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パラレルワールド

パラレルワールドというのは、不思議な世界のことだけじゃない。私たちは日常的に、すごく自然にパラレルワールドを行き来しているし、むしろパラレルワールドだらけの中、迷子にもならずに生きている。そういった縦横無尽にあるこの瞬間のひとつにいる。

自分の見ている現実は、この瞬間に全ての可能性からひとつを選んだ結果だ。

友達のお母さんが施設に入った。
無数の現実の可能性から、私はそれを選んでいる。その友達は最近ぶたを飼い出した。それを聞いた時、ああ、お母さんの日常に動きがあったのだなと思った。そのとき、私の可能性の中で大きかったのはふたつ。施設に入ったか、亡くなられたか。ラインのやりとりで聞くのもと思い、次にあった時に聞こうと思っていた。
昨日彼女の来宅で、前者だとわかった。その瞬間に、二つの大きな可能性は一つに絞られ、それに沿った過去ができた。それはあまりに自然に、ごくありふれた会話で。ああ、そうだったんだね、というよくあるセリフとともに、私にとっての新事実としてメインの時間軸に書き込まれた。

過去と未来はいつも可能性に揺らぎ、現実は結果を鮮やかに映し出す。

友人知人その他全ての人の魂はいつもプライマリーにあり、それぞれの全ての可能性から、私の意識にあったひとつの現実を差し出す。

本当も嘘もなく、ただひとつを。

しかし次の瞬間には全てはまた可能性の海に揺らぐ。



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