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庭子73歳、コロンビアに恋して 〜強制外出禁止令150日〜 No.1

なぜ、スペイン語?
なぜ、コロンビア?
コロンビアはとても危険な国だよ。
そんな危険ところになぜ?。
そして英語もゼロ。スペイン語もゼロ。
なぜ?は、おいおい話していきますね。
危険を承知で、なんとかなるさ。

2019年9月にコロンビアの首都ボゴタに入りました。
暮れから正月は「コロンビアに一人で、学校も休み・公共交通機関も休み・レストランや珈琲の店も休みで、どのように過ごすんだ」という話もでて、そうか観光ピザも3ヶ月で切れるから一旦日本に帰ってピザ更新するためにもと、日本に一旦帰国しました。
日本に1ヶ月ほど居てすぐに再びコロンビアに入り、大学の外国語センターでスペン語を学び始めました。

写真1Cafetería

写真1
【大学へ通う道すじの喫茶店で毎日宿題をしていました。ガラス越しに見えるのは自転車を修理する光景です。コロンビア・ボゴタは自転車王国です。歩道には自転車を修理する露天がたくさん並んでいました。】

写真2Barbería

写真2
【大学に通う道筋にオシャレでユーモラスを感じさせる理髪店がありました。】

そして、忘れもしない出来事になったのです。
3月16日大学に行くと学生は一人もいません。
ちょうど私が学んでいるクラスの先生が出てきて「貴女はメールを見なかったのか」と問われました。
確かに大学に行く直前の朝8時に大学からメールが入りました。
でも大学に行って様子を見たいと思ったのでした。

大学のトイレに入ってフー!大きく息を吐きました。
新型コロナ・ウィルスの為、3月20日に自宅禁止令がでて、3月25日以降は、強制自宅待機措置が実施されました。

「私は一人でアパートに住んでます。
73歳です。
外出禁止令のなかで英語もスペイン語も出来ない私は孤立してしまうのが怖いです。助けてください」日本人向けのサイトで「ロコタビ」のことを知り登録してメールを出しました。

反応がありました。
現地に住む30歳代の日本人男性は「なにかお手伝いしてほしいことありますか」と声をかけて頂きました。
「こうしてなんとなくお話できることで、安心です」。
商社の奥様からは興味があればとスペイン語の先生を紹介していただきました。
素晴らしい先生でした。
スペイン語を学ぶなかでお互いに尊敬し合う関係ができたのはラッキーでした。

また、私がストレスで病気にならなかったのはご近所さんのおかげです。
この方たちのおかげでストレスに負けないで過ごすことが出来ました。
彼らのこともたくさん話すことがありこれだけで1冊の本が書けるほどです。
おいおい話していきますね。

外出禁止の期限は、再三再四伸びて・伸びて、8月に入りました。
運動不足予防にアパートの目の前の山を毎日散歩して、スーパーマーケットのCarrlaに行くだけでした。だから、コロンビアのどこを観光しましたかと聞かれたら「目の前の山とスーパーマーケットだけしか知りません」となります。

でも、ご近所さんは、庭子に良い思い出を持ってもらいたいと山頂まで連れて行ってくれました。
山賊が出るから一人では決して行かないようにと言われている山です。そこは3,300メートルの山頂で360度見渡せます。
天国に近い場所かと、おもわずヤッホーと大きな声で叫んでみました。
ご近所さんたちはヤッホーの意味はわかりません。
でもなんとなくわかったかもしれません。
私に敬意を持って見守ってくれました。
眼下にボゴタの街が膨大に広がりを見せてます。ボゴタの人口は900万人で面積は東京の3倍もあります。

遥か遠くには山の形状とシルエットが見えます。
足元にはコロンビアの国の花である欄、色々な欄が咲いてます。
鳥の鳴き声も聴こえます。
その日はボゴタでも珍しく雲ひとつない青い空です。
最高の天気です。
「庭子のために今日の天気がある」と彼は言いました。
ご近所さんと一緒に5分だけ瞑想しました。

風がそっと右の頬を撫で、左の頬には柔らかな日差しが愛撫してくれました。エネルギーをいっぱい頂きました。いつまでも山頂にいると山賊が遠くからみているから危険だと早々に下りました。どこも観光はしなかったが、山は最高の思い出になりました。
山の写真は危険だからカメラもスマホも持っていかないので写真がないのが残念です。

写真3Area de la ciudad vieja

写真3
【ボゴタの旧市街地です。ボゴタの友人がゆっくり案内してあげたいと言っていた矢先に外出禁止令がでました。】

写真4Ejército

写真4
【旧市街地で安全を守ってくれている彼らはとてもフレンドリーでした。】

強制自宅待機措置が実施されてから150日余。
私の奥歯の被せたところが浮いてきました。
私の足元も浮足経ってきました。
そろそろ帰る時かな。
コロンビア在日本大使館に電話しました。

また、参考になるかわかりませんがとブログ「南米コロンビア・雲と星が近い町」を友達がしらせてくれました。ブログを見るとコロンビア在住25年の日本人でボゴタで観光会社を経営されている新井さんのことを知りました。

http://jpn-col.cocolog-nifty.com/

帰国の話は「かるた合わせ」をするかのようにみなさまから情報を頂き、あれよあれよとつながり、8月19日にボゴタからメキシコに行く人道支援の飛行機がまだ正式発表ではないがと情報も頂きました。

「帰る意志があるなら荷物をまとめておいてください」。

正式発表を頂いたのは8月14日です。
メキシコ大使館から人道支援の飛行機を使う許可が降り出発までに中4日しかありません。
本当に急なことでした。
判断して即決断するに冷静でなおかつ平常心です。
平常心と自分に言い聞かせました。
一方で緊張感で身体が固くなるのも感じました。
即決で意思決定しましたが、神が私の身体の中に入って言葉を言ってくれているような感でした。

人道支援を出すメキシコ大使館に許可願いを出して、飛行機のチケットを買っても良い返事をメキシコ大使館から返事を頂いて、そこでようやくチケットを買うことが出来ます。
すべての手配をブログ「南米コロンビア・雲と星が近い町」を書いている観光会社の新井さんが迅速にしてくれました。

帰国便はボゴタ8月19日09:30発→メキシコ14:30着。
メキシコで12時間待ちで、
メキシコ8月20日02:30発→成田21日06:30着。

2日がかりの長い旅でしたが、無事に日本の地を踏むことが出来ました。
多くの方々から応援を頂き、祈りをいただいたおかげです。

写真5botanica jardin

写真5
【彼女とはボゴタでマニュキュアの店に入った時、彼女が私の隣りに座っていて「何色に決めたの?」と私に声をかけてくれたのがきっかけです。それ以来、外出禁止令の中で「元気ですか」と毎日メールをくださいました。大切な友人です(2月24日撮影)。】

写真6botanica jardin 2

写真6
【彼女はコロンビアの伝統・観光を私に案内したいといってくれました。外出禁止令が出る前に近くのBotánica jardin(2月23日撮影)。】

帰国にあたり心残りになったのはX氏に1度も会えなかったことです。
X氏は強制自宅待機措置の期間中一歩も外に出ないと決めて、外部との接触を避けていました。
私が会いたいとメールしても、私の料理を食べてほしいとメールしても「強制自宅待機措置の期間中は外にでない」の返事でした。
彼に帰る日を知らせました。日本に帰る前に一度お会いしたいとメールしました。でも返事はありません。
明日はいよいよボゴタを発つという日の夕方でした。

ボゴタの私の住まいだったご近所さんの彼女に相談があると言いました。
でも貴女はファッションデザイナーの仕事もドイツ語の学びも非常に忙しくて時間がないとおもうからご迷惑になるのではというと、話してほしいと彼女は真剣な目をしました。

意を決して73歳の恋の話を手短にはなしました。
X氏に恋を打ち明けたら可笑しいかなあ。
私の年齢は男から恋の告白をするものだと育ちました。
さもなければ貴女はとても“はしたない”ことであると育ちました。

22歳のときに好きな人が居ました。
彼から好きだと言ってくれるのを待ってました。
その間に見合いの話もあり、22歳にもなってまだ家にいるつもりかと親から結婚を迫られました。
居場所がなくなり好きではない男と結婚しました。

結婚してから私が本当に好きな人に電車の中で出会いました。
あー、本当はこの方と結婚したかったと悔しかった思いがありました。
そんなことで73歳になってはじめて好きな人に好きと言いたいです。
躊躇していました。でも、もう後悔はしたくないです。
そのことを彼女に言うと「(恋の話をしても)あなたには何も失うものはない」と言われました。

「あなたは何も失うものはない」オウム返しで声に出してみました。

そうか!そうだよね。「何も失うことはないんだ」よね。胸にすーと落ちました。

それにしても彼女は25歳です。25歳にして73歳の私に「あなたには何も失うものはない」と言える彼女に感服です。
コロンビアの子育てはこのような言葉で子どもたちを育てる文化があるのではと思いました。

図1

写真7
【私が住んだアパートの近くにある城跡です。この近辺には各国の大使館がずらりで、比較的安心地域です。(2月24日撮影)】

図2

写真8
【城の洞穴にはパンを毎日焼いて売っている店と、小さなコンビニのようでなんでも売っている店が入ってます。警察官もここで休息?!かな。ウロウロしてます(2月24日撮影)】

20200/08/26
X氏さま
私が生まれた家は太平洋の駿河湾という世界で一番の深海と言われてます。波の音がとても大きくて力強い音です。
その駿河湾を目の前にしたところに家がありました。
小さいときから海を眺め、波の音をきき、浜辺で遊びました。
ボゴタから日本に帰ってきて久しぶりに浜辺に行きました。
波の音を聴いていると、母親の胎内の鼓動のようにも聴こえました。
生きる原点に戻ったとおもいました。
波の音は、これからの私自身の生き方を見つめる時間になりました。
それは、コロンビアのpandeñia (外出禁止令)の中でアパートの目の前の山を歩き、360度の眺めからボゴタの市内を見下ろし、山並みを見て空を見たことと、素晴らしいご近所さんと過ごした時間を頂いたからこそです。
pandeñia の中で目の前の山とスーパーマーケットのCarullaしかしりませんが、コロンビア・ボゴタの街に恋をし、ボゴタの人々に恋をした時間に感謝します。

Cerca de mi pueblo natal hay aguas que dicen que son más profundas del mundo. Se llama Bahía Suruga y está ubicada en el Océano Pacífico.
El sonido de las olas es muy fuerte y poderoso.
Mi casa miraba a la Bahía.
Observaba el océano desde pequeña, escuchaba el sonido de las olas y jugaba en la playa.
Después el regreso a Japón desde Bogotá, fui a la playa después de mucho tiempo.
Las olas sonó como si fuera el latido del corazón que se escucha en el útero de la madre.
Creo que he vuelto al punto de partida de mi vida.
El sonido de las olas fue el momento de pensar en mi propia vida.
Eso es porque caminaba por montañas en la pandemia, contemplando la ciudad de Bogotá con la vista de 360 ​​grados, miraba las montañas y el cielo y pasaba buen tiempo con mis amigos.
Sólo conozco las montañas frente al apartamento y Carulla, pero quiero expresar mi profunda gratitud por la oportunidad de enamorarme de la ciudad de Bogotá.

図3

写真9
【ボゴタ近郊の町シバキラ。日曜日は離れて住んでいる祖父母も来てファミリーで過ごすのが生活習慣となっている(3月1日撮影)。】

図4

写真10
【日曜日はお酒を飲む日?!(3月1日撮影)】

そして私は貴方に恋をしました。
今日は貴方に告白します。
私はウェブセミナーで貴方の話を聴いた時、あなたに一目惚れしました。
あなたの生き方となる哲学を聴いてあなたの人格を好きになりました。
貴方の人柄を感じて好きになりました。
次回はあなたをたずねてコロンビアに行きたいです。 
あなたは日本に興味がありますか? 
日本には春・夏・秋・冬と4つの季節があります。
私の好きな季節は冬から春に変わる時と、秋から冬に変わるときが好きです。
日本人は4つの四季を感じるから美意識が高いと言われます。
世界で最古の土器である1万7千年前の縄文土器が日本の東北から出土しました。そこは昔から「未知の国」と呼ばれているところです。そんなところにも行ってみたいと思いませんか?日本をご案内します。
また、私の手料理も食べてほしいです。
もしも、あなたが私をきらいでないなら、メール交換で時間をかけてお付き合いをしていただけますか?

Y me enamoré de ti.
Te lo confieso hoy.
Lo favorecí cuando vi su seminario Zoom.
Me encantó tu personalidad escuchando tu filosofía de vida.
Sentí tu personalidad y me gustó.
La próxima vez me gustaría invitarte a visitar Colombia. ‥
¿Estás interesado en Japón? ‥
Hay cuatro estaciones en Japón: primavera, verano, otoño e invierno.
Mi estación favorita es de invierno a primavera y de otoño a invierno.
Se dice que los japoneses tienen un alto sentido estético porque sienten las cuatro estaciones.
La cerámica más antigua del mundo, la cerámica de Jomon, hace 17.000 años, fue desenterrada en Tohoku, Japón. Ha sido llamado el "país desconocido" durante mucho tiempo. ¿Le gustaría ir a un lugar así? Te guiaré a Japón.
También quiero que comas mi comida casera.
Si no te molesta, ¿puedes pasar algún tiempo intercambiando correos electrónicos y pasando el rato conmigo?

彼の返事は・・・

つづく

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