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造幣博物館

近代貨幣に関心を持った子どものリクエストで大阪に立ち寄った際に造幣博物館に行ってきました。

本当はコロナ感染拡大中に近くの帝国ホテル大阪に宿泊した際に散歩がてらこちらの博物館を案内する予定だったのですが、その日は散歩の気分がゼロになるくらいの雨だったので持ち越しとなっていたのでした。

津から鶴橋まで近鉄、鶴橋で焼肉定食の食事をとった後、地下鉄に乗り換えて南森町で下車、そこからは徒歩です。南森町駅から造幣局入口までの徒歩10分程度の距離にファミリーマートさんが数件あって、都会のコンビニ経営って互いに潰そうという感じなのか、スタッフさんの貸し借りはできるのか、などという話を子どもとしているうちに造幣局の受付に到着。

見学は無料ですが、代表者の氏名などを書いて、見学者用のバッジをもらいます。バッジは確認しやすい場所につけて、といった指示が守衛さんたちからありました。こういうところお役所っぽいです。

受付の後、売店は後で立ち寄ることにして、桜の時期の通り抜けで通ったことがある造幣局横の小道などを進むと造幣博物館に到着します。


守衛所?

1階にコインが戻ってくるタイプのコインロッカーのある受付の他、当時の模型や大時計があります。HPの説明には「当時の工場の正面に取り付けられ、 定刻に鐘を鳴らし、局内に時刻を知らせていました。」とあるように、近代日本において時計や労働における時間遵守などが浸透していく過程を見てきた近代遺産みたいなもののひとつです。

荷物をロッカーに預けて、出かける際に持参している野帳(お出かけ記録)にスタンプを押して2階の展示に向かいます。スタンプの隣にある専用のリーフレットではなく野帳にスタンプを押そうとしている私を見て、少しでも綺麗にスタンプが押せるようにと受付の所にいたスタッフさんが手助けしてくれました。

2階は造幣局の成り立ちに関する映像資料の他、創業当時使われていたガス燈から局内で製作した天秤などの資料、お雇い外国人に関する文書資料などの他、勲章やオリンピックのメダルなどの展示、貨幣に関するクイズやコイン識別システム体験、千両箱などの貨幣の重さを実感できる体験コーナーがありました。難易度を選べるクイズは難しいものもあって楽しめます。

3階は子どもが一番楽しみにしていた貨幣コーナーでした。名古屋の三菱UFJ銀行「貨幣・浮世絵ミュージアム」を子どもが気に入っているので何度か連れていったことはあるのですが、造幣博物館の立体展示は綺麗で良かったです。昭和10年に大川で発見された竹流金の実物はここでしか見ることができないそうです。川で漁をしている時に見つけるなんて幸運な人もいたものだなぁなどと思いました。また、浪人を雇い入れる際などに適宜切って用いられたとされる切銀(金?)なども面白かったです。ここは大判小判なども展示されているので豪華なコーナーでした。

その隣のコーナーは記念貨幣や海外貨幣などの展示があったり、造幣局が販売しているコインセットのコレクション展示があったりして、この間「ミントセット」を購入したことからコインセットへの関心が高まっている我が家では昔のコレクションをみることができて楽しかったです。


歴代の桜のメダルに選ばれた桜リスト

造幣博物館は、展示室の規模からするとこじんまりしたところですが、展示物が貴重なものが多いので一度は足を運ぶといいかなと思います。週末だったので小さな子どもをつれた家族も何組も見かけましたが、子ども(多分、小学校低学年以上が望ましい気はします)でも十分に楽しめる工夫がなされています。

屋外には創業当時に使われていた機械の一部が展示されています。中でも「閉鎖状態にあったイギリスの香港造幣局の機械一式を6万両で購入した圧印機のうちの1台」は、香港にこれがあったから大金とはいえ明治政府が購入して日本に持ってくることができたのだな、などと、明治初期の造幣に関するタイミングの大事さなどをしみじみ思わせるものでした。


建物隣にある造幣局ゆかりのものたち
門のデザインも凝っていました

今回は一般公開の時期ではなかったのですが、泉布観(私は20代の頃に一度行ったことがあります)にも、機会があれば子どもに見せてあげたいなと思ったりしました。


おまけ:造幣博物館地下にあるトイレにあったポスター。