ソウルのチャイナタウン=大林中央市場
韓国にもチャイナタウン=중화가(中華街)と呼ばれる街が何か所かあるんですが、有名なのは韓国への入口インチョン(仁川)と京畿道安山と建大にある中華街。
韓国の窓口である仁川には実は日本の横浜中華街のようなある意味テーマパークのようなチャイナタウンがあるんです。
仁川にはオシャレなカフェが多くあったりととても魅力的な街なので、そのあたりは仁川観光広報大使のよすみまりさんのサイトからより詳しい情報を得てください。
そして、もう一つのチャイナタウンが実はソウル駅から地下鉄で30分ほどの場所にあります。
地下鉄2号線のテリム駅12番出口をでると、中国語と韓国語の入り混じった味わい深い通りが目に入ります。
そここそがソウルのチャイナタウン「大林中央市場」。
テリムのチャイナタウンは、実は一般的にイメージする漢民族の中華街とは違う面をもっています。
朝鮮族自治州出身の中国朝鮮族の人たちが作り上げたチャイナタウンなのです。
中国朝鮮族が韓国で作り上げた街。
もはやチャイナタウンと呼ぶべきか、コリアタウンと呼ぶべきかなのかさえ興味深い街。
その歴史は大林洞の近くの九老区加里峰洞(クログ カリボンドン)から始まります。
中国朝鮮族が韓国に移動し始めた流れにはまた別の物語があるので、ここでは言及しないでおきますが、1990年代、様々な理由で東北三省から中国朝鮮族が韓国に行くようになります。
最初に渡韓した身内や知人を頼ってさらに渡韓する人が増える中で、加里峰洞は朝鮮族の集まる地域となっていきますが、2003年に再開発が始まると、朝鮮族の人々は今のテリム洞やクロ洞に移り住みはじめました。
加えて2007年からは就業に関する制度により3年間の在留ができることになると、朝鮮族の人口はますます増加していきます。
その頃、朝鮮族が劇的に増えた地域ではある問題が起きていました。
韓国に来たはいいが、だんだんと故郷を懐かしみ、향수병(郷愁病)にかかってしまったのです。
そこから始まったのが以下の流れ。
故郷のご飯を食べたい…
→故郷の料理が食べれらるお店が必要だ
→よしお店を出そう
→わ~い故郷のご飯だ!
→お客さん増える
→お店増える
→もっとお客さん増える
→もっとお店増える
→食材を扱うお店も増える
→他では食べられない料理が話題になる
→なにその美味しそうな料理!
→観光客も増える
→チャイナタウンとなる
今はお店のオーナーには漢民族も多いのですが、大林中央市場で食べられるものには、羊の串焼きや延辺冷麺などがあるります。
この延辺冷麺がまたうまい。
甘みと酸味の効いたスープがそば粉でできたコシのある麺と抜群に相性がよく、何度も食べたくなる味わい深い一品となっているのです。
ああ、想像したらまた食べたくなってきた…のでここでおしまい。
大林中央市場については韓国人から見るとまた別の側面を持っているのでその話をまた次回。