[各競馬場コース別傾向]第10回 中山芝1,600m

 毎週金曜日に配信しています『各競馬場のコース傾向』。今回は9/10(日)に行われる京王杯オータムハンデキャップの舞台でもある『中山芝1,600m』の傾向について紹介します。
  ※本コーナーの概要はこちらを参照


中山芝1,600m傾向

 データの集計期間、サンプル数は以下の通りになります。

[データ集計期間] 2018年1回~2023年3回

[サンプル数] 全 349レース
南南西寄り2m/s以上の風 65レース
北北西寄り2m/s以上の風 56レース
北東寄り2m/s以上の風 59レース
 
※風のサンプルについての概要はこちらを参照


①ペース傾向 ※傾向の見方はこちらを参照

 『全体』で見ると、[Sペース]が約30%[Mペース]が約50%[Hペース]が約20%となっており、基本的には平均的なペースになりやすい傾向と言えます。

 風向き別で見た際に『全体』の傾向と比較すると、『南南西』寄りの風では[Sペース]の割合が高くなっているのに対して、[Hペース]の割合が低くなっており比較的前半のペースが緩む傾向が現れています。これは、『南南西』寄りの風では、向正面が向かい風直線が追い風に作用することが影響しているものと推測されます。

 一方、『北北西』寄りの風では[Hペース]の割合が高くなっているのに対して、[Sペース]の割合が低くなっており前半のペースが速くなっている傾向となっております。『北北西』寄りの風では、向正面は斜め追い風直線は斜め向かい風(1角から3角方向に抜ける風)に作用することが影響しているものと推測されます。

 なお、『北東』寄りの風では、『全体』と似たような傾向になっていることが見て取れます。


②4角位置取り別傾向 ※傾向の見方はこちらを参照

 『全体』の『勝利数』の観点で見ると、[先頭]が20%程度[先団]が40%強の割合となっており、これらを合わせると約60%の割合を占めることになります。[中団前]が25%程度で、[中団後]は10%程度[後方]は4%程度基本的には前で運べる馬が優勢な傾向[後方]は4%程度となっており、基本的には前で運べる馬が優勢な傾向と言えます。

 『全体』の『連対数』『3着内数』では[先頭]の割合が少し低く、[中団前][中団後]の割合が若干高くなってはいるものの、それほど大差はないと言えるでしょう。

 また、風向き別で見たときに目につくところでは、『南南西』寄りの風では[先団]の割合が少し低くなっているのに対して、[中団前]の割合が少し高くなっていることです。前述の通り『南南西』寄りの風ではペースが緩みやすい傾向になっていますが、意外と中団位くらいの差し馬にチャンスが生じやすくなっているのが特徴でしょうか。


③馬番別傾向 ※傾向の見方はこちらを参照

 まず、『全体』のグラフを見てみると、[1~9番]の成績がやや良い傾向で、[10~16番]の成績がやや悪い傾向となっており、『内枠がやや優勢/外枠がやや劣勢』と言えるでしょう。

 風向き別に見ると、『南南西』寄り、『北北西』寄り、『北東』寄りともに凸凹がかなり目につき、非連続性なグラフとなっていることからも、傾向を掴むのが難しいと言えます。


【結論】

 中山芝1,600mのコース傾向は、以下の通り。

●平均ペースになりやすい傾向。風向き別では、『南南西』寄りではペースが緩まる傾向で、『北北西』寄りではペースが速まる傾向。

●前目で運べる馬がやや有利な傾向も、『南南西』寄りの風では中団位からの差し馬にもチャンスが生じる傾向。

●『内枠がやや優勢/外枠がやや劣勢』の傾向。

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