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自尊心を取り戻す魔法

ゴキゲンで生きているつもりでも、何かの拍子に自尊心がベッコリ凹んでしまうことはある。でも、大丈夫。いつもの自分を取り戻す方法がある。

1.堂々めぐる悩みの秘密

『相談があるんだけど。
実は、かくかくしかじか、こんなことがあってね。
(出来事の説明)

あの人がこんなことをするんだ。
あの人がこんなことを言うんだ。
(相手の行動の説明)

頭の中が、あの人のことでいっぱいで、なにも手につかない。
どうしたらいいかわからない。
(自分の行動・状況の説明)

あの人は、いったいなにを考えているんだろう。
私は、どうすればいいんだろう。
ねえ、君はどう思う。
(思考や行動の助言を求める質問)』


人間関係のなかで起こる喧嘩、対立、すれ違い、無視、当てこすり、仲間外れ、マウンティング。はげしくモヤモヤして、思考がグルグルして、誰かに聞いてもらいたいときって、ありませんか。

「どうしたらいい?」
「どう考えればいい?」
「どう受け止めればいい?」
「どう解釈したらいい?」

これは相談の形をとっていますが、本当に相談でしょうか。思考や行動について助言がもらえたら、相手は納得するのでしょうか。私は経験上、そうは思いません。

例えば、以下のような対応をしてみます。

(相談への一般的な対応)
①相手の心理分析をしてみせる。
②人間関係のノウハウを提示する。
③「スルーするように」助言する。
④自分の経験を語って聞かせる。

浅い関係性や上司部下という立場、または相談してきた相手が気力体力に満ちていて簡単な助言のみで動ける人なら、これでも十分納得するでしょう。

日常の些細なつまづきは、どう考えればいいか、どうすればいいかという『思考と行動』の助言のみでも案外やり過ごせます。

でも、じきにまた同じ訴えがぐるぐると繰り返されることがある。そういうときは、『思考や行動』の助言だけでは十分ではありません。

ぐるぐるを止める鍵を握るのは、『感情』です。

2.『感情』にそっと手を当てる

悩める人は、なぜそのできごとや相手にこだわり続けるのか。膠着状態を打破するには、いったい何が必要なのか。その答えを、こんな言葉で鮮やかに教えてくれた友人がいました。

「傷ついていることを認めた瞬間、相手への執着が消えた」

何度もぶり返す悩み、とらわれてしまう悩みは、『思考や行動』よりも『感情』の手当てを欲しています。

深く傷ついて自尊心が砕け散り、すっかり自分を見失っている。傷ついた自分を恥じる気もちがあり、ありのままを受け入れがたい。

そういうとき、私たちは落ち着きをなくし、自分の傷から目をそらし、傷の周りをぐるぐると回ります。核心をつかない言葉をたくさん操り、気を紛らそうとします。とっても不快なのに口元に笑みを浮かべたりします。悲しみに崩れ落ちそうなのに「大丈夫」と言ったりします。怒りがマグマのようにふつふつと湧いても平静を装います。

自分の心の崩壊を守るために防衛的態度を取るのです。

先の友人は、見事に『感情』以外のことを語り続けていました。どうしてこんなにこだわってしまうのか、自分はどうしたらいいのか、とても焦っているように見えました。

念のため、なにか決断を迫られているのかを尋ねてみましたが、答えは「NO」。それならばと、次のように答えました。

「とても、傷ついているよね」

ぐるぐる話し続けている友人は、『思考や行動』を点検するのに忙しそうでした。私は、友人の内側の“ふれられていない感情”に、そっと手を当ててみたのです。

そこで、友人に異変が。
(イメージとしては『千と千尋の神隠し』で、ハクが自分の名前を思い出した瞬間。鱗がパキーンってなってパラパラパラ・・的な感じ)

一人では、とても直視できない心の傷口。でも、さんざん堂々巡りをした後なら、そして誰かと一緒なら、傷の位置や深さを確認する勇気が出てくるかもしれない。友人にとっては、私に話したタイミングがそうだったということ。

3.自分の『いい状態』を取り戻す魔法

私の表の仕事(裏の仕事もあるような口ぶりだが)は、危機介入的な要素が強く、コンサルティング型の相談になることもしばしば。でも、ほんとうのほんとうは、多くの悩みに助言は必要ないのかもしれないと思うのです。

必要なのは「感情」の点検と、自分の「いい状態」を思い出すこと。簡単に言うと、自尊心を取り戻すということ。

傷ついても、そこで終わりじゃない。
心をえぐられても、自分の価値までえぐれたわけじゃない。
傷ついても、自分には対処する力があることを思い出せばいい。
誰かの言葉や態度で、大切な自分の本質まではそうそう変わらない。
そしていつからでも、何度でも、いい状態の私になることができる。

(BGMは、千と千尋の神隠しの『いつも、何度でも』)

そのことを思い出せれば、傷ついたことや傷つけた相手は、いつのまにか問題ではなくなるのだと思います。

(自分のいい状態を復元する魔法)
〇深呼吸して、自分のいちばんいい状態を思い浮かべる。
〇自分のことを理解し、受け入れ、愛してくれた人の顔を思い出す。
〇自分の大切なもの(家族、恋人、ペット)の写真を見る。
〇自分の尊敬する人、好きな人なら、どうするかを想像してやってみる。
〇自分が今までよくやってきたことを、ひとつひとつ数えあげる。
〇気もちが軽やかになること、愉快になること、おいしいもの、うつくしいもの、ここちよいもの、とにかく最高に素敵なものを自分に与える。

「最高の」っていうのは、高級ってことではなくて。自分にとって気分が上がるものであれば、なんでも最高。

最高にノープランな旅にいく
最高に強いパワースポットを訪ねる
最高にハッピーな贈り物を選ぶ
最高に大好きなものを食べる
最高に素敵な人に会いにいく
最高に尊敬する人の本を読む
最高に好きな映画を観る
最高に気持ちいいマッサージにいく
最高に心地よい音楽に浸る
最高に念入りに掃除をする
最高にゆったりと風呂に入る
最高にお気に入りの香りを薫らす

まっさらな自分を呼び戻すには、なんでも使ったらよいです。
ちなみに私は、太陽に打たれにいきます。
滝業ならぬ太陽業。

今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
















「どんなことでも、なんとかなる」「なにごとにも意味があり、学ぶことができる」という考え方をベースに、人の心に橋をかける言葉を紡いでいきます。サポートいただいた場合は、援助職をサポートする活動に使わせていただきます。