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無頓着、しかし無関心ではなく

この商売をしていると好きな本はなんですか?という質問をいただくことがある。その度ごとに曖昧な返事をしてお茶を濁しているが、先日好きな言葉はなんですか?という質問をもらったことから、
「無頓着、しかし無関心ではなく」
というマン・レイの言葉(作品名)を思い出した。
彼の実験精神というか、制作態度を端的に表した良い言葉だと思う。

こだわりを持つことは現代においてプラスに捉えられることが多いが、固執することで対極や外部にあるものをとるに足らないと軽んじたり、無関心になることは往々にして起こり得る話だ。そして多くの争いはここから派生する部分が少なくない。
ある側面からみれば、「大人」になることは特定の事象に頓着してそれ以外は無関心になっていく過程にも思える。
歳を重ねるごとに深みを増す言葉だと思う。

汀線のWEBオープンからおよそ一年が立った。まだ執着するほどの何かを得てはいないが、積み重ねた知識や経験に頓着せず、わからないもの、理解し難いことを面白がる軽やかさを持ち続けていきたい。

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