基礎動作①踵を床につける&究極の「すり足」習得へ
1.剣道:左のひかがみを緊張させる
→ひかがみ(ひざ辺り)は、少し曲げる
2・構えの足の重さの比重はイメージ的には左:右=6:4
→左重心は必須
3.足の向き、膝は相手の方を向く
→右足は真っすぐ、左膝・左つま先は相手にむけるより15~30℃ほど外旋する
4.湧泉(検索してください)から親指手前の母指球辺り
→小指球(足小指の手前)重心で構える。足裏は全体的に使えるようにする。前後の揺れに対しては踵、足指を使う
5. 左かかとを床から少し浮かせる程度
→左踵を床につける方が良いが、感覚が分からなければ、少し浮かせる程度にしてもよい。
6. 肛門を締める
日本のスポーツ界で長年にわたり常識とされてきたのはいわゆる母指球信仰・つま先立ち信仰というスタイルでした。こうした考え方が世の中に蔓延してしまった結果、どうしてもかかとを使えない選手が1980年代を中心に大変増えてきました。
このマガジンでの構えの足の形成の時点で通常の剣道の「すり足」が成立しておりません。「むしろ、これで移動できるわけ?」と疑われるかと思います。この構えに変えましたので、この構えの状態から最大限に足を素早く移動させる技術を習得していきます。
注意:この記事は剣道の原則の足さばきとは正反対の考え方であり剣道的には「邪道」です。しかし、現代の剣道の足さばきだけでなく、「つま先で地面を蹴って前に進む」という動作自体が、身体的合理性に欠けていると言わざる負えず、他のスポーツに対しての応用もできないので、その辺の理解をする機会にも丁度いい記事かもしれません。
つま先に重心を置くとヒトは後ろに動き、踵重心でヒトは前に動く
まず、「原則」を理解しなければなりません。通常の立つ姿勢をとります、骨盤もニュートラルな形です。身体の重心点を後ろに動かさないまま、両脚のつま先をあげて体重を乗せていくと、重心点(骨盤)を支持点(踵)より前に位置させることで、前に発進できるようになります。「いやいや、踵に重心かけると身体が後傾するだろ!」と思われるかもしれませんが、それは、身体の重心を後傾することで立っている状態をキープしているんですね。身体の重心を真ん中にした状態で踵に重心をおくと、自然と身体が倒れる。まっすぐ立っていた体はゆっくり前に倒れ始めるイメージです。このときに、踵で支える瞬間、わずかに膝を曲げて床を後方に押してやれば、床からの「地面反力(作用・反作用の法則)」身体は加速して身体は前に倒れていきます。骨盤が少し前傾していると思っていても、踵荷重にした時に身体が前に倒れなければ、骨盤が後傾しています。構えの時は肛門を締めて骨盤をやや前傾状態にしましょう
「剣道はつま先で立つ。それはおかしい!」と思われるかもしれませんが、それは、身体を後進させることで姿勢を維持していることになります。その状態で身体を前に出すので、下肢の筋肉の力で前方向に歩くことになり疲れやすく腰が痛くなりやすくなります。つま先に重心を置くと左踵が上がります。しかし、「左踵の上げすぎは良くないんだよ」と指導されたことがあるのならば、重心をつま先の方向に置くことの行動の矛盾になり、初心者はかなり苦しいかと思います。現代人の「地面を蹴って前に進む」という感覚が一般常識のように囚われていますが、実はこれそのものが「腰痛」・「ひざ痛」・「外反母趾」などの痛みを生み出しています。現代人・我々剣道人も「伸展感覚の歩き」しかできないようになっていますから、思い込んでいるけれども、本来は「正しい歩き方」というのは目的によっていろいろあるものであって、画一すべきではなないのですが、明治時代以降の集団行動訓練において、つま先で地面を蹴って前に進む歩き方・走り方が浸透していったようです。しかし、つま先で床を蹴る左足の使い方をすると、動きとしても、上に飛ぶ形になりますし、起こりもみえやすくなります。更に、足首に伸展力をかけて地面をける時の足首は不安定であり、捻ったら、足首の捻挫を起こしやすくなります。つま先重心は、車でいうとバックギアかかったまんまアクセルかけているのと同じ感覚です。
言語だけでは理解の限界があるので、本当に理解したいならば上記の動画をご覧ください。
かかとで踏み込むことのメリット
実際、地面反力を考えた時の比較画像があります。
引用:なみあし研究所
身体がもらえる床反力の方向は実際、踵の方がもらえるわけです。
実際、つま先に重心をかけるよりも踵で重心をかける方が、身体の負荷をかけずに「筋力」ではなく「重力(床反力)」を利用して身体を前に推進することが可能となります。
通常の普通に立っただけの重心落下線は、つま先からみておおむね足のサイズの3分の2くらいの位置にきます。足のサイズを27cmと仮定すると、つま先からの距離は約18cmです。
通常の剣道の構えのように、つま先を支持点にして前進しようとすると、重心落下点をつま先より前に移動させなければなりません。
つまり、モーメントアーム約18cm分のロスとなります。
対して、かかとを支持点にすれば、普通に立った状態で約9cmのモーメントアームが稼げます。重心落下点を移動させる必要もないため、動きの立ち上がりが当然速くなります。
人のカラダを含め地球上の物体はすべて慣性の法則に支配されています。したがって、停止している物体はすぐには動き出しません。
なので、車の場合は、ローギアで力強く、されど比較的ゆっくりと発信するわけです。
そして動き始めれば、今度は慣性の法則で逆に止まりにくくなるので、大きな力は不要になり、ローギアで力が余ってスピードが出ないのでシフトアップしていきます。
かかとを支持点にするというのは、まさにこのローギアでスタートする状態と同じです。
足の骨格構造をみれば一目瞭然ですが、足裏で一番太く大きな骨はかかとの踵骨(しょうこつ)です。
つまり、スピードは遅くても一番強大な力を出せるのは、一番大きくて太い、この踵骨であり、人はかかとを支持点にした時に、初期動作として最大の前身力を発揮することができるわけです。
日本のスポーツ界で長年にわたり常識とされてきたのはいわゆる母指球信仰・つま先たち信仰というスタイルです。
こうした考え方が世の中に蔓延してしまった結果、どうしてもかかとを使えない選手が、1980年代を中心にたいへん増えていきました。
監督やコーチの指導を真に受けて四六時中つま先たちで歩く訓練をした結果、斎野を狩らしていってしまった選手は枚挙にいとまがありません。
というのも、「つま先立ち生活」をしはじめた最初の数か月だけは、実際にパフォーマンスが向上しました。
そうした選手の体つきをみてみると、皆一様にふくらはぎの筋肉がパンパンに太くなっていて、どうがんばっても「かかと推進」を使えない身体になっていきます。
いま、この瞬間地球に対しどう力を加えたらいいかというのは、時々刻刻変わっていかなければなりません。
そうした中で、前方へ移動する瞬間には、かかとに支持点を持ってくるのが、理想であり、つま先に支持点を持っていくのは、全く逆の真後ろに移動する時が最適なのです。
左踵で踏み込んで打突する
宮本武蔵曰く、
足のはこびやうの事、つまさきを少しうけて、きびすをつよく踏むべし。
と書かれています。
しかし、現代の武道・武術の研究者が子に一分の真意を読み間違え、前脚をももあげのようにあげて、ドーンと床を踏み抜くような足遣いだという読み方をしてきたわけです。
しかし、これは大きな誤解で、実際は、軸足=左足のことを指しているのです。剣道家には全く信じられないことですが、軸足のつま先を少し売枷気味にして、かかとでつよく踏むという動きがあり得ることはすでに科学的な実験、で解明されているそうです。しかもこの動きを軸足で行うと、気配がなく初動が速く突進力が高い、非常に優れた動きができるようになることまでも解明されています。
この動きができると早度があがります。早度とは初動のはやさのことです。この動きは一見ゆっくりな雰囲気で気配がなく、動きだしが非常にわかりづらいという特徴を兼ね備えています。さらに、動き出した後のスピードもこうした足遣いをしなかったときに対して速いので、相手からしてみると「気が付いた時には、顔と顔がくっつくほど懐深く入り込まれてい舞っているじ」状態になるのです。しかも、おどろ個ほどに、当の本人はゆったりしたきぶんであればあるほどうまくいくのです。
究極のすり足『膝の抜き』を手に入れる
すり足、踏み込み足の際、接地した足を蹴らず動き出せる究極のすり足です。「重力」もフルに活用するので急激な上体の落下を受け止めることで、発生する「地面反力」を推進力にする技術で、単純に左膝を曲げるではありません。この技術は、剣道の基礎技術では、構え的に成立しない技術なので、このマガジンでの「構え」を形成したことを前提として続きを語っていきます。
立っている状態の膝関節がどのように働いているかで決まる。
膝関節の伸展筋(膝を伸ばす)筋肉には、大腿四頭筋・大腿筋膜張筋(前太もも)の筋肉に作用します。座っている状態で、膝関節を水平方向へ伸展させると、太ももの筋肉が緊張するでしょう。では、立っている状態で太ももの筋肉の緊張を確認してみましょう。立っている状態で、曲がっている膝を伸ばすと、足(下腿)は重力により太ももの力をあまり要せず、伸ばすことができます。むしろ、膝関節の屈曲筋群(ハムストリングス)を緊張させて速度調整させています。これを、歩く・走る時に確認してみると、下腿の角度を変えなければ、股関節を伸展させることで、膝関節を伸展させることができます。これが、地面を蹴らない走り・歩きのベースとなります。
膝を抜くために必要な構え
次の動作へ素早くぐ投げるには、構えで極まる。
・正対位・半対位の構えでも、基本的に両肩は水平
・体幹部を先に動かさないためにも、肩関節と股関節の位置をしっかり把握する
水平を維持することで地面からの反力を正確に受け止めることができ前に進める。特に左右への動きだしは、両肩が進行方向へ向きやすくなる。
左足が外旋していないと膝の抜きは不可能
両脚をそろえて膝を閉じて、膝関節の伸展を行うと、股関節と下腿が内旋します。こうなると膝の後面の膝窩筋がロック状態となります。
膝窩筋は、膝関節の後面にある筋肉で、膝関節の屈曲筋群(ハムストリングス地帯)の一つ。膝関節を伸展させることで下腿を内旋させることで、膝関節を固定させる作用を持つ。
工事中。