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世界の希望と絶望が交差する時、あなたはどちらを選ぶのか_第14話

凛とエイラは颯爽と準備を整え、動けそうな仲間20人に武器を持たせ、

「行くよ!」

と声を掛けた。

もしものことがあった時のために、拠点にカレンを無理やり残させ、凛とエイラ達はベルネウ川に向かった

「結構遠いな」

と凛は呟いた。

「ここら辺は崖が多くて結構遠回りしなくちゃいけないのよ」

とエイラが答えた。夜遅くで辺りは真っ暗になっていたので、仲間の1人がカンテラに火をつけ、見晴らしの良い場所まで移動した。

「凛さん,ヤバいです!」

1人がそう言うと続けて

「想定の3倍近い敵の数です!」

そう言うと、エイラはシルヴォの方を向いて、

「私達が時間を稼ぐ!あなた達は川沿いの全砦に居る人を逃して!」

と言った。

シルヴォと他殆どの仲間は、川沿いにある砦やトーチカなどに散っていった。

「凛、ごめんね」

エイラはそう言った。その時、後ろのカンテラが草むらに倒れた。油が漏れ出し、そこの周りの草は火がつき燃えていた。

「これ、今何かあっても逃げ場ないですよね」

凛はそう言いながらも銃にマガジンを装備して、臨戦態勢をとった。その時、下からカレンが左手を伸ばしてきた。

「カレン!なんでこんな所にいるの」

エイラがそう言おうとした時、

「甘い」

と言ってもう片方の腕で剣を持って斬りかかった。その時、背後から、人が走ってくるような音がした。そして、

「間に合え!」

と叫び声が聞こえた。

背後から降り掛かってきた剣は斬りかかってきた剣と火花を散らしてぶつかった。

斬りかかってきた方は舌打ちをし、

「本物が出てきては仕方が無い」

と呟いて崖を飛び降りた。

カレンはそれに続いて

「凛!ちょっと借りるよ!」

そう言うと凛の自動小銃を奪って銃の引き金を引いて崖を飛び降りた。

そうすると、潜んでいた周りの敵は忽ち叫び声をあげて倒れた。

「君達とはまたいつか相対することになるだろう」

偽カレンはそう言って駆けて行った。

本物のカレンは崖を登って、エイラと凛の前に立った。

「何でここに居るの!」

エイラがそう言うと、

「川沿いから戻って来た人が『あれ?カレンさん、川沿いにいたんじゃないんですか!?』って言ってきたからもしやと思ってね」

そう言うと、カレンは凛から奪って行った銃を返した。

「よくあの状況で当てられたな」

凛はそうカレンを褒めた。

「さて、そろそろ夜明けだし、決着をつけないとね」

エイラはそう言うと、近くにあった砦に登った。

「ここの辺りに煙幕を焚くから、凛は夜明けと同時にここから銃を撃って。そうしたら敵は集まってくる筈だから、そしたらカレンは私に合図を頂戴。生憎、魔法は体力を使うから、徹夜した今だとあと一度しか使えないのよ」

エイラはそう言うと、煙幕の中に入っていった。