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本という名の大樹

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愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。
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#読書感想文

【記憶より記録】図書館頼み 24' 2月

 二八の月は、商売が低調になりがちと言われていますが、忙しさの点では全く別もの・・・というのが個人事業主でもある私の実感です。年度末を前にしたこの時節は、始末をつけなければならない雑事が盛沢山。その中の1つとして納税に関わる会計作業があります。  毎年3月に忙殺されることが決定している私の場合は、正月休みの間に決算(青色)の準備を整え、業務提携先等が送付してくる支払調書等の到着を待ってから最終確認を行い、特別な事情がない限り、確定申告の受付が始まる2月16日に完了させるよう

【記憶より記録】図書館頼み 2312#1

 いよいよ今年も終わりが近づいてきましたね。  とは言え「終わりは始まり」なのだから、悲観する必要はありません。何しろ、人生は諸行無常で万物流転。ここまで来たら、河童よろしく流れに身を任せ、年の瀬と言う岸辺に漂着できれば御の字と・・・。  とかなんとか言っておりますが、今日はクリスマス・イブでしたよね。  我が家は、極々質素に済ませてしまうので、クリスマス気分もへったくれもないのですが、件のおばちゃま手作りのシュトーレンで、ほんの少しだけ祝祭気分を味わいました。うん、それで

【記憶より記録】図書館頼み 2311#1

 いよいよ明日から師走。そして今日は雪模様。  といった具合に、様々な与件が災いしたのでしょうか。午前中だけで車の追突事故現場を2回も目撃しました。   振り返れば、昨年の今頃の僕は、信号停車中に追突され、首にコルセットを巻いて鬱々と生活していましたっけ。  とかく、不注意になりやすい時節ですからね。  まずは、目の前の事柄に集中して、ゆとりを確保しながら安全第一で行動していきたいものです(自戒)。  それでは、11月の「図書館頼み」を備忘して参りましょう。 1:ケルト 

【記憶より記録】図書館頼み 2310#1

 あっという間に11月ですか … 。年を追うごとに ” 過ごしやすい季節 ” がショートカットされていく様に感じられてなりません。  とまれ、酷暑を越えて一息つけるかと思いきや、今秋10月に関しては厄介な雑事が控えておりました。  そう、あの デスボイス インボイスですよ … 。  憤懣やるかたない思いを胸にしながらも健気に対応していたら(講習や質疑のために税務署へ2度も赴いた)、読書量なんぞ増えるわけが無いと … 。  このままだと 行楽の秋 も 読書の秋 も共倒れ。唯一全

【本】彼岸花にまつわる話

 あちらこちらで彼岸花を目にする季節になりました。秋の風に繊細な花被片を揺らすこの花を見る度に思い出す話があります。 1:土佐寺川 とは 「忘れられた日本人」という本がある。  著者は 宮本 常一 。民俗学の界隈で知らぬ人はいない人物である。  本書との付合いは長く、僕にとっては「40年来の知己」といった感じだ。  この本の中に 土佐寺川夜話 という章がある。  土佐寺川とは、高知県の北部山間地域にあり、愛媛県の名峰にして日本百名山の誉れ高き石鎚山の東側に位置する山村だ

【記憶より記録】図書館頼み 2309#1

 ようやく気候が落ち着いてきたような … って、まだまだかな。  とかく、体調に関して言えば、季節の変わり目が鬼門であることに違いはありません。これからの時節は、寒暖差が激しくなる一方ですから、体の声に気を配りながら過ごしてこうと考えているところです。   それでは、9月の「図書館頼み」を備忘して参りましょう。  1:ヒトラーとUFO    謎と都市伝説の国ドイツ   著者:篠田航一 出版:平凡社 「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い(借り)」してしまった一冊。 何しろ ヒ

【記憶より記録】図書館頼み 2308#1

 数は少ないながらも良書に出会えたような気がする今日この頃。  とかなんとか言っておりますが、案の定、8月に入ると同時に読書時間が減ってしまい、結局2回連続(4週間)で借りることになってしまいました。(8月27日返却予定)  それでは、酷暑で困憊気味(食欲だけは無問題)ではありますが、8月の「図書館頼み」を備忘して参りましょう。  1:すべてが武器になる    文化としての〈戦争〉と〈軍事〉   著者:石川明人 発行:創元社 人間の考えた事物の全てが武器に「なる」という可

【記憶より記録】図書館頼み 2307#1

 夏季休暇の声が聞こえてきましたね。  悲しいかな、この長期休暇前の繁忙期に、昨今の急転直下型の天候が加味されるので、予定通りに事が運べず、頭を痛める今日この頃。  ということで、これからお盆を過ぎる頃にかけて読了する本が目減りしてしまう僕ですが、「図書館頼み」が継続できる程度には読書時間を確保していこうと考えております。  此度は、7月前期の借用本です。驚くなかれ、たったの1冊ですが、これもまた繁忙期の実情ということで、お笑いください。それでは、お時間の許す方はお付き合い

【本】仏像と日本人

はじめに  題名からして地味に過ぎる本だと思います。  もし、本書『仏像と日本人』が、島国日本における仏像の歴史的変遷を辿るだけの本であったなら、長らく仏像彫刻を嗜んできた僕ですら、所有する気持ちにはならなかったはずです。  しかし、僕は本書を手に取り、そして買い求めました。  この顛末に至るきっかけは、題名『仏像と日本人』に対して、ある種の不自然さを反射的に感じてしまったことにあります。この不自然さとは、”日本” ではなく ”日本人” になっていたことを指します。  こ