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本という名の大樹

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愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。
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#本の紹介

【本という名の大樹】三冊揃い踏み

 此度は、note というフィールドで交流を賜っている筆達者さんたちの作品が手元に届いたというご報告をさせていただきましょう。  こうして三冊揃ったのが一昨日のことでしたから、熟読は未だ先の話になりますが、今から「ドキがムネムネ」しております。  何はともあれ、日々の変わらぬ営みの中で、かような刺激を賜れるのもまた物理的な距離をものともしないネットならではの効能かもしれません。  それでは、僭越ながら簡単なご紹介をば … 。 1:独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖笹目いく子

【本】彼岸花にまつわる話

 あちらこちらで彼岸花を目にする季節になりました。秋の風に繊細な花被片を揺らすこの花を見る度に思い出す話があります。 1:土佐寺川 とは 「忘れられた日本人」という本がある。  著者は 宮本 常一 。民俗学の界隈で知らぬ人はいない人物である。  本書との付合いは長く、僕にとっては「40年来の知己」といった感じだ。  この本の中に 土佐寺川夜話 という章がある。  土佐寺川とは、高知県の北部山間地域にあり、愛媛県の名峰にして日本百名山の誉れ高き石鎚山の東側に位置する山村だ

【本】読書の秋 芸術の秋