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#27 こんなことがあった(減点評価、加点評価)

母の子に対する評価は、本人が意識していたかどうかは今もわからないが、姉の私については減点評価、弟については加点評価だった。

減点評価だと、「あれこれできて当たり前」からスタートするので、何かできないと「だらしがない」「やる気がない」と言われる。わかりやすいのがテストで小学生の間は確かにテストは簡単なものが多いけれど100点が当たり前なので90点だとダメ、という感じ。

加点評価だと、「できないかわいそうな子」からスタートするので、それがいいかどうかはわからないが、期待されていない。その分、何かできると「すごい」と言われる。テストだと50点を超えるとよく頑張ったという感じ。50点で褒めるなら90点も褒めてよ、と言う感じの不満がずっとあった。

家族の内と外で態度が違うのはまだ理解できなくはない。家族を下げて相手を持ち上げる社交マナーみたいなものがあることはまだわかる。ただし、2歳しか離れていない姉弟の評価基準が明らかに違うのは、未だに納得できていない。

「あんた、できるからいいじゃない」と、母は言うかもしれないが、家を離れるまでは、母=心身ともに弱い、特にストレスに弱いので私が支えなければならない。 弟=なにかとしでかすし(やってくれた列伝はまた別の機会に書きたいと思う。いじめにも遭いやすかった)、母曰く「気の毒な子」らしいので、私の視界に入っている限りはなにかしでかす前にそれを阻止しなければならない。

そういう感じで日々を過ごしていたので、何か違うよなと思いながら、それについて特に反論するようなことは無かった。できていると評価されている側ができていないと評価されている側についてとやかくいうのは弱い者いじめのような気もして躊躇われた。

勿論、私にも不得手なことはある。ただし、何かの折にそれを知ると、「あんたでもできないんだ」と母に何故か嬉しそうにするのも何だか嫌だった。いずれにせよ、自分の2人の子どもについて何か評価する時はわかりやすい基準でやって欲しかったし、その基準が姉弟で明らかに異なるのは止めて欲しかった。

ただ、親になると自分も多少やってしまっている時があって自己嫌悪に陥る。私の所は一人っ子だし、職業柄女性が子どもを持つことは歓迎されない時期が長く続いたところで空気に逆らって得た子どもなので、基本的に「あなたが生きているだけで尊い」みたいな感じではあるものの、今年になって時々子どもから、「最近褒めてくれない。保育園の時はもっと褒めてくれていた。」と褒めろリクエストを受ける。

自分からそういうことを言えるのは、のびのび育っているな、いいことだと思うものの、「最近褒めてくれない」と言われてしまうほど、褒めていないのか、子どもに不満を持たせてしまっているのかと自分のことながらショックを受ける。

多分、できていることに慣れてしまって、それが普通になると、より上の段階をなんとなく期待してしまって、それを比べてまだまだできてない、今の状況は敢えて褒めるほどのことではないと思ってしまっているみたいだ。

とはいえ、子どもにとっては今の自分を見て、そして褒めて欲しいということなのだろうし、うちの場合ははっきりそれを指摘してくれているので、もっとできるだろうと勝手に評価のハードルを上げ、それこそ減点評価をしてしまっているところには注意しなければならないのだろう。