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はじめに 題名からして地味に過ぎる本だと思います。 もし、本書『仏像と日本人』が、島国日本における仏像の歴史的変遷を辿るだけの本であったなら、長らく仏像彫刻を嗜んできた僕ですら、所有する気持ちにはならなかったはずです。 しかし、僕は本書を手に取り、そして買い求めました。 この顛末に至るきっかけは、題名『仏像と日本人』に対して、ある種の不自然さを反射的に感じてしまったことにあります。この不自然さとは、”日本” ではなく ”日本人” になっていたことを指します。 こ