Ko&Edge Co.の思い出。

Ko&Edge Co.というカンパニーに参加していた時期がある。2007年から2015年の間で、最後の3、4年はこのカンパニー名は付いていなかったかもしれない。振付家は舞踏家の室伏鴻さん。なぜ2015年までかというと、この年の6月に同行していたブラジルツアーが終わった直後に室伏さんがメキシコシティーの空港で突然亡くなったからだ。前の日には一緒に朝まで飲んで喧々諤々やっていたので驚いた。室伏さんはドイツでのワークショップのため移動し、自分は日本に帰国する飛行機に乗っていた。トランジットのドーハで室伏さん急逝の噂を耳にして、半分信じられず成田に着いた。日本について確認をしたら本当に亡くなっていることがわかった。そのときのことはまたいつか書くかもしれない。

このカンパニーでの思い出はたくさんある。自分は2007年からの途中参加で毎年主に海外ツアーを回っていた。室伏さんの作品だけどダンサー3人で回ることも多く、初めて参加した東南アジアツアーもユキオさんと目黒さんに振付を習った。稽古3回で本番を迎えて踊りながら覚えていった。一緒の宿でご飯を食べたり夜中まで飲んで話したり。室伏さんに踊りを観てもらったのは参加してから1年経ってからだった。フランスのアンジェで滞在制作の時はオフに4人でパリに行って室伏さんの思い出を聴きながら歩き回った。イスタンブールにリサーチにいった時(この企画は結局立ち消えになった)は毎日昼間からビール飲んで話し合ってた。銀塗りのやり方を模索した時期があって室伏さんが銀塗り前にニベアを塗ってるらしいという噂でみんなで油を塗ってやったら全然取れなくてしばらく銀色のまま日常を過ごした。ユキオさんだけ銀のノリが良くて一人だけ光るからユキオさんのスポットのゲージを少し落としてもらったりもした。20代後半から30代半ばで自分を耕す大事な時期に室伏さんと先輩ダンサーのユキオさんと目黑さんとたくさん旅をして踊って飲んで話した時間はとても大切な愛おしい時間だ。

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