「神の一手」を探して(2)

 「神の一手」を探して(1) 

前回に引き続き、「形勢」「最善手」とは何か?を考えます。とはいっても、考えるのはアマチュア将棋指しの私。将棋歴は長くとも棋力は一向に伸びない身では手に余ります。そこで「将棋の神さま」に登場してもらい(本邦初、でしょうか)、色々教えていただきましょう。


――将棋の神さま、本日はよろしくお願いいたします。

将棋の神さま(以下、神) うむ。

――失礼かもしれませんが、神さまって強いんですよね?

神 当たり前だろ。神だからな。

――なるほど。ということは人間と比べて、読みが深い、あるいは形勢判断が正確、大局観が優れているということですよね?「形勢」とは何か、それに加え「最善手」とは何か、教えていただこうと思いまして...

神 待て待て。お前は何か思い違いしているようだな。

――え?

神 神は万能なんだ。読みが深いどころではない。人間の読みの深さが何手、何十手あるか知らんが、神は将棋で指すことのできる手(合法手)を一瞬で全通り読むことができる。すなわち瞬時に全探索が可能なのだ。

――驚いたね。

神 もっと言えば、お前のいう「形勢判断」などしないし、する必要もない。

――え、形勢判断をしない?どういうことですか?

神 飲み込みが悪いな。ある局面から全通り読むことができるのだから、その局面の結論を知っていることになる。すなわち局面Aの結論は、「先手勝ち」か「後手勝ち」か「千日手」か「持将棋」か判断できるのだから、「形勢」なんて考え方は必要ないのだ。そもそもお前のいう「形勢」とは何なのだ?

――えーと...


さて、このシリーズ早くも雲行きが怪しくなってきました(笑)。神さまには「形勢」という考え方がないみたいです。次回はインタビューを続けて打開策を模索したいと思います。


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