「危ない公民教科書」 皇位継承

「危ない公民教科書」第2回は、退位と書く東京書籍、譲位と書く自由社、そして天皇制という共産党です。前回、教科書も情報戦争の一つの手段となっていることを学びました。今回の学習は、皇位継承です。最近の朝日、毎日、NHKなどの新聞やテレビは、愛子天皇誕生の印象操作をしているのではと疑ってしまうほどです。
 しかし、これは、後で述べますように、皇室典範第1条の、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承すると明記されている法律に反しています。これも外国勢力が喜ぶ、世論を誘導しようとする情報操作かもしれませんね。それでは教科書を比較していきましょう。これは東京書籍の公民教科書の索引ですが、天皇は5ページです。同じく自由社は、4ページとなっています。
これだけですとどちらの教科書も、同じように見えますが、自由社は、天皇の国事行為などに関連するコラムも入れますと、6ページにもなります。しかし、東京書籍の方は、天皇の文字だけが出て、説明がないページを省くと、天皇についての説明は、僅か10行の記述になっています。実際に比較してみましょう。なんと東京書籍は、天皇の記述よりも、アイヌの記述にかなりのページを費やしているのです。
 なぜ東京書籍の公民教科書は、天皇についての記述が自由社と比べて極端に少ないのでしょうか。生徒諸君に天皇について教えたくないようにみえてしまいます。東京書籍は、大きな見出しではなく、小見出しで「象徴としての天皇を記述しています。しかも東京書籍は、側注で天皇の退位といっているのです。
これに対し自由社は、平成の譲位と記述しているのです。単に生徒諸君に天皇を詳しく教えたくないだけではなく、譲位を退位と記述したり、象徴に鍵かっこを付けている意味はなんでしょうか。何か意味がありそうです。ここに教科書執筆者の意図を感じてしまいます。東京書籍の教科書は、天皇について詳しく記述しないわけですから、皇位継承や皇室典範についての説明がなくても不思議ではありません。
 自由社は、68ページで「今後も皇位を安定して継承できる仕組みの、法制化がまたれている、と記述し、69ページで、皇位継承儀式・大嘗祭の儀に向かわれる天皇陛下のお写真と説明を載せています。さらに皇室典範の要約を巻末に乗せています。先に延べましたように、皇室典範、第1条は、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承するとあります。生徒諸君の多くが、これをしらないのではないでしょうか。
つまり女系天皇ではなく、男系天皇を法律でめいきしているわけですが、東京書籍はこれを生徒諸君に教えたくないのでしょう。令和3年12月、皇位継承有識者会議の報告書が政府に提出されました。この有識者会議は、当然ですが、皇室典範にあるように、次世代の皇位継承資格者として、悠仁親王殿下がおられることを前提に、皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、ということで意見が一致したそうです。
 悠仁親王殿下の、次代以降の皇位の継承については、1,女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する、2,皇族の養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とするとして、男系継承を明確にして、皇族数の確保を柱としています。1と2とで、女性天皇と女系天皇を婉曲に否定していますが、皆さんはどう思いますか?皇室典範第9条では、皇族は養子を認められていないので、自由社の記述にあるように法改正が待たれます。
これに対し、立憲民主党は、女性天皇、女系天皇、女性宮家の創設について、報告書はなにも示していないとし、反発しています。令和元年のときは、女性天皇や女系天皇を認めていたのは共産党だけで、他の野党は難色を示していたのです。しかし、今は、前回の総選挙で立憲と共産が共闘したためか、立憲民主党も、共産党と同じように、女性天皇や女系天皇を主張するようになったのです。
 我が国の歴史上、女性天皇の時代はありましたが、女系天皇は存在したことがないばかりか、避けられてきました。そして、現在愛子天皇から女系天皇へという、マスコミによる世論誘導が見られるようです。しかし、我が国の歴史は、初代神武天皇から、126代のきん上陛下まで、男系でつながっているのです。これを男系継承といいます。英語ではメイルラインサクセションです。
公民教科書では、自由社以外、国家や宗教をほとんど取り上げませんので、日本はどういう国なのか、生徒諸君は教わることはできません。そのため外国人に日本がどういうくにかを、説明できる生徒諸君は少ないでしょう。なぜ公民教科書は、天皇や国家を詳しく記述しないのでしょうか。やはり、教科書会社の姿勢、執筆者の思想と関係がありそうです。
 また、教科書会社もたくさん教科書を売りたいので、学習指導要領に沿って、かつ売れそうな記述をしているのかもしれません。どの教科書を採用するのかは、各自治体の教育委員会に任されていますが、実際には声が大きい教職員組合の影響が強いといわれています。つまり左寄りの先生が好む教科書が、売れる教科書なのでしょう。そのように考えますと、公民の教科書に天皇や、国家の記述が異常に少ないのもわかる気がします。
 最後に日本という国はどのような国でしょうか。時代とともに変わってきたものもあります。また、時代が変わっても変わらずに、今でも続いているものはたくさんあります。それらは何かを知ることで、日本という国の本当の姿が見えてくるでしょう。中でも天皇は、日本という国と一緒に、時代が変わっても変わらず続いてきました。共産党は、天皇を制度とみなし、天皇制と呼び、変えられるものとしてとらえています。
しかし、多くの国民は、天皇は制度などではなく、単なる象徴でもなく、長い長い年月を通して受け継がれてきた、日本国の権威ととらえます。帝国憲法でも現在の日本国憲法でも、天皇を立憲主義の元首と考え、権力から分離した権威と考えることができます。その権威は、国民全体の総意に基づいて、日本および日本国民統合の象徴として、特別な地位についていらっしゃるわけです。
この特別な地位は、神話の時代から現在まで続いていることは誰も否定できません。ギリシャ文明もローマ文明も、今はもうありませんし、神話の時代から続いている王朝も、他にはありません。しかし、日本文明と天皇は、神話の時代から現在までずっと続いているのです。ですから日本は、世界でもまれな奇跡の国、日本と言えるわけです。天皇のお仕事は、国事行為以外にも大切なお仕事があります。
 中でも一番大切なお仕事が、国平らかに民安かれと、国民のために毎日祈られることです。最後に東京書籍の国事行為と、自由社の国事行為を比較します。どちらがよりよく天皇の国事行為を理解できるでしょうか。これは天皇の権威を理解することにもつながります。また、外国では天皇を元首としてお迎えしていることも、皆さんは自然に理解できるでしょう。それでは終わります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?