【掌編400文字の宇宙】5W1Hという馬鹿馬鹿しさについて
人にセツメーする時や、文の書き方の基本として5W1Hというのがある。
ウェン、ウェア、フー、ワット、ワイ。そしてハウである。これらをおさえて言ったり書いたりしろと、ある時急に言われた。
一瞬何をいっているのコイツは。と思った。
何時、何処で、というのはぎりぎり分かる。時計を見たり、ここは何処だろうか、わからなければ周りの人に聞けば分かることだから。しかし。
その次の、誰、とか何を、とか何故というのはわかるはずがない。そもそも自分がだれなのか分かっているものなど殆どいない。一人もいないかもしれない。
私たちは余りにも偶然というものを軽視し過ぎている。たまたまそうであるという事実に何時まで経っても気が付かない。無視している。きょうもまた知っている人が死んだ。しらないうちに。メールでそれを知らされた。
返信に「そうか。大変ですね。よろしくお願いします」とだけ書いて送った。5Wも1Hも糞もない。