一月一酒 第13回
初出:月刊ハンガリージャーナル 2005年6月号
Don Olivér 2004 Felső-templomvölgy dűlő
醸造所:Nyakas Pince
産地名:Etyek-budai borvidék
夏のワインDON OLIVÉRは、2つのブドウ品種名から合わせて名付けられました。
フランス・ブルゴーニュ原産の国際的品種シャルドネ”charDONnay” 30%とハンガリー原産種イルシャイ・オリヴィール”irsai OLIVÉR” 70%からなるキュヴェワイン(ブレンドワイン)です。
フルーティーでマスカットを感じさせる新鮮な香りをイルシャイ・オリヴィールがもたらし、シャルドネの力強さがイルシャイの軽すぎるボディーを補っています。ステンレス製タンクの中で低温熟成された全くの辛口ワインは、”歯応え”のある酸味を持っています。
良く冷やして飲むべきそれは、まさに夏のワインとしてガーデンパーティーに欠かせません。新鮮なサラダや熟成したゴートチーズにも素晴らしく調和します。
この小気味良い辛口ワインをなぜバリク樽で醸造しないのでしょうか。それはステンレス製タンク、バリク樽の何れにおいても素晴らしいワインとなるシャルドネ種に対して、イルシャイ・オリヴィール種は樽で醸造した場合、全く逆の結果をもたらすからです。
ニャカシュ・ワイナリーNYAKAS PINCEから今回紹介するドン・オリヴィールは2004年産ですが、2003年度のそれはPANNON BORMUST2004年度品評会において最も優れたワインの一つに選ばれました。
エチェク・ブダ・ワイン地区 Etyek-budai borvidék の石灰質土壌から歯応えのある白ワインを醸造する同ワイナリー主任のマヤ・エルヌーMAYA Ernő氏は、2002年度のハンガリー最優秀醸造家に選ばれました。
同地区に100ヘクタールのブドウ畑を所有するニャカシュ・ワイナリーは、1997年からワインを醸造しています。
原文:TŐZSÉR Róbert
訳文・画像:高久圭二郎
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