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本という名の大樹

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愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。
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2024年2月の記事一覧

【記憶より記録】図書館頼み 24' 2月

 二八の月は、商売が低調になりがちと言われていますが、忙しさの点では全く別もの・・・というのが個人事業主でもある私の実感です。年度末を前にしたこの時節は、始末をつけなければならない雑事が盛沢山。その中の1つとして納税に関わる会計作業があります。  毎年3月に忙殺されることが決定している私の場合は、正月休みの間に決算(青色)の準備を整え、業務提携先等が送付してくる支払調書等の到着を待ってから最終確認を行い、特別な事情がない限り、確定申告の受付が始まる2月16日に完了させるよう

【本という名の大樹】開高 健「私の港になった作家」

 開高 健 は、日本の文芸史にあって一時代を築いた作家に違いなく、多くの読書家と愚かな釣り人たちを魅了した作家であったと言えるでしょう。  此度は、そんな彼に対する賛辞と憤りと感謝と皮肉を綯交ぜにした一読者の思いの丈を綴ってみようと思います。  ご都合のよろしい方は、是非お付き合いください。 ※開高のキャリアや作品については Wikipedia 開高健 をどうぞ。 1:名文を見つけ 言葉を切り取る人  開高健(以下、開高) の作品を思い起こしてみる。  すると、作品の冒