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豊富なカリグラフィーの書体

書体の数は細かく分けると何十種類にもなりますが、現在のアルファベットの原型になったのは紀元前1世紀頃から石碑などに使われていたローマンキャピタル体です。
ロゴにもよく使われているクラシックでシンプルな書体です。石に彫る前の下書きは、平筆を水平に保ち筆をねじりながら線を引きます。その書き方が解読されたのは15世紀以降だそうです。シンプルなだけに1番難しい書体と言われます。

その後ヨーロッパ各地で様々な書体が発展していきます。
4世紀にはオンシャル体が作られ、聖書の写本によく使用されました。
8世紀になりカロリンジャン体という小文字体ができ、11世紀にはページにより多くの文字が書けるゴシック体が発展しました。
16世紀にイタリック体が生まれ、ローマ教皇書簡で使われるようになり瞬く間に広まりました。軽く繊細な書体は女性にも勧められました。 17世紀後半、イタリック体があまりにも流行したのでそれ以前の書体は使われなくなっていきました。
その後フランスの書体(ロンド体、バタルド体、クゥレ体、シャンセリエール体、ブリゼ体)が作られます。読みやすいロンド体やバタルド体は今もパリのレストランやパン屋さんの看板で見つけることができます。

18世紀になりイギリスで生まれた書体、アングレーズ体(日本ではカッパープレート体)は傾斜のあるエレガントな文字です。私は結婚式の招待状や宛名書きにこの書体をよく使います。

カリグラフィーを勉強しだすと街中のいろんな文字が目に飛び込んでくるようになります。蚤の市に行って昔の書類やポストカードを見てオリジナルの美しい筆跡を探すのも私の楽しみの一つです。


書体は大文字、小文字、数字と学んでいき、文字と文字の繋げ方、文字と文字のスペース、アラベスク(唐草模様のような装飾)の付け方、余白の取り方、紙の選び方、ペン先の選び方、色んな書体の組み合わせ、構図、文字の演出の仕方と、本当に奥が深い世界です。

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