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NETFLIX カウボーイ・ビバップ

恐らく今年観たドラマシリーズの中でワースト作品だったかもしれない

原作にあたるアニメ版は擦り切れるほど観ていて、歴代No.1に近いくらい好きなアニメ作品だったので、今回の実写企画が立ち上がった時点から本当に楽しみと不安で一杯だったが、結果、不安で一杯になる結末になってしまった

今年ワーストに酷いとはいえ、音楽はアニメ同様に菅野よう子、吹き替えの声優も当時のアニメの声優を起用と、ファンへの「安心材料」は担保されていてこの出来なので、その2要素もなかったらと思うともっと恐ろしい作品になっていたと思う

おおまかに何が良くなったかというと

・キャスティング(ほぼ全員、アインに至ってはただの犬)

・キャラクター設定の変更(関係性含む)

・印象に残っているアニメエピソードから要素を抽出・再構築からのストーリーの改築がうまくいっていない

・シリアスなシーンの演出のチープさ(アニメを意識し過ぎてなのか実写で同じことをすると安っぽく見える)

・アクションシーンのテンポの悪さと動きの遅さ(何倍速が早めてもいいくらい組手が遅い)

などなど書いていくとキリがないほどに問題点はあったけれど、救いだったのは先にも記載したとおり、音楽と吹き替え声優の方々の尽力

このままではコスプレの域(それもそこまで高くはない)を到底超えることができない部分を、音楽と吹き替えの力技でクオリティを無理くり上げて、公式というドーピングでなんとか作品として押し上げたのはこの2点だと思う

正直音楽と声優さんが一緒なら画がなくても成り立つくらいの豪華布陣だったので、画が観ていて耐えれないという人はドラマCDと割り切って、音声だけで楽しむことをオススメする

そして何より今作の1番に良くなった点は脚本だと思う

アニメに忠実に制作されたであろう第1話は恐らくファンに対してもサービスするつもりで忠実に制作されたことが仇になった形で、1話で切ったユーザーも多かったんじゃないかと思っている

2話以降はある程度原作の設定ベースで、アニメのエピソードを織り交ぜながらアニメでも本筋ではあるものの、敢えて逸しながら進行していたスパイクの過去とビシャス編をかなり軸においたストーリー展開になっていて、その部分だけで言えば、ある意味「新訳」版と割り切れれば観てもいられる内容だった

だけれど、その中で特に良くなかったのがビシャスジュリア ルックスも全然違ったし、関係性の改悪も拍車をかけて良くなかった

更に良くなったのが最終話のもはや奇行とも思えるジュリアの取った行動とキャラ変

数分くらい前まではそうでなかったのに、突如アニメでも全くなかったキャラにジュリアが覆い尽くされてしまい、スパイクもビシャスもポカーンとなってしまう豹変ぶりが当然受け入れられない展開

どういう考えかたをするとああなってしまうのかが全く理解ができない展開で、こう作ることがオリジナリティなのか、自分が関わることへの意味・主張なのか、日本人では到底理解出来ない話の展開でそのパートが終わった後にはザラついた気持ちだけ残る物凄い後味の悪い終わり方だった

更に更に話がそこでは終わらず、最後の最後にサプライーズと言わんばかりに登場するエド

出るんかいw

と、思わずと突っ込んでしまった

キャスティングが発表された段階ではエドは居なかったので、今回はエドが出ない設定なのかと思っていたら(ドラマの劇中にハッカー役としてテキストだけでの登場はあった)まさかのラストに実物が登場

しかもぶっ倒れているスパイクに次の賞金首の話をしながらシーンはフェードアウトでドラマ全パートが終了

完全にシーズン2を狙っての終わり方…

そこで自分ははっと気づいたのが、「勝手にこの話数(全10話)で終わると思っていたけれど、どこにもそんなこと書いてなかったよな」ということ

Netflixの場合、シーズン1で終わるものは最初からリミテッドシリーズと書いてあるのことがすっかり抜け落ちて今作を観ていたことに最終話のラストまで気づかなかった

後にネットニュースで今作のショーランナーを務めていた人物のインタビューを見ると、シーズン2を作る気は満々で構想自体は既にあるくらいの勢いだったので、配信直後では関係者は明らかに作れるつもりでこの作品を終わらせていたというのが分かる

これは客観性が足りない証拠で、作品の出来の自信と履き違えてるとやはり感じてしまうし、このニュースを自分が知った翌日にカウボーイ・ビバップ打ち切りのニュースを見てしまいズッコケてしまった

打ち切りによってサプライズで用意されていたエドがもう出てくることはないし、こんなことならキチンと10話で終わらせるべきだし(その後シーズン2への更新できたのならそこから考えても充分できる内容)エドも最初から出しておくべきだし、全くもって広げた風呂敷を畳むことなく終わるという最悪な形でビバップの実写は終わってしまった

関係性はもうこのままで良いので、音声ドラマとして続きを音楽・菅野よう子、声は今の声優陣で続きを公式でやって欲しいくらいに残念な終わり方をしてしまった

これが今作の1番酷い点で、ファンへのなかなかの仕打ちだと思う

今度Netflixでは「聖闘士星矢」「幽遊白書」「ワンピース」とアニメ・漫画実写シリーズが続くので、どうにかしてビバップのような二の鉄は踏まないようにしていってもらいたい


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