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初の事務所開き、無事終了しました。

ご来店いただいた皆様、気にかけていただいた皆様、本当にありがとうございました。
今後月1回ほどのペースでオープンを予定しております。次は9月オープン予定です。期間決まり次第、またこちらで告知いたします。たくさん本を仕入れて準備しておきますので、よろしくお願いします!

私自身はまだまだ古本屋としてひよっこ中のひよっこですが、この道何十年というベテランの古本屋でも日々知らない本ばかりだ、という話しを聞きました。
現在、月に刊行される本がおよそ6000冊、年間およそ7万冊という本が世に流通していますから、古本屋が扱う本は天文学的数字となります。
氷山の一角という表現がありますが、一角どころか一点を知っているかもあやしい。あまりにも知らないことばかりで打ちのめされると同時にとても爽快な気分になります。

古本屋は本を廃棄しないための最期の砦ではありますが、それでも処分しなくてはならない本が日々大量にでてきます。ただ、廃棄されてしまう本だからといって取るに足らないわけではなく、それらと出会い直すきっかけを作ることが古本屋の醍醐味のような気がしています。
高価な本だから面白い、安い本だからつまらない、というわけではないのが古本です。100円の本でその後の人生が変えられることもある。それはとても痛快なことだと思うし、古本屋冥利に尽きる瞬間であるような気もします。もちろん100円の本ばかりでは私の生活は成り立たないのですが…

本を読むことは楽しい、時間を使ってやるに値することだ、と思ってもらうために何ができるか、これが本を売ることを生業にした私にとっての優先事項です。本は最初から最後まで全てを読む必要もないし、極端な話しタイトルやワンセンテンスがその人にとっての指針となったり、何かを生む原動力になり得る。現実に形にならなくとも、そこで考えたことは、その人を形成する一部となり、それは既に創造的な営みだといっても過言ではないと思います。そんなことを考えながら明日からも本を売っていこうと思います。

「読むことは、書くことに勝るとも劣らない創造的な営みである。」
『悲しみの秘儀』若松英輔


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