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宿泊記録:千里阪急ホテル

千里阪急ホテルは、千里ニュータウンの中心地「千里中央」駅にあるホテルです。「千里中央」駅隣接の商業施設「千里セルシー」も再開発の関係で2022年5月に全てのテナントが撤退しましたが、この「千里セルシー」は私が札幌に引っ越すまでの遊び場だったそうです。札幌に引っ越したのが2歳の時なので、当然ながらその頃の記憶はほとんどありません。ただし、母方の祖父母が豊中に住んでいたので、その後も「千里中央」駅まで祖父母と同居していた伯母や従兄に車で来てもらって祖父母宅へ行っていたこともあり、「千里中央」には多少の郷愁を持っています。

その「千里中央」駅にある千里阪急ホテルは、私より少し年上で、1970年大阪万博開幕に合わせて開業しましたが、阪急阪神ホテルズの経営見直しの中で、建物の老朽化などの理由で2025年頃に営業を停止することになりました。「建物の老朽化」という文言は中高年の私にとっては自分の体調などを思わせてしまうものです。

立地や建物が魅力的なホテルで、休業を決めたホテルは、最近では東京の山の上ホテル(2024年2月)、学士会館ホテル(2024年12月)などがあり、立て直しなどがされた場合は最近の流行の個性が乏しくなる高層建築化が予想されるため、せめて近場の千里阪急ホテルは営業停止前に宿泊しようと思って、今回、GWに宿泊してきました。GW間近でも予約ができたところに、営業停止理由の「不採算ホテルからの撤退」を連想してしまい、多少複雑なものを感じましたが、それでも、残りの人生を考えて最近は、行きたいところに行き、見たいものを見ておくことを意識的に心がけているので、宿泊できることになって良かったと思いました。

大阪の地下鉄は御堂筋線が一番馴染があって好きです。「千里中央」駅は御堂筋線=大阪地下鉄から北大阪急行電鉄に接続されているので、地下鉄なのかそうではないのか(そうではないのが正解)悩みます。大阪以外から来る者からすると、そのあたり全てまとめて「一日乗車券」対象にして欲しいと思います。

3月に2駅分延伸されたので、ターミナル駅ではなくなってしまった「千里中央」駅で降り、5分弱歩いたところにホテルがあります。祝日なので結婚式に集った人が多くいて、宴会場を持つホテルならではの華やかな雰囲気が漂っていました。


豪華な花が飾られていると嬉しくなる(ロビー)

ホテルは7階建ての建物で、また、「ガーデンホテル」というだけあって中庭や隣接した公園の緑が素敵でした。内装は落ち着いた感じです。アメニティなどはフロント近くから自分で必要な分を持参するタイプです。

フロントのチェックイン対応もスムーズで、部屋の鍵(カードタイプではない)を受け取って今回予約した東館へ向かいました。東館はブルーやホワイトカラーのシックタイプ、西館はナチュラルタイプらしく、同行した子どもが青色が好きなので東館を選びました。


東館廊下

今回予約した東館ツインは広さとしてはそれほど広くはないですが、都市部の駅チカホテルとしては平均的な広さだと思います。カップボードやその中にあるコップなども安っぽくなくて良いです。


東館ツイン。青と白が基調。

部屋で一休みした後、隣接する公園を散策しても良かったのですが、今回は子どもに「千里セルシー」跡などを案内する目的があったので、商業施設を探検し、インド料理の夕食をとってホテルに戻りました。

朝食は、西館1階 カフェ&バイキング「シャガール」の和洋ビュッフェか、東館2階 日本料理「つる家」の和朝食膳を選べたのですが、いろんな料理が並んでいる状況が好きらしい子どもがビュッフェを選んだので「シャガール」へ。ガラス窓から差し込む光が丁度良い感じのところで、料理もそこそこ充実していました。できれば料理人がいる場合はオムレツは具(チーズとか、トマトとか、全部入れてとか)についてリクエストしてその場で作ってもらうのが好きなのですが、こちらは予めいくつかオムレツを作っているタイプでした。


欲しいものをちょこちょこ盛り付けるとこうなります


暖炉。ここの空間が素敵。
上の写真の反対側

食事の後、館内を少し散策してからチェックアウトしました。

既に述べたように、千里阪急ホテルは、ウエディングや各種宴会に対応するスペースが備わっているため華やかであり、また出張といったビジネス対応も可能であるとともに、家族連れや高齢者カップルといった人たちにとっても居心地が良い場所になっていて、そこに半世紀以上ここで愛されたホテルなのだなと思いました。

電話のオブジェ
建物の中から見る緑が綺麗でした

確かに建物の老朽化は時間的なものがあるので仕方がないですが、公共スペースにゆとりがあり、接するホテルスタッフさんがとてもよくゲストの状況を見ていて過不足なく対応してくれるところがさすがプロという感じでとても気分が良かったです。

営業停止が決まってしまったのでそれが覆ることはないでしょうが、願わくば、新しいホテルになっても、大都市に増えている個性のないホテルではなく、地元の人たちに長く愛されるホテルであって欲しいと思います。