剣道を語るうえでの必須事項③ スポーツと武道の違い
①実際、全剣連でも「剣道はスポーツではない武道である」と公言している。しかし、剣道人の間でも剣道はスポーツであるか、武道であるかわからなくなっている。まず一般のスポーツの目的は試合に勝つことです。そのため一定のルールの中で新しい技が開発されるのは大いにOK。試合の内容が高度になればなるほど新しい技が開発され、スポーツはそれを「良し」とします。しかし、剣道はこれを「良し」としません。試合、ルールの中で新しい技を開発することは剣道の本筋から外れてしまいます。剣道の「武士道」は伝統継承性を帯びているからです。
真剣で斬り合っていた時代は、新しい技を生み出して剣法が発展されましたが今は真剣で斬り合いません。剣道は「真剣で斬り合っている中、開発された剣の操法」です。竹刀剣道で新しい技を編み出してはいけないのです。これは、宮本武蔵が「顔面打ち」を推奨したり、柳生新陰流の活人剣だったりと、剣道の基礎の部分から逸脱した行為をしては、剣道ではなく、チャンバラスポーツということになります。あくまでも、真剣に乗っ取った操法を学んで「あぁ、昔の人はこうやって剣をつかっていたのかぁ~」という想いを竹刀を通して鑑みることになります(?)
まとめ:スポーツは「勝利至上」であり、ルールの中でなら自由なものが開発されることを「良し」とするが、武道は伝統継承性を帯びているため、それを認めていないことに大きな違いが存在する
②剣道では「練習」ではなく「稽古」といいます
これは古を稽(かんがえる)ということです
昔の真剣でやっていた剣法を稽(かんがえる)ということなのです
そうです
剣道では
真剣時代の剣法を
継承していこうというものなのです
稽古とは?
よって剣道は「稽古」と呼ばれます
「練習」ではありません
「稽古」とは
古(いにしえ)に稽(かんがえる)ということで
昔(真剣時代)の剣術を、遡って、模倣して、繰り返すといったことなんです。
やっていることは「練習」なのですが
意味合いを忘れてはなりません
「稽古」と「練習」は違うということです