた事とか、サークルに居た苦手な奴とのやり取りとか、サークルで感じたやるせない話とか。いや動力源がサークルばっかりかよ。

…なんて事を言いつつも、サークルでの話以外にも色々とストックはある訳でして。ただ、自分の記憶力を過信しすぎるとせっかくの話もボヤっとしてしまうので、念のためにiPhoneのメモ帳に残してます。
おれのiPhoneのメモ帳にある"エピソード関連"と題したフォルダを開けば70個ぐらいのタイトルが並んでます。これは絶対に他人には見られたくないやつ。恥ずかしいし。


見せるんかい っていうね。

そんな訳で、ラジオでメールテーマが発表されてからは(どのエピソードが使えるかな〜)って思考を巡らせてます。その時間が楽しい。

少し前のCreepy NutsのANN0で「そんな言う?」というメールテーマがあった時は、
(わりかし人にキツく言われた事ない気がする…)(サークルで何かないかな…)(サークルの奴らは飲み会で口悪かったな…)(そういや合宿の時とか酔った同期にボロクソ言われたな…)(あの話を文字に起こしてみようかな…)
みたいな思考回路を経由しつつメールを書きました。

そのエピソードっていうのが、「大学に入るまでほとんどAVを見たことがなかったからサークルで"AV女優古今東西""をした時に女優さんの名前が出てこなくて、言い出しっぺに『殺すぞ』とドヤされた」という内容なんですけど。まあ現実そのまま。1ミリも盛ってないです。AVにやたら疎かったのも、古今東西をやったのも、ドヤされたのも全部ノンフィクション。
ちなみにその言い出しっぺは「殺すぞ」の後に強めの肩パンしてきました。AV女優古今東西の何がそんなに彼を駆り立ててたのか未だに謎です。

もし仮に【ラジオで採用されるためにはエピソードちょっと大袈裟に言おう!】的なテクニックがあったとしても、おれはダサくて引き出しにしまってた話を、ダサい鮮度のままパーソナリティの方に聞いてほしいので盛りたくないです。そりゃウケたいし明確なオチも欲しいけど。そこのバランスが難しい。

これは超個人的な考えなんですけど、コーナーで読まれたネタメールって「面白い」か「面白くない」のどちらかに絶対に割り振られる気がするんです。
作家さんの手を離れて採用に至った以上、今度はパーソナリティの方だったり、もしくはリスナーさんの"おもしろ物差し"で判断されるのが必然になるというか。採用という最難関オーディションを潜り抜けた後にまだ先がある感覚。「オーディション受かってアイドルになれたのに選抜制度あるの?」的なやつ。
そこでパーソナリティの人に「面白い!」って褒めてもらえれば満たされるし、 作家さんの笑い声が聞こえたら安心するし、逆に自分のネタメールの出番が早々に切り上げられると落ち込む。パーソナリティの方が沢山フォローしてくれると(それだけ自分のネタが弱かったんやな…)みたいな気持ちにもなる。一喜一憂の繰り返し。これ伝わってるか分からんけど。

かたやテーマメールは、割と心持ち軽く書いて送れるんですよね。笑ってもらえたら万々歳やけど、最悪ウケなくても良いでしょっておれは思ってます。
なんてったって、自分一人の視点しかなかったエピソードに、他者の視点が加わるって事に意味を感じるので。誰かに聞いてもらえるだけでスッキリする的なやつ。

そんな訳で、これからもエピソードを変に加工せず、鮮度そのままでやっていけたらなあと。テーマメールは素の自分を曝け出す最良の手段なんで大事にしていきたいです。


…あとこれは余談なんですけど、先述したエピソードは本放送で読んで頂いたものの、Rさんには「バレてんねん!カッコつけが」「AV毎日見てるくせに」ってバカにされたし、松永さんには「罪深いんで死んでください」って突きつけられました。

「だがそれでいい」って肯定してほしかったなあ。


では。

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