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本という名の大樹

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愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。
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【記憶より記録】図書館頼み 2310#1

 あっという間に11月ですか … 。年を追うごとに ” 過ごしやすい季節 ” がショートカットされていく様に感じられてなりません。  とまれ、酷暑を越えて一息つけるかと思いきや、今秋10月に関しては厄介な雑事が控えておりました。  そう、あの デスボイス インボイスですよ … 。  憤懣やるかたない思いを胸にしながらも健気に対応していたら(講習や質疑のために税務署へ2度も赴いた)、読書量なんぞ増えるわけが無いと … 。  このままだと 行楽の秋 も 読書の秋 も共倒れ。唯一全

【本】彼岸花にまつわる話

 あちらこちらで彼岸花を目にする季節になりました。秋の風に繊細な花被片を揺らすこの花を見る度に思い出す話があります。 1:土佐寺川 とは 「忘れられた日本人」という本がある。  著者は 宮本 常一 。民俗学の界隈で知らぬ人はいない人物である。  本書との付合いは長く、僕にとっては「40年来の知己」といった感じだ。  この本の中に 土佐寺川夜話 という章がある。  土佐寺川とは、高知県の北部山間地域にあり、愛媛県の名峰にして日本百名山の誉れ高き石鎚山の東側に位置する山村だ