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飲み会の「腕ずもう」はもはや盗賊行為である。~会社の飲み会のキャバクラ化について~

タイトルだけ見ても、ピンときませんよね。

先に言います。

この記事は、私がいかに不器用であるかを反省するもの、

そう反省文です。

「忖度(そんたく)」という言葉がメディアでも取り上げられましたが、いかに私が相手を慮(おもんばか)ることができないか、うまく立ち回れないかということを痛感させられた出来事の顛末でございます。


さぁさぁ

昔の話ですが、

仕事をしていると、職場の先輩から誘われることがあります。

「なぁ、みんなで集まって飲もうぜ」

出ました。

地獄のフレーズです。


断っておきますが、私は飲み会は好きです。

しかし、そこに職場の、かつ先輩(上司ではない)の飲み会だと話が変わってきます。

さらにそれが、宅のみというのだから、加えて乗り気ではありません。


全然仲が良くない先輩たちとの飲み会、しかもその人の家にて。

アウェイです。

完全なるアウェイ

僕のサポーターなんてどこにもいません。(まあ、ホームでもいませn



不思議なもので、虫の予感というものが人には働くんですね。

誘われて私が直感したのは

「ああ、また内輪話 → 過去の先輩の自慢話 → 後輩への何か面白い話しろ」

という試合展開です。そして、やはりそうなります。


「じゃぁ行くなよ」と思われるでしょうが、

そういった飲み会にはいくようにしているのです。(これについては次回)



自分の仕事を終え、お土産の焼酎を片手にお招きされた会場(先輩宅)へ着きました。

そこには、すでにパイセン2名と女性の同僚2名、そして年下の後輩が2名(男女)いました。


まずお金取られます


「じゃぁ会費ということで2千円ね」


2千円・・・

私はにわかに思いました。


「高くね?」

だって2千円 × 7人ですよ?


出てきた食べ物、ホットプレートでお肉焼くだけですよ??

イオンとかマックスバリュで売ってる一般世帯向けのお肉。

あと、

「もらいもんだからこれ飲んでいいよ(ドヤァ)」と得意気に渡された缶ビール(発泡酒)が一本…

そのビール飲み終わった後は、自分で買ってきた焼酎を水で割ってちびちび飲んでおりました。


先輩の家の宅のみほど、費用対効果が得られない飲み会はないですよ。


しかし、この際食べ物には目をつむろう。

だって、飲み会で大切なことは親睦を深めることですもの。

そうそう、先輩のありがたい話を聞いて、楽しい話で盛り上がって、終わればいいじゃないの!!

さて、会話を楽しみましょう!!!

・・・・

・・・・

・・・

・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!

無音。。。


だれか喋れよ!!!!!

パイセンが肉焼いてる間、だれも喋りません。

せいぜい

「今日何してたの」

「あー家の掃除とか」

「へー・・・」

という、水たまり程度の深さの話が繰り広げられるだけです。



そりゃそうだよ。

パイセンと飲むだけでもこちとら気を遣うシャイなあんちきしょうがいっぱい集まってるんだぜ?しかも、会場はパイセンハウスときちゃ、だれも着ている羽織を脱ぎながらしゃべろうとは思わねぇぜ。


かくいう私もそう。

よく合コンで盛り上げ役に呼ばれる私ですら、

この空気を切り裂くことはできやしねぇ。。


ただただ、そこには、パイセンが肉を焼く様子を見守る後輩たちと、

TVで流れる番組をただただ眺める同僚たちの姿がありました。

そうだな、おそらく、自分の家にいるどの時間よりも、あの空間こそが最もテレビを見ている時間と言っていいだろう。
しかし、ついにその静寂を切り裂く会話が始められる。

そう、パイセンの武勇伝だ。

パイセン2名は昔馴染みということもあり、

お互いがお互いを

「この人、昔めっちゃ悪かったんだよ!ビール瓶で人殴るもんwwww」

「いやいや、この人の方が無茶苦茶よ!!僕、休みの日なのに電話かけられてきて、めちゃくちゃ大声で怒られたもんwwwww」

とむかしなつかし、あの時の私たちの話をお酒を片手に話しているのです。


私は思いました。

『大声で今すぐ「ファーーーーック」と叫びてぇーーーーーーー!!!!

くっそつまんねぇ!!!

なんの証拠もない、

自分たちの

自分たちによる

自分たちのための

昔話!!!!

誰がききてぇーんだよおおおおおお!!!


1ミクロンも興味ねぇよ!!

キャバクラじゃねんだよ!!!

何で金払って、遠いパイセンの家くんだりまで来て、

うまくもねぇゴムみてえぇな固い肉を食って、

もらいもんのビール飲んで!

自分で買ってきた焼酎ちびちび飲みながら、くそつまらねぇB級バラエティ観なくちゃならねぇんだよ!!!!

ほんで、「俺たち、むかし、ばかやってたんだよねーwwwキャッキャ」

みてーな会話の乳繰り合いを聞かなきゃならねーんだよ!!!

テメーらが金払いやがれコンチクチョウ!!!

こっちの貴重な時間を、何でおっさんたちの昔語りで気持ちよくなるために消費しなくちゃならねーんだ!

まだ二日酔いにならないうんちくでも聞いていた方がましだわ!!!』

と。


すみません、熱くなってしまいました…

思い出し怒りが私の指をキーボード乱打に駆り立ててしまいました・・・


まあ、そんなこんなで続いた飲み会も、ほどほどの酔いが回り切ったころです。

お待たせしました。みなさま。お待たせしすぎたのかもしれません!

そうです、ついに本題でございます。


パイセンが言い出しました。


「俺さ、最近ジム通ってるんだよね。ちょっとさぁ男みんなで腕相撲しようよ」


でました!!

飲み会の腕相撲!!!


いやいやいやいやぁ!!!!

何でやねーん!

なーんでーやねーぇぇぇん

なーんで、

いい年齢のおじさんたちが

腕相撲すーんねーん


村かよ!!!

もしくは、高校生がドリンクバーだけを頼んで時間つぶしているファミレスかよ!!!


ここで私は悲しいかな、感じ取ってしまった。

こいつ(先輩)は、自分が持ち上げられるこの空間(飲み会)で持ち上げられ、自分の武勇伝を話して気持ちよくなり、さらには腕力を誇示するという原始的な行為によって優越感を味わいたいだけなのだということが。


つくづく思うのだが、

こちらにとって何も利がない飲み会は、もうボランティアである。

民間キャバクラと化してしまうのである。


話を戻そう。

腕相撲、パイセンが指名したのは一番年下だった、見た目がごつい(ラガーマン体系)の青年である。


後輩もまんざらではない様子で「いやー俺、弱いっすよぉ」と言いながら、太い腕をテーブルの上に出す(このテーブルはかつてゴム肉が焼かれていたものだ)


女の子たちは、心の底から興味がなさそうに、だがそれを悟られないように

「やりましょやりましょ♪ でわでわ、レディーゴー」

と合図を出す。


接戦だ。

しかし、10秒ほど競り合ったのち、後輩の手の甲はテーブルへとたたきつけられた。

パイセンはご満悦だ。

「まさか勝てるとは思わなかったなぁーー!!!めっちゃ嬉しー!!R君に勝ったの!!勝ったよ!!うれしー!!!!!」




かえりてぇぇーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!



しかし、気をよくしたパイセンは、次の対戦相手を所望である。

年功序列、そう白羽の矢がたったのは私である。

私と言えば、オフィスワーカーでほぼ一日中をパソコンの前で過ごしている、たまーに外出する程度のもやしっ子である。特に運動もしておらず、色も白いので筋力はない…

少なくとも彼にはそう見えていたはずだ。

しかし、私はこの時、虫の予感がしたのだ。


「多分、俺が勝つだろう」、と。

実は私は、昔、スポーツジムでバイトもしていたし、ブレイクダンスをしていて片手で全体重を支えるポーズをしていた肉体派ダンサーだったので、筋力はそこそこついているのだ。(あと、懸垂も一日30~100回はやっている)


私は全力で断った。

「いえ、ぼくはそういうのはほんと弱いので!!いいですいいです!!ほんとに、やるだけ意味ないです!!だって先輩めっちゃ腕太いじゃないですか!」


「いいからいいから、ほら、やろうよ」

もうこいつは、僕に圧勝して女性にキャーと黄色い声援を浴びることしか頭にない。


別の先輩が言う。

「いいじゃん、ちゃちゃっとやっちゃいなよ」

なんとも、当て馬にされている気分である。

私「いやーぼくまじでよわいんでぇぇ・・・」

と言ってももうだめだ。彼は右腕をでーん!とテーブルに置き、私の右手を待っている。

おっさんに手を握られることを待っている状況は、もうあれだ

「キモっ!!キモっ!きんもーーー!」

と弱虫ペダルの御堂筋君ばりに言ってしまいたくなる状況である。

「ほれほれ」と、先輩が待っている。

仕方ない。

やるしかないのだ。

そして、やるからには、私も全力でやろう。

侍の国に生まれた以上、勝負に加減など不要である。

それに、

私はおごっているかもしれない。

内心「勝つかも」と思っているが、実は、パイセン、めっちゃ強いかも?

いや、強いはずだよ!!

だってこんなラガーマンみたいな子を倒してるんだもの!

強いに決まっている!

というか、強くあってくれ!!!

右手を差し出し、構える。

レフェリーが言う・

「レディ…ゴー!!!」


だだーんっ!!


瞬殺である。

圧倒的に私が瞬殺してしまった。

その時の空気はもう!あれです、変な空気ですよ。

まぁそれはそうだろう

さんざん「僕、弱いもん!!!」といやいや言っていたやつが、始まるや否や、自称肉体自慢を瞬殺したのだから。

お笑いでいえば、

フリとボケが完全に成立している。

これ以上にないくらい、フリが効いたボケとなっている。

女の子も「えっ??えっ???何だったんあのやる前のモブキャラ感は??」ときょとんである。


だからいやだったのだ!

勝っても地獄だし、負けたら負けたで「俺、めっちゃつよいやーん」と、ボランティアキャバクラの時間が続くのだ!!!

てゆーか何なんだコイツ!

お前、二度と飲み会くんなよ!!!ずっとジム行ってろよこの野郎!!!!!」


そして、会はお開きとなり、職場でパイセンと会った時だ。


「いやーペコ丸君。僕ね、めっちゃ腕相撲負けたの悔しいわ。もう一回やろう。2か月後に」

いや「2年後にシャボンディ諸島で!」(©ワンピース)みたいに言われても!!!

てゆーか、それを今言われて、俺、何ていえばいいの?

バイキングの小峠さんばりに言うよ。


「なんて言えばいい!!!!」


腕相撲をモチベーションに生きるなよ!

部活かよ!

お互い30超えたおっさんなりかけ世代なんだから、もう健康のために生きて行けよ!


とまぁ、

ぼくの技量不足、人徳不足もありますが

終始、こちらが何ていえばいいかわからない、個人の感情だけを優先して物を言ってきて、こちらにもやもやした気分だけを残していく人間は、もはや盗賊だなぁと思った事例であった。


皆さんなら、どうしましたか??

ぺこまる、いまだにわかりません。。

ただ、おそらく、僕はすごく性格が悪い人間に見られている気がします笑


とにかく、
もう、今後は会社の飲み会は腕相撲をする必要がない、オンライン飲み会だけ参加するようにしようと思うわたしであった。


※タイトル画像は、かつての私の肉体です

肉屋に幸あれ、はぴねーす

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